夏から付けていた室外機のカバー、暖房時期に付けていると電気代が上がるって本当?
そこで本記事では、普段の暮らしで気になる電気代の仕組みや注意点について解説します。
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目次
夏場の室外機カバーが節電に効果的なのはなぜ?
室外機は、室内機と連携して冷媒ガスを循環させ、熱を外に放出したり取り込んだりすることで室内温度を調整する装置です。夏の冷房時は室外機が外気に熱を放出するため、直射日光で室外機自体が高温になると放熱効率が低下し、エアコンの効率が落ちます。
そこで、通気性を確保したカバーを付けて直射日光を遮ることで室外機の表面温度が下がり、コンプレッサーの負担が軽減され、消費電力が抑えられるというわけです。
実際、夏場に遮熱効果のあるカバーを使用したケースでは、電力消費量が5~15%削減されたという実測データが複数の実験やメーカー調査で報告されています。
家庭の電気代で換算すると月数百円、年間で数千円単位の節約になる可能性があります。このため、通気性を確保したカバーの夏場利用は効果的な節電策として定着しつつあります。
暖房時期には逆効果になる理由
一方、暖房時にはエアコンが外気から熱を取り込んで室内を暖めるため、室外機は外気を効率良く取り込む必要があります。しかし、吸気や排気を妨げるようなカバーを付けていると、熱交換効率が低下し、エアコンがより余計な電力を消費してしまうことがあります。
また冬は雪や霜、氷が付着しやすく、カバーによって湿気や氷がこもると室外機のファンが凍結してしまうこともあります。このときは霜取り運転が頻繁に行われるため、消費電力が増える原因となり、電気代がかえって上がるリスクも存在します。
つまり、暖房時期にカバーを付けたままだと、冷房時とは反対に電気代が上がるリスクが生じるのです。
カバーを付けたままでも良いケース・悪いケース
ただし、すべてのカバーが悪いわけではありません。例えば、上部だけを覆う屋根型や側面に通気口のあるタイプは空気の流れを妨げにくいため、暖房時にも支障が少ないといわれています。また、雪や霜の侵入を防ぐ防雪カバーも、通気性が確保されていれば暖房効率を損なわずに使用できます。
一方で、ビニール製などで室外機全体をすっぽり覆うタイプは、通気が阻害されやすく暖房効率が落ちることで電気代が増加することがあるので注意が必要です。設置環境によっても異なりますが、カバーを付けたまま運転して暖まりが悪い、電気代が急増したなどと感じた場合は、まずカバーの影響を疑うべきでしょう。
室外機カバーと上手に付き合うポイント
暖房シーズンを迎えたら、まず室外機の周囲を点検し、通気を妨げていないか確認しましょう。壁や植木などが近すぎる場合も、風の流れを妨げて暖房効率を下げる要因になります。冬に防寒目的でカバーを使用する場合は、通気性の良い素材や構造を選び、吹き出し口をふさがないように注意することが大切です。
また、電気代の変化を見ながら自宅の環境に合う方法を検証するのもおすすめです。月ごとの電気使用量を記録し、カバーの有無でどの程度差が出るかを比べてみると、節電効果や効率の変化を把握できます。
単にカバーを付ける・外すではなく、自宅の設置環境や地域の気候、エアコンの使用パターンに合わせて柔軟に使い分けるのが、最も合理的で経済的な運用方法といえるでしょう。
暖房時期はカバーの使い方を見直そう
室外機カバーは、夏場の冷房時には電気代の節約効果が期待できますが、暖房時期にそのまま付けておくと、場合によっては電気代が増加する可能性があります。
ポイントはカバーの通気性と設置環境で、空気の流れを確保できる構造であれば、冬でも問題なく使用できますが、密閉性の高いカバーは外すのが無難です。
電気代を抑えるためには、季節ごとにカバーの有無を見直し、効率を数値で確認しながら運用方法を調整することが大切です。少しの手間をかけることで、快適さと節約の両立ができるでしょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
