年金13万円、賃貸で一人暮らしの母は「節約のためにお風呂は毎日入らない」と言っていました。1回のお風呂でかかる水道・光熱費はいくらなのでしょうか?
今回は、入浴にかかる費用を紹介します。また単身世帯の1ヶ月の水道光熱費や、水道光熱費を節約する方法もチェックしていきましょう。
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者
“東京都出身。2008年慶應義塾大学商学部卒業後、三菱UFJメリルリンチPB証券株式会社に入社。
富裕層向け資産運用業務に従事した後、米国ボストンにおいて、ファイナンシャルプランナーとして活動。現在は日本東京において、資産運用・保険・税制等、多様なテーマについて、金融記事の執筆活動を行っています
http://fp.shitanaka.com/”
1回の入浴でかかる費用
まずは、1回の入浴でかかる費用を確認していきます。今回は、一般的な浴槽のサイズに、都市ガスで20度の水を40度まで上げて、200リットルのお湯を張るケースを考えます。
水道代
まずは、水道代です。1立方メートルは1000リットルです。東京都の水道料金の計算方法では、呼び径(メータ口径)20ミリメートル、従量料金11~100立方メートルまでとすると、200リットルの水道代は、25~50円くらいになります。
ガス代
浴槽に、20度の水を40度まで上げ、200リットルのお湯を張るのに必要なガス代は、約69円です。
(ガス代は、(40度-20度)×200リットル÷(発熱量(キロカロリー/立方メートル)×熱効率(80%))×ガス料金(円/立方メートル)という計算式で計算しています。都市ガスの発熱量を1万750キロカロリー/立方メートルとしています。また、ガスのエネルギーの80%を温度上昇に使うと仮定し計算しています。都市ガスの基本料金は、東京地区の2025年10月検針分B表147.76円/立方メートルとしています。)
よって、1回のお風呂にお湯を入れるのに、94~119円くらいです。地域にもよりますが年間通じて100円程度、冬場の冷たい水をお湯にする場合は200円くらいかかると考えるとよいでしょう。
高齢者世帯の1ヶ月の水道光熱費は?
次に、単身の高齢者世帯では、毎月どのくらい水道光熱費を使っているのか、確認していきましょう。総務省の「家計調査 家計収支編 2024年」によると、単身世帯のうち65歳以上の家計の水道費や光熱費は、以下の通りとなっています。
光熱・水道費:1万4528円
うち電気代:7643円
ガス代:3258円
他の光熱:1154円
上下水道料:2472円
主に年金をもらいながら生活していると考えられる65歳以上の世代で単身の方は、毎月約1万5000円近くを光熱費や水道費に使っていることが分かります。これは、お風呂だけではなく、トイレや洗濯、食器洗いに使用する水や、冷蔵庫、洗濯機などの電気にかかる費用を含みます。
仮に、毎日150円でお風呂に入った場合、1ヶ月でかかる費用は、4500円です。毎月の光熱水道費の3分の1くらいをお風呂で使っていることになります。
水道光熱費を上手に節約する方法
入浴1回にかかる費用は約100~200円なので、たしかに入浴回数を減らせば節約につながります。しかし、入浴回数を減らすことで、不衛生な生活を送ることになってしまうと、病気になったり、皮膚が炎症を起こしたりと、体にトラブルが発生する可能性があります。
過度な倹約は、健康で衛生的な生活を送ることができなくなります。水道費や電気代を気にしながら生活することは大切ですが、不衛生な生活になることがないよう、気を付けるようにしましょう。
そこで、入浴回数を減らすのではなく、それ以外に工夫することで節約を目指すのがポイントです。
例えば、
・お風呂に入れるお湯の量を少なくする
・設定温度を1度下げる
・お風呂のふたを活用して保温効果を高める(設定温度を下げても温かい)
・お風呂が沸いたら素早く入る(保温機能や追い炊き機能を使わない)
・お風呂に使用した水を翌日の洗濯や、風呂掃除に活用する
などの方法を試してみましょう。
まとめ
電気代や水道代が気になりますが、健康的な生活を送るためには、ゆっくりとお風呂に入り、温まってリラックスすることも大切です。今回ご紹介した内容を参考にしながら、上手に節約することを心掛けていきましょう。
出典
東京都 水道局 水道料金・下水道料金の計算方法(23区)
東京ガス株式会社 東京地区等 ガス料金表(家庭用/業務用・工業用 共通)
総務省統計局 家計調査 家計収支編 単身世帯 2024年 第2表 1世帯あたり1ヶ月間の収入と支出
執筆者 : 下中英恵
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者
