晩酌で「350mlの缶ビール」を2本飲んでいます。妻から「血圧も高いし健康が心配」と“ノンアルビール”をすすめられています。家計的にも安くなるなら、切り替えるべきでしょうか?
ただ、毎日の習慣となると家計への影響や健康リスクも気になるところです。中には妻から、ビールをノンアルコールビールに変えるように勧められたことがある人もいるかもしれません。
本記事では、飲む量は変えずにビールからノンアルコールビールに切り替えると、家計や健康にどのくらいの影響があるのかについて解説します。
2級ファイナンシャルプランニング技能士/日商簿記3級/第一種衛生管理者/証券外務員/英検2級など
家計への影響
一般的な350ミリリットルの缶ビールは1本あたり200円強、ノンアルコールビールは100円強で購入できます。つまり、差額は大まかに1本あたり100円程度です。
仮に毎日2本飲んでいるとすると、ビールとノンアルコールビールの差は200円となり、1ヶ月(30日)では6000円、年間では7万円以上の差になります。
7万円ともなると家計にとって小さな差額ではありません。「ノンアルコールビールに変えて節約してほしい」という妻の意見も一理あると言えるでしょう。
健康への影響
金銭面の差以上に見逃せないのが健康への影響です。厚生労働省は「節度ある適度な飲酒量」として、純アルコールで1日平均約20グラム程度を目安としています。
350ミリリットルのビール1缶には、14グラム程度の純アルコールが含まれています。2本で28グラムとなり、缶ビール2本だとすでに「節度ある適度な飲酒量」を超えてしまうのです。毎日このペースで飲み続けると、以下のような影響が積み重なっていく可能性があります。
・肝臓への負担
・高血圧や脂質異常症などの生活習慣病リスク
・睡眠の質の低下
「まだ大丈夫」と思っていても、健康診断で数値に表れ始めると、後からの修正が難しい場合もあるでしょう。
ノンアルコールビールのメリット
ビールよりもノンアルコールビールのほうが家計への負担は少なく、アルコール関連疾患リスクを大幅に抑えるメリットがあります。さらに近年はノンアルコールビールの味の改良が進み、ビールのような香りや喉ごしを楽しめる商品も増えています。
飲みたい欲求を満たしながら出費と健康リスクを減らせる点が、ノンアルコールビールならではの大きな魅力といえるでしょう。
いきなり「ゼロ」にしなくてもOK
ノンアルコールビールのほうが家計と健康への負担が少ないと分かっていても、「少しくらいビールを飲みたい」という人もいるでしょう。そのような場合、いきなりビールをゼロにするのではなく、次のような手段も有効です。
・平日はノンアル、休日だけビール
・毎日飲む2本のうち1本をノンアルに変える
・晩酌の頻度を減らす
これだけでも出費を毎月数千円減らせるうえに、健康診断の数値改善にもつながる可能性があります。前述の通り1日に缶ビールを2本飲むと、厚生労働省の示す1日の「節度ある適度な飲酒量」とされるアルコールの量を超えてしまうので、まずはアルコールの総摂取量を減らしていくという意識で取り組んでみるとよいでしょう。
まとめ
晩酌の350ミリリットルの缶ビール2本をノンアルコールビールに切り替えると、家計においては月約6000円の節約、健康面では飲酒量の適正化につながります。完全にやめなくても「減らす工夫」を取り入れるだけで、将来の医療費や生活の質にも差が出てきます。
お酒好きにとって冷えたビールの心地よさは格別ですが、時にはノンアルコールで喉を潤しつつ、家計と健康のバランスをとってみるのも良い選択かもしれません。
執筆者 : 三浦大幸
2級ファイナンシャルプランニング技能士/日商簿記3級/第一種衛生管理者/証券外務員/英検2級など
