「節約ばかりで何も楽しめない…」32歳・手取り17万円で「貯蓄500万円」の会社員。貯金はあっても“節約だけの人生”は損ですか? 30代の「平均貯蓄額」とあわせ確認

配信日: 2025.11.14
この記事は約 3 分で読めます。
「節約ばかりで何も楽しめない…」32歳・手取り17万円で「貯蓄500万円」の会社員。貯金はあっても“節約だけの人生”は損ですか? 30代の「平均貯蓄額」とあわせ確認
手取り17万円ながら倹約に励み続けて、32歳で500万円の貯蓄を築いたものの、「節約ばかりで何も楽しめない」と悩む会社員の人もいるのではないでしょうか。確かに貯蓄は大切ですが、過度な節約によって人生の楽しみや成長の機会を逃してしまうのは本末転倒かもしれません。
 
そこで本記事では、30代での貯蓄500万円の位置づけを明確にした上で、節約と生活の豊かさのバランスの取り方について解説します。
山口航

2級ファイナンシャル・プランニング技能士

30代で貯蓄500万円は多い?

30代で貯蓄500万円は、同年代と比較するとかなり多い金額だといえます。J-FLEC「家計の金融行動に関する世論調査2024年」によると、30代単身世帯の貯蓄額の中央値は90万円となっているからです。30代の二人以上世帯でも貯蓄額の中央値は180万円で、貯金500万円がいかに多いかが分かります。
 
また、総世帯で見ると、30代の4割以上が100万円以下の貯蓄しかないのが現実で、30代全体の27.5%、約4人に1人が「貯蓄ゼロ」です。したがって、貯金500万円は同年代と比べると相当な金額であり、手取り17万円でこれほどの資産を形成できたのは大きな努力と継続的な節約の結果といえるでしょう。
 

節約だけの人生って損なの?

暮らしていく上で、節約が重要な習慣であることは間違いありませんが、過度な倹約は生活の質や人生の充実感を犠牲にしてしまう恐れがあります。節約ばかりに気を取られると、そのときにしかできない貴重な経験の機会を逃してしまう可能性があるからです。
 
節約は目的ではなく、より良い生活を送るための手段に過ぎず、お金を貯めること自体が人生の目標になってしまうと、本来の豊かさを見失ってしまいます。大切なのはバランスで、お金をまったく使わずに節約するのではなく、程よい加減を考えて自分なりのお金との付き合い方を見つけることが重要です。
 

収入が少ない場合のお金の使い方は?

収入が少ない場合でも、過度な節約に偏るのではなく、メリハリのあるお金の使い方を心がけることが大切です。
 
まず、これまでの節約習慣を基本としながら、月収の5~10%程度を自分への投資や体験に使う予算として設定してみてもいいでしょう。具体的には、スキルアップのための資格取得費用や、健康維持のためのジム代、大切な人との食事代などです。
 
また、節約して貯めたお金の一部を、投資に回すことを検討してみてもいいかもしれません。少額から始められるNISAやiDeCoなどの制度を活用すれば、税負担を軽減しながら将来に備えられます。節約で培った計画性を生かし、「使うべきところには使う」という新しいお金との向き合い方を身につけると、より充実した人生を送れるでしょう。
 

まとめ

手取り17万円で32歳までに500万円を貯蓄するのは、単身世帯の同世代の中央値である90万円と比べるとかなり高い水準であるため、相当な努力のたまものだといえるでしょう。ただし、節約だけに偏った生活では人生の豊かさを見失う恐れがあります。
 
お金は将来の安心のために必要ですが、同時に今の人生を充実させるための手段でもあります。そのため、これまでの節約習慣を維持しつつ、バランスを取りながら今しかできない経験や成長の機会を大切にすることも重要です。
 

出典

金融経済教育推進機構J-FLEC 家計の金融行動に関する世論調査2024年
 
執筆者 : 山口航
2級ファイナンシャル・プランニング技能士

  • line
  • hatebu
【PR】 SP_LAND_02
FF_お金にまつわる悩み・疑問