実家暮らしの同僚に「1400円のランチ」によく誘われます。「年収450万円・家賃9万円」の1人暮らしにはキツイのですが、実家暮らしは“余裕がある”のでしょうか?
しかし、もし毎日1400円のランチに誘われたら、どうでしょうか?「正直、ちょっとキツいな……」と感じる人もいるのではないでしょうか。特に家賃や生活費を全て自分でまかなう一人暮らしだと、なおさらそう感じるかもしれません。
この記事では、一人暮らしと実家暮らしの経済状況にどれほどの違いがあるのか、国のデータを使って具体的に見ていきます。
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一人暮らしにかかるリアルな生活費
年収450万円の場合、所得税や社会保険料などを引いた手取り額は、月に29万円ほどになります。この金額だけ見ると、一見余裕があるように感じるかもしれません。
しかし、実際の生活費を計算するとどうでしょうか。総務省が公表している「家計調査(2025年4月~6月期平均)」によると、単身世帯のうち勤労者世帯の1ヶ月の平均支出額(住居費用を除く)は約15万円となっています。
図表1
総務省「家計調査(2025年4月~6月期平均)」単身世帯のうち勤労者世帯より筆者作成
今回は家賃が9万円とのことですので、平均支出額である約15万円に9万円を足した約24万円が毎月出ていく計算になります。
手取り約29万円-(平均支出額約15万円+家賃9万円)=約5万円
そうして残る金額は約5万円。これが自由に使えるお金です。とはいえ、病気や急な出費に備えたり、将来のための貯蓄をしたりする必要もあるため、純粋に自由に使えるお金というわけではありません。
「1400円ランチ」が一人暮らしの家計に与える影響
ここまでのデータで、一人暮らしの人が毎月かかる生活費を払った後に残るお金が約5万円であることが分かりました。この状態で、1400円のランチに毎日付き合った場合、家計はどうなるでしょうか。
1400円のランチを月に20日間(週5日)食べた場合のランチ代を計算すると、合計で2万8000円になります。
1400円×20日=2万8000円
ちなみに、先ほど紹介した総務省の家計調査で記載されていた「食料」4万3700円には、外食費1万3296円が含まれています。毎日1400円のランチに付き合った場合、ランチ代だけで一人暮らしの平均的な外食費の約2倍となり、自由に使えるお金がさらに少なくなってしまうでしょう。
実家暮らしの社会人が家に入れる金額はおよそ4万5000円
一方で、実家暮らしの同僚はどうでしょうか。
実家暮らしの最大のメリットは、生活費全般の負担が少ないことです。家賃だけでなく、水道光熱費や食費なども一人暮らしに比べて自己負担が少ないため、経済的な余裕が大きく変わります。
もちろん、実家にいくら入れているかは人それぞれです。保険マンモス株式会社が2022年3月に実家暮らしの人を対象に行ったアンケートでは、最低1000円から最高28万円と人により大きな差があります。なお同アンケートでは、実家にお金を入れていない人が全年代平均で26%いることも分かりました。
図表2
保険マンモス株式会社「実家暮らしの方へのアンケート」より筆者作成
今回は同僚も同じく年収450万円、月の手取りが約29万円と仮定し、平均的な金額である4万5000円を実家に入れているとします。この場合、同僚が自由に使えるお金は約24万5000円です。
約29万円-4万5000円=約24万5000円
ここから急な出費や将来への備えとしていくらか貯金したとしても、一人暮らしの場合と比べれば毎日1400円のランチを食べる余裕があるのは明らかだと言えるでしょう。
まとめ
実家暮らしの場合、一人暮らしに比べて自由に使える金額が大きいと考えられます。ただし、これまで一人暮らしをしたことがない人には、一人暮らしでかかるコストがどの程度か見当がつかないために、悪気なくランチに誘っている可能性もあるでしょう。
一人暮らしでは毎月かかる生活費が大きく、毎日1400円ランチに付き合うのは厳しいことを正直に伝えて、回数を減らしたり、リーズナブルなお店やお弁当を提案したりするなど、節約をしながら同僚とのランチを楽しめるといいですね。
出典
総務省 家計調査
保険マンモス株式会社 実家暮らしの方へのアンケート
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー


