アプリで日別の電気使用量を確認しています。生活パターンは同じなのに、日によって数十円の差が出ます。なぜでしょうか?

配信日: 2025.11.09
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アプリで日別の電気使用量を確認しています。生活パターンは同じなのに、日によって数十円の差が出ます。なぜでしょうか?
最近では、電力会社の多くがスマートメーターを導入し、専用アプリで日ごとの電気使用量を簡単に確認できるようになりました。
 
グラフで「今日は昨日よりも使用量が多い」と一目でわかるのは便利ですが、「生活は同じなのに、なぜ毎日金額が違うのだろう? 」と疑問に思う方も少なくありません。実は、その原因はいくつかの要素が複雑に関係しています。
 
本記事では、主な理由を分かりやすく解説します。
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電気料金は「使用量」だけでなく「単価」にも左右される

多くの家庭が契約しているプランでは、電気料金は「基本料金」+「使用量×単価」で計算されます。このうち、単価(1kWhあたりの料金)は一定ではなく、使用量の段階によって変化します。
 
たとえば、120kWhまでは1段階料金、300kWhまでは2段階料金、それ以上は3段階料金といったように、使えば使うほど割高になる仕組みです。そのため、月の中盤や終盤で使用量が積み重なり、単価の高い区分に入ると、同じ消費量でも“1日あたりの料金”が上がることがあります。

 

気温や湿度が「見えない使用量」を増やす

生活パターンが同じでも、外気温や湿度の違いによってエアコンや冷蔵庫の消費電力が変化します。
 
特にエアコンは、設定温度を同じにしていても外気温が高い日や湿度が高い日ほど、室内を冷やすために多くの電力を使います。逆に冬場なら、外気が低いほど暖房の負担が増します。
 
また、冷蔵庫も室温が高いと冷却のためのコンプレッサーが長く稼働するため、消費電力が増える傾向にあります。

 

家電の待機電力や微妙な使用時間のズレ

家電製品の中には、電源を切っていても常に微弱な電力を消費する「待機電力」があります。
 
特にテレビ、電子レンジ、Wi-Fiルーターなどは、常に通電しているため、わずかな差が積み重なると1日単位での料金に影響します。資源エネルギー庁によると、家電を長時間使わない場合にコンセントからプラグを抜いておくと、0.5~0.8%の節電効果がもたらせると言われています。
 
また、「生活パターンは同じ」と感じていても、実際には使う時間やタイミングが数分~数十分ずれていることがあります。たとえば洗濯機や炊飯器を動かす時間帯が違うだけで、アプリの計測タイミングによっては“日をまたいで”集計され、見かけ上の差が生じることもあるのです。

 

時間帯別料金プランを利用している場合

一部の電力会社では、昼間と夜間で単価が異なる「時間帯別料金プラン(例:夜トクプラン)」を採用しています。この場合、夜間の使用が多い日と昼間の使用が多い日では、同じ総使用量でも料金が数十円変わることがあります。
 
例えば、夜に洗濯や炊飯を行った日は単価の安い時間帯が多く、結果的に安くなる傾向があります。

 

アプリの集計タイミングや計測誤差も影響

電力会社のアプリは、スマートメーターのデータをもとに自動で集計していますが、通信のタイムラグや集計単位の違いによって、前後の日にわずかにズレ込むことがあります。
 
そのため、厳密には「昨日使った電気」が今日の分として計上されるケースもあり、「誤差」と見える差が発生します。これは計測機器の特性上、避けられない部分でもあります。

 

数十円の差は「自然なゆらぎ」

日々の使用パターンを丁寧に見直しても、電気料金に数十円の差が出るのはごく自然なことです。気温や湿度、単価の段階、時間帯別の使用状況などが少しずつ重なり、結果的に料金に違いが生まれるのです。
 
もし「急に大きく上がった」「数百円以上の差が続く」といった場合は、冷蔵庫のドアパッキンの劣化やエアコンのフィルター詰まり、契約プランの見直しなども確認してみましょう。
 
電気使用量アプリは、そうした“異変”に気づくための良いツールです。日々の変化を気にしすぎず、長期的な傾向を見ながら、上手に省エネにつなげていくことが大切です。

 

出典

資源エネルギー庁 どうやったら節電できる?明日からすぐに役立つ節電・省エネのヒント
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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