“200万円分”の「タンス預金」、不慮の火災で一部焼失…。銀行で交換できる!? これからは素直に「口座入金」すべきでしょうか?

配信日: 2025.11.25
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“200万円分”の「タンス預金」、不慮の火災で一部焼失…。銀行で交換できる!? これからは素直に「口座入金」すべきでしょうか?
ある調査によると、およそ4割の人がタンス預金をしているようです。しかし、火災や盗難、さらには税務調査のリスクを考えると、ただ家に置いておくだけでは安心できません。また、タンス預金の紙幣が破損した場合、銀行などで交換することはできるのでしょうか。
 
この記事では、破損した場合の紙幣の交換基準や、タンス預金ではなく銀行口座に入金するべきなのかを解説します。
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「タンス預金」をしている人の割合は4割程度

株式会社スガワラくん「タンス預金と新紙幣についてのアンケート調査」(脱・税理士スガワラくん 調べ)によると、「タンス預金がある」と答えた人は300人中125人で、全体の41.7%を占めました。回答者は35歳以上65歳未満の全国の男女で、自宅に現金を保管している人が一定数いることが分かります。
 
タンス預金の総額を尋ねたところ、「10万円未満」が27.2%と最も多く、次いで「10万円~30万円未満」(25.6%)、「50万円~100万円未満」(16.8%)、「30万円~50万円未満」(12.0%)と続いています。結果として、8割超(81.6%)が「100万円未満」と回答しています。
 
そのため、今回のように200万円もの金額をタンス預金している方は少数派と思われます。火災や盗難のリスクを考えると、安全とは言い切れないでしょう。
 

日本銀行券は一定条件の下「汚損・損傷時」の交換が可能

紙幣が破れたり汚れたりして使用することが困難になった場合でも、日本銀行の本支店で新しい紙幣と交換してもらえる可能性はあります。財務省によれば、日本銀行法施行規則第8条において、交換できるかどうかの基準が明確に定められています。交換の基準について、表1にまとめました。
 
表1

表裏の両面がある日本銀行券(紙幣)の状態 交換される金額
全体の2/3以上が残っている場合 額面全額
全体の2/5以上2/3未満が残っている場合 額面の半額
全体の2/5未満しか残っていない場合 交換できない

出典:財務省「誤って紙幣を破ってしまった時は、どうすればいいですか」を基に筆者作成
 
したがって、火災などで一部分だけが焼け落ちた紙幣であっても、残りの部分が基準を満たしていれば新しい紙幣と交換できるケースがあります。判断が難しい場合は、破損した紙幣をそのまま捨てず、日本銀行に相談するとよいでしょう。
 
なお、日本銀行によれば、「銀行券は、燃えて灰になってしまっても、ある程度までは、紙やインクの質から本物であることが特定」できるとしています。紙幣が燃えて灰になってしまった場合は、できるだけ原型を崩さないよう細かい部分も集めて、適当な容器などに入れて持ち込むようにしましょう。
 

口座入金すれば「1金融機関ごとに預金者1人あたり1000万円」までが保護の対象に

預金保険機構によると、万が一金融機関が破綻した場合、利息のつく普通預金や定期預金、定期積金、掛金、元本補てん契約のある金銭信託、金融債などは、1金融機関ごとに合算して、預金者1人あたり元本1000万円までと、破綻日までの利息等が保護されます。
 
つまり、高額のタンス預金を自宅で保管するより、1000万円を超えない範囲で銀行口座に入れておく方が安全かもしれません。口座残高が1000万円を超える場合は、複数の金融機関に分けて預け入れると安心でしょう。
 
一方で、多額のタンス預金をまとめて銀行口座に入金すると、税務当局から確認の対象となるケースがあります。特に過去の申告外所得が疑われる場合、税務調査に発展することも考えられます。そのため、入金時には経緯を合理的に説明できる準備があると安心です。
 

まとめ

タンス預金は手元に現金がある安心感を得られますが、火災や盗難のリスク、場合によっては税務調査の対象になる可能性があることも忘れてはいけません。日本銀行では、破損や汚損した紙幣を一定条件の下で交換できる場合があります。
 
また、銀行口座に入れておけば、預金保険により、1金融機関ごとに、預金者1人あたり1000万円までの元本と利息等が保護されます。高額の現金を自宅に置くよりも、複数の銀行に分けて預けるなど、安全策を講じることが安心につながるでしょう。
 

出典

株式会社スガワラくん 「タンス預金と新紙幣」についてのアンケート調査(脱・税理士スガワラくん 調べ)(PR TIMES)
財務省 よくあるご質問 通貨 誤って紙幣を破ってしまった時は、どうすればいいですか
日本銀行 傷んだお金、燃えて灰になってしまったお札や溶けてしまった硬貨は、どこに持ち込めばいいですか? 損傷したお札はどのような基準で引き換えてもらえますか?
預金保険機構 預金保険制度の概要
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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