【驚き】スーパーで「オレンジジュースだけ160円」に衝撃…“リンゴ・グレープ”は「96円」なのに、なぜオレンジだけ“値上がり”してる? 価格高騰の理由・今後の見通しを解説

配信日: 2025.12.09
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【驚き】スーパーで「オレンジジュースだけ160円」に衝撃…“リンゴ・グレープ”は「96円」なのに、なぜオレンジだけ“値上がり”してる? 価格高騰の理由・今後の見通しを解説
日頃、スーパーマーケットで買い物をしていると、飲食料品の値上げが気になる人は多いでしょう。インフレ傾向が明白になった3年前ほどからに比べ、2倍近くに値上がりしてしまった商品も珍しくありません。
 
その中でも特に、「オレンジジュース」の値上がりと高止まりは大変目を引くものです。なぜこのような価格高騰が起きたのでしょうか。
山田圭佑

FP2級・AFP、国家資格キャリアコンサルタント

「オレンジジュース」高騰の要因とは

スーパーやネットスーパーを利用していて、以下のような点が気になったことはないでしょうか。
 

・いつも買っていた手頃なプライベートブランド(PB)のオレンジジュースが売り切れになっている。
・「オレンジ」だけ、ほかのフレーバーより数十円高く設定されている。
・大手メーカーのオレンジジュースが、以前よりサイズが小さくなっている、あるいは販売休止になっている。

 
実際に、大手ネットスーパーの商品一覧を見てみても、その傾向は顕著です。
 
同じ「濃縮還元100%ジュース」であっても、リンゴ、グレープ、パイナップルなどのジュースにくらべ、オレンジジュースだけ価格が1.5倍程度になっていたり、在庫自体がなかったりします。大手ファストフード店で、オレンジジュースについて提供を見合わせるという事態も起きました。
 
これは、近年急速に進んだ円安も値上がり要因の1つですが、それ以上に影響が大きいのが「世界的なオレンジの供給危機」とされています。
 
オレンジジュースに使用されるオレンジの原産国は、ブラジルやアメリカなどが主体となっていますが、ここ数年、天候不順や病害(カンキツグリーニング病)による不作が深刻化しています。
 
さらに円安が追い打ちをかけた結果、日本は他国とのオレンジ争奪戦に「買い負け」が起きており、オレンジジュースの価格にも大きな影響が及んでいるのです。
 

今後の「オレンジジュース」価格の見通しは?

こうした状況は、関係者の間では「オレンジ・ショック」とも呼ばれ、今後もしばらくは影響が続くと見込まれています。これは、日本が特にジュース用のオレンジについて外国産オレンジへの依存が強いことも要因です。
 
かつて、日本とアメリカとの間で激しい「貿易摩擦」が起きていた時期に、アメリカからの一層の農産物輸入自由化要求の一環として「日米牛肉・オレンジ交渉」が行われ、事実上オレンジの自由化がなされました。
 
その後も関税引き下げ交渉が続き、2015年の「TPP」では、オレンジの生果とジュースの関税を段階的に撤廃することが合意されています。
 
このような貿易自由化の流れもあり、海外でのオレンジ不作が一層日本におけるオレンジジュースの価格高騰に影響を与えるようになったと言えるでしょう。
 
現在、病害に強いオレンジの品種づくりやオレンジ輸入先の分散化(イスラエルやオーストラリアなど)なども価格高騰対策として行われていますが、これらの取り組みの結果として安定的にオレンジ果汁供給ができるようになるには、なお時間がかかると思われます。
 
消費者としては、もうしばらくオレンジジュースの価格は高止まりするものだと考えていたほうが良さそうです。
 

まとめ

日本で販売されるオレンジジュースの原料となるオレンジ果汁は、ブラジルやアメリカ産の物が多く、これらの国では近年の天候不順と病害のために不作が続きました。近年急激に進んだ円安の影響もあり、オレンジ果汁の価格高騰が起きてオレンジジュース価格も高止まりが続いています。
 
飲料メーカーは、病害虫に強いオレンジの品種づくりにも取り組み始めていますが、オレンジジュースの価格安定にはまだまだ時間が掛かりそうです。
 

出典

一般社団法人農協協会 農業協同組合新聞 「オレンジ・牛肉ショック」の根本原因~貿易自由化政策と消費者の選択
日本経済新聞 オレンジ不作、姿消すジュース サントリーは品種開発へ
楽天グループ株式会社 西友ネットスーパー フルーツジュース
 
執筆者 : 山田圭佑
FP2級・AFP、国家資格キャリアコンサルタント

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