実家の両親が太陽光パネルを検討中。初期投資200万円だそうです。売電でどれくらいもうかる? 投資回収時期についても教えてください
そこで本記事では、太陽光パネルを導入した場合の売電収入や電気代削減効果を整理し、初期投資200万円が家計に与える影響や投資回収の考え方を解説します。
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目次
太陽光パネル導入にかかる初期費用の考え方
住宅用太陽光パネルの設置費用は、屋根の形状や広さ、設置容量によって異なりますが、一般的な4.5〜5キロワットのシステムを導入する場合は、120~150万円程度が一般的な目安といえます。これは決して安い金額ではないため、貯蓄を取り崩したり、他の支出を抑えたりする必要が生じるケースも多いでしょう。
重要なのは、太陽光パネルを単なる節約ではなく、将来の電気代削減や売電収入を見込んだ投資として捉えることです。初期費用を回収するまでにおおよそ何年かかるのか、またメンテナンスや機器交換など、どの程度の追加費用が見込まれるのかを、事前に把握しておく必要があります。
売電収入はいくら期待できるのか
太陽光発電の収益源として、まず思い浮かぶのが売電収入です。ただし、近年は売電単価が下がっており、売電だけで大きな利益を得る仕組みではなくなっています。
一般的な家庭用太陽光パネルでは、年間の売電収入はおおよそ5万円前後が目安です。天候や地域差はありますが、毎月数万円の不労所得というイメージを持っていると、実際とのギャップに驚くかもしれません。売電はあくまで、補助的な収入と考えるのが現実的でしょう。
自家消費による電気代削減効果も重要
太陽光パネルの経済効果は、売電収入だけではありません。日中に発電した電気を自宅で使うことで、電力会社から購入する電気を減らせます。これが、自家消費による電気代削減効果です。
一般家庭の場合、自家消費分による電気代削減は年間で4~6万円程度になることが多く、売電収入と合わせると、年間の経済メリットは約10万円前後となります。電気料金が今後上昇した場合、この削減効果はさらに大きくなる可能性があります。
初期投資200万円は何年で回収できる?
年間の経済効果が約10万円の場合、単純計算で初期投資200万円を回収するには20年かかります。また、10~15年程度で機器の交換費用が発生する可能性もあり、必ずしも計算通りに回収できるとはかぎりません。
そのため、太陽光パネルは短期間で利益を得る投資ではなく、長期間かけて家計の固定費を抑える仕組みと考えるべきでしょう。特に高齢の両親が導入を検討する場合は、今後どれくらいその家に住み続けるのかという視点も欠かせません。
太陽光パネルの設置は老後資金と住み続ける年数を踏まえて判断しよう
太陽光パネルの導入は、得か損かだけで判断すると結論が出にくい投資です。売電収入や電気代削減という金銭的な側面に加え、将来の電気料金上昇リスクを抑える安心感も含めて考える必要があります。
両親世代にとっては、老後資金を大きく減らさずに導入できるか、他に優先すべき支出はないかを確認することが重要です。家計とライフプランを整理したうえで、無理のない範囲で判断することが、後悔しない選択につながるでしょう。
出典
経済産業省 資源エネルギー庁 太陽光発電について
経済産業省 資源エネルギー庁 なっとく! 再生可能エネルギー FIT・FIP制度 買取価格・期間等
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
