40代後半「年収500万円」の会社員ですが“リストラ”の対象に! 年収450万円の「契約社員」なら残れるそうですが、どうせ年収が下がるなら“正社員での転職”を探すべきでしょうか?
今回は、40代後半・年収500万円の会社員が、リストラによって年収450万円で契約社員として残るか、正社員として転職を探すかという選択を迫られたケースを取り上げます。
転職先がすぐに見つかるとも限らないなか、どちらを選ぶべきか。契約社員と正社員の違いや40代後半の転職市場、そして今選ぶべき選択肢について、冷静に整理していきましょう。
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年収450万円・契約社員で会社に残るか、正社員として転職するか
年収500万円から450万円に下がったとしても、ひとまず会社に残れるというのは安心できる選択肢に思えるかもしれません。とはいえ「契約社員」というのは気になるポイントですよね。そこで、契約社員と正社員の違いについて確認してみましょう。
正社員は「長期雇用を前提とした安定した働き方」です。賞与や退職金、昇給制度に加えて、住宅手当や育児支援といった福利厚生が整っていることが多く、長く働くことを前提としたキャリア形成が可能です。将来的な年収アップや役職への昇進といったチャンスも期待できるでしょう。
契約社員は「期限付きの雇用」が基本となります。契約期間が満了すれば終了となる可能性があり、企業は長期育成より即戦力を求める傾向にあります。賞与や退職金がなかったり、昇給が限定的だったり、福利厚生の範囲も限られることがあります。
つまり、同じ年収450万円だとしても正社員と契約社員ではその中身は大きく異なります。正社員であれば、福利厚生や将来的な昇給・昇進の可能性を含め、安定した生活が見込めるでしょう。一方、契約社員では収入が固定されたまま変わらず、契約更新がなければ収入が途絶えるリスクもあるのです。
もちろん、企業によっては契約社員にも正社員と同等の待遇を用意していることもあるため、実際の条件をきちんと確認することが大切です。「どうせ契約社員だから」と決めつけず、具体的な待遇面を比較することが後悔しない選択につながります。
40代後半でも転職は可能?データで見る市場のリアル
契約社員として会社に残る選択肢に不安を感じると、「いっそ転職したほうがいいのでは」と考えることもあるでしょう。
「もしかしたら今の年収を維持できるかもしれない」「年収が下がったとしても、契約社員よりは安定した生活ができるだろう」そんな期待を抱く一方で、「でも、もう40代後半。転職できるのだろうか……」という不安が湧くかもしれません。
厚生労働省「令和5年 雇用動向調査結果の概要」によると、45~49歳の転職入職率(一般労働者)は男性4.6%、女性7.7%でした。図表1を見ると分かるように、年齢が上がるほど転職のハードルが高まるのは事実です。
図表1:年齢階級別転職入職率
厚生労働省「令和5年 雇用動向調査」結果概要より筆者作成
また、同調査では転職後の賃金変化についても明らかになっています。45~49歳の転職者(一般雇用者のうち雇用期間の定めなし)のうち「賃金が増加した」人は37.3%、「変わらない」が31.7%、「減少した」が30.4%という結果でした。このデータから、年収を維持・向上できる可能性がある一方で、下がるリスクもあることが分かります。
転職活動には時間と労力がかかります。まずは自分のこれまでの経験やスキルを整理し、ハローワークや転職エージェント、スカウトサービスなど複数の情報源を活用することが成功の鍵となります。自分の市場価値を知ることから始めると、思わぬ道が見えてくるかもしれません。
契約社員として残るか、転職するか。後悔しない選択を
「このまま契約社員として会社に残るべきか、それとも正社員を目指して転職すべきか」。すぐには結論を出せないかもしれません。また、必ずしも「正解」があるわけでもありません。
大切なのは、自分と家族にとって納得できる選択肢を選ぶことです。
現在の会社に契約社員として残ることは、当面の安定は得られる一方で将来的な収入や雇用の不確実性が残ります。他方で、正社員として転職することはより安定した未来につながる可能性がありますが、転職活動の厳しさや、希望通りの条件で転職できるとは限らないリスクも伴います。
それぞれの利点とリスクを考慮したうえで、後悔しない選択ができることを祈っています。
出典
厚生労働省 令和5年 雇用動向調査結果の概要
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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