実家の母は滅多にかかってこないのに「固定電話」を契約しています。「固定電話」を解約して「電話加入権」を売却すれば“年間2万円以上”も節約になるらしいですが、本当ですか?

配信日: 2025.11.29
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実家の母は滅多にかかってこないのに「固定電話」を契約しています。「固定電話」を解約して「電話加入権」を売却すれば“年間2万円以上”も節約になるらしいですが、本当ですか?
スマートフォンによる連絡が浸透している昨今、ご家庭の「固定電話」の扱いをどうすべきか、お悩みの方もいるのではないでしょうか。使用頻度の低い固定電話は、解約や権利の売却によって節約につながる可能性もあります。今回は、固定電話を維持する上で生じるコストや「電話加入権」の基本的な考え方などについて解説します。
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「固定電話」は維持するだけで“年間2万円以上”の出費

固定電話の基本的な料金体系は以下のとおりです。
 

一時払い金:新規加入時に支払う料金
基本料金:通話量にかかわらず毎月一定額支払う料金
通話料:通話量に応じて支払う料金

 
なお、上記に加えて「ユニバーサルサービス料2.2円」「電話リレーサービス料1.1円」も別途請求されますが、構成比としては誤差の範囲内だといえます。
 
次に、NTT東日本株式会社が公開している料金比較ページを参照し、「東京在住(3級取扱所)」および「自分からは電話をかけていない」というパターンを想定してみましょう。
 
このケースでは、最低でも毎月の基本料金として1870円(加入電話)もしくは2145円(加入電話・ライトプラン)がかかります。したがって、「固定電話を丸1年放置した」場合、「2万2440円〜2万5740円」程度の基本料金が発生する可能性があるようです。
 

「電話加入権」は“3500円~7500円程度”で売れる可能性

前記の「一時払い金」として含まれるものの1つが、「電話加入権」です。これは「権利」であるため、ゴルフ会員権などと同様に売買の対象となるケースも存在するようです。
 
例えばフリマアプリ「メルカリ」では5000円以上で取引が成立したケースが複数確認できるほか、Yahoo!オークションにおいても3500円〜7500円程度の価格で取引されているケースもあるようです。
 
このように、加入電話の基本料金を1870円とすれば、数ヶ月分の元を取れる可能性はあります。もし緊急通報の代替手段があり、固定電話についてはほとんど普段の利用がないのであれば、売却を検討してもいいのかもしれません。
 

「電話加入権」は相続財産にも含まれる

なお、「電話加入権」は「相続財産」の一部でもあります。権利の価額について、従来は電話取扱局ごとに個別の評価を行っていましたが、昨今では法令解釈などに変化がみられます。
 
令和3年時点では、国税庁の「『財産評価基本通達の一部改正について』通達のあらましについて(情報)」の中で、電話加入権は以下のように評価されているようです。
 

・電話加入権の取引相場が存在していない
・標準価額も平成26年以降、一回線当たり「1500円」と非常に低位な金額となっている
・インターネット等の普及で容易に売買実例価額を調べられる

 
以上のような理由から、個別の評価を廃止し「一般動産」の評価に含めることとしています。
 
なお、東京都においては、取引相場のない電話加入権についての価額は「1500円」だそうです。そこまで大きな金額ではありませんが、相続において勘案する必要があることは覚えておきましょう。
 

まとめ

この記事では、「固定電話」の維持費用や「電話加入権」についての基礎知識を紹介しました。「最後に使ったのはいつだっけ?」というような固定電話がご家庭にある方は、「解約しても支障はないか?」を考えつつ、解約・売却について判断するのがいいでしょう。
 

出典

NTT東日本株式会社 料金比較
国税庁 「財産評価基本通達の一部改正について」通達のあらましについて(情報)
国税庁 令和2年分 財産評価基準書 東京都 電話加入権の評価
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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