【試算】4人家族で「お風呂は追い焚き」のわが家。母に「足し湯のほうが安い」と言われましたが、どれだけ安くなりますか? 水道光熱費をシミュレーション

配信日: 2025.11.21
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【試算】4人家族で「お風呂は追い焚き」のわが家。母に「足し湯のほうが安い」と言われましたが、どれだけ安くなりますか? 水道光熱費をシミュレーション
ガス代や電気代が高騰する今、お風呂の残り湯を温め直す費用が気になる人は多いでしょう。4人家族の場合は、入浴時間が長くなるため浴槽の温度が下がりやすく、光熱費の負担が気になるところでしょう。
 
足し湯は水道代がかかりますが、追いだきよりもトータルコストが安くなるケースもあります。本記事では、4人家族のお風呂を想定し、「追いだき」と「足し湯」の費用をシミュレーションし、どちらの光熱費が安くなるのかを検証します。
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【追いだき or 足し湯】光熱費計算のポイント

追いだきと足し湯の光熱費を比較するために、まず3つのポイントを押さえておきましょう。
 

ガス代(熱源コスト)が中心

追いだきと足し湯それぞれのコストで最も大きな割合を占めるのは、お湯を温めるためのガス代または電気代です。
 
追いだきは、浴槽内の湯を直接温める方式で、ガスまたは電気を使用します。足し湯は、水道水を給湯器で設定温度まで温め、浴槽に足すことで温度を上げています。
 

水道代(従量コスト)

足し湯は新たに水道水を使用するため、水道代がかかります。一方、追いだきは水を追加しないため水道代はかかりません。
 

浴槽の温度変化

光熱費を大きく左右するのが、温め直す前の浴槽のお湯の温度です。大きく下がっているほど追いだきの時間と消費エネルギーが増え、コストが高くなります。足し湯の場合も、高温のお湯を多くつくる必要があるため、コストに影響します。
 

4人家族の追いだき vs 足し湯の光熱費シミュレーション

一般的な4人家族を想定し、浴槽の温度が40度から何度下がったかを基準にコストを比較します。給湯器は都市ガスを使用するケースを想定します。
 

計算条件

・都市ガスの単価を1立方メートルあたり170円(発熱量1万750キロカロリー、給湯器の熱効率90%)
・水道代を1リットルあたり0.24円
・浴槽容量は200リットル
・お風呂の設定温度は40度
・水道水の水温は15度

 

ケース1:温度がわずかに下がった場合(38度まで低下)

家族が続けて入浴し、お湯の温度が2度下がった状況を想定して計算します。
 
追いだきは「上昇温度×水量÷(発熱量×熱効率)×単価」で算出します。200リットルのお湯を2度上げる場合は「2×200÷(10750×0.9)×170=約7円」です。
 
足し湯は、水温15度の水道水を55度まで加熱して25リットルを加えると仮定します。必要な熱量は「25×1×40=1000キロカロリー」です。
 
これをガスに換算すると「1000÷(10750×0.9)=0.103立方メートル」で、ガス代は「0.103×170=約18円」となります。
 
足し湯の場合は、さらに水道代として「25リットル✕0.24円=6円」が必要です。以上の計算をまとめたのが図表1となります。
 
図表1

方式 ガス代 水道代 概算合計
追いだき
(2度上昇)
約7円
(200リットルのお湯を2度上げる)
0円 約7円
足し湯
(55度を25リットル追加)
約18円
(25リットルのお湯を40度上げる)
約6円
(25リットル)
約24円

筆者作成
 
このため、追いだきのほうが安くなります。
 

ケース2:温度が大きく下がった場合(35度まで低下)

家族の入浴間隔が空いたり、冬場でお湯が冷めたりしたケースなど、40度から5度下がった状況を想定して計算します。追いだきはケース1と同様に計算し、足し湯の場合、水温15度の水を80度まで加熱して25リットルを足すと仮定します。
 
以上を計算したものが図表2です。
 
図表2

方式 ガス代 水道代 概算合計
追いだき
(5度上昇)
約18円
(200リットルのお湯を5度上げる)
0円 約18円
足し湯
(80度を25リットル追加)
約29円
(25リットルのお湯を65度上げる)
約6円
(25リットル)
約35円

筆者作成
 
この場合も追いだきのほうが安くなります。ただし、4人家族では湯量が目に見えて減る場合があります。湯量を増やす必要があるときは足し湯で調整したほうが効率的なケースもあるでしょう。
 

光熱費を削減するための節約方法

お湯の温度が下がるほど、追いだきも足し湯も光熱費が必要になります。光熱費を抑えるには、できるだけ冷まさない工夫が重要です。
 
入浴していない時間は浴槽のフタを閉め、湯温低下を防ぎましょう。また、入浴間隔が空くほど湯温は下がるため、なるべく家族が続けて入るように習慣化するのがおすすめです。
 
家族が入っていくうちに湯量が減った場合、水道水をそのまま足すと湯温が下がり、かえって追いだき時間が増えてしまいます。足し湯をしながら温めるのは効果的です。
 
なお、最新の給湯器には保温機能があり、少ないエネルギーで湯温を一定に保つことができます。追いだきの回数や時間を減らせるため、省エネ性の高い機能も積極的に活用しましょう。
 

追いだきのほうが節約できる

4人家族のお風呂のお湯を温め直す場合、水道代がかからない追いだきのほうが基本的には安くなります。ただし、湯量が減っている場合や水を補いたい場合は足し湯を使用し、効果的に温めるのもおすすめです。
 
そのため「残り湯の温度」と「水量」が影響します。光熱費を節約するためにも、浴槽のフタを活用し、家族の入浴時間を詰めることで追いだきと足し湯の回数を抑えることをまずは始めてみてはいかがでしょうか。
 

出典

東京ガス株式会社 2025年11月検針分(一般契約料金 A表)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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