給湯温度を「38度」、お風呂の温度を「41度」にした場合のガス代はそれぞれどう違う?

配信日: 2025.11.13
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給湯温度を「38度」、お風呂の温度を「41度」にした場合のガス代はそれぞれどう違う?
お風呂のお湯の温度をどう設定するかで、ガス代は変わると思っている方は多いかもしれません。
 
しかし実際には、“給湯器から出すお湯の温度”と“最終的に湯船を何度にしたいか”が別になっている家庭も多く、この2つに差があると追い炊き機能が働き、思ったほど節約にならないことがあります。
 
本記事では、この2つの温度設定によってガス代がどの程度変わるのか、また温度差が大きいと結局同じ金額になるケースについて具体的に紹介します。
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給湯温度とお風呂の設定温度の違い

給湯器の操作パネルには、「給湯温度」と「お風呂の設定温度」の2種類が表示されることがあります。
 
「給湯温度」は、給湯器から出すお湯の温度のことです。シャワーや蛇口から出てくるお湯は、この給湯温度によって決まります。
 
一方の「お風呂の設定温度」は、最終的に湯船を何度にしたいかという“仕上がり温度”を指します。追い炊きや足し湯をするときも、この設定温度に合わせて加熱されます。
 
そのため、給湯温度をお風呂の設定温度より低くすると、いったんぬるいお湯が浴槽に入り、あとで追い炊きが働いて設定温度まで温め直すしくみです。こうした“二段階加熱”になる分、追い炊きのガス代が余計にかかる可能性があります。
 

給湯温度とお風呂の設定温度を両方とも「41度」にした場合のガス代

給湯温度とお風呂の設定温度が同じである場合は追い炊きが必要ないため、浴槽にお湯をためる際にかかるガス代のみで済みます。
 
ガス代は「上昇させる温度×水量÷(熱効率×発熱量)×ガス代単価」で計算します。東京都水道局の調査によると、令和5年11月の都庁付近における水道水の平均水温は、18.3度とのことです。
 
この水温から41度まで22.7度上昇させるとして、浴槽に200リットルのお湯をためると仮定した場合のガス代を以下の条件で計算してみましょう。


・熱効率80%
・発熱量約1万751キロカロリー
・ガス代単価155.14円(東京ガスB表「25年11月検針分」より)

22.7度×200リットル÷(80%×1万751キロカロリー)×155.14円=約82円

1回につき約82円のガス代がかかる計算になります。
 

給湯温度を「38度」、お風呂の設定温度を「41度」にした場合のガス代

一方、給湯温度を38度、お風呂の設定温度を41度に設定した場合にガス代がいくらかかるのか計算してみましょう。
 
まず、18.3度の水を38度まで上昇させて200リットルためる場合のガス代を上記と同じ条件で計算すると以下のようになります。
 
19.7度×200リットル÷(80%×1万751キロカロリー)×155.14円=約71円
 
次に、38度からお風呂の設定温度である41度まで3度温度を上昇させる場合のガス代は、以下の通りです。
 
3度×200リットル÷(80%×1万751キロカロリー)×155.14円=約11円
 
合計すると約82円なので、給湯温度とお湯の設定温度を両方とも41度にした場合のガス代とほぼ同じです。つまり、給湯温度をお風呂の設定温度より低くしても、お風呂の設定温度が変わらなければ、ガス代の節約効果は得られない可能性があるでしょう。
 
そのため、お風呂の設定温度自体を下げるか、シャワーを出している時間を短くするなど設定温度以外でガス代を節約する方法を考えることをおすすめします。
 

給湯温度を低くしても、お風呂の設定温度が同じであればガス代の節約にはつながらない可能性がある

給湯温度を38度、お風呂の設定温度を41度にしている場合、38度で給湯されてもその後で追い炊き機能が働き、41度までお湯の温度は上がります。
 
そのため、給湯温度とお風呂の設定温度を同じにしている場合と比較しても、ガス代の節約にはつながらない可能性があります。給湯温度だけでなくお風呂の設定温度も下げるか、設定温度以外の部分での節約方法を考えたほうがよいでしょう。
 

出典

東京ガス株式会社 ガス料金表(家庭用/業務用・工業用 共通)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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