電気代が“昨年より1万2000円”も高くなりました…エアコンより“こたつ”のほうが本当に安く済むのでしょうか?

配信日: 2025.12.22
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電気代が“昨年より1万2000円”も高くなりました…エアコンより“こたつ”のほうが本当に安く済むのでしょうか?
冬になると「昨年より電気代が大幅に上がった」「エアコンをやめて、こたつ中心にしたほうが節約になるのではないか」といった、電気代に対する心配や疑問を抱える方もいるでしょう。実際、近年は燃料価格の上昇や料金単価の変動により、使用量が大きく変わらなくても請求額が増えるケースが少なくありません。
 
こうした中で、「こたつのほうが電気代は安い」といったイメージだけで暖房器具を切り替えると、実態と異なる結果になる可能性もあります。
 
本記事では、エアコンとこたつの電気代がどのような仕組みで決まるのかを整理したうえで、実際の使い分け方や注意点について解説します。
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エアコンとこたつ、電気代の決まり方の仕組み

電気代は、消費電力(キロワット)に使用時間や電力料金単価を掛けて計算されます。このため、家電ごとの消費電力と使用時間が重要な判断材料になります。
 
一般的に、こたつの消費電力は弱運転で100ワット前後、強運転でも600ワット程度とされており、単体で見ると消費電力は比較的小さめです。
 
一方、エアコンの暖房運転は、立ち上がり時に電力を多く使い、その後は室温を維持するために消費電力が下がる特性があります。機種や外気温などにもよりますが、平均的には400~500ワット程度、場合によっては1000ワットを超えることもあります。
 
このため、「短時間・局所的に使う」前提であれば、こたつのほうが電気代を抑えやすい傾向がありますが、長時間・広範囲の暖房にはエアコンの方が効率的になる場合もあるため、どちらが安いかは使用状況によります。
 

「こたつのほうが安い」と言い切れない理由

こたつは足元を中心に暖めるため、部屋全体の室温は上がりにくいという特徴があります。その結果、寒さを補うためにエアコンや電気ストーブを併用すると、消費電力量が増え、電気代がかえって高くなる可能性があります。
 
一方、エアコンは部屋全体を一定の温度に保つため、設定温度を低めにして連続運転したほうが、頻繁なオン・オフより消費電力が安定しやすいとされています。
 
つまり、こたつは「エアコンの代替」ではなく、「補助的な暖房」として考えるほうが、実態に合っているといえるでしょう。
 

電気代を抑える現実的な使い分けとは

実際の電気代を抑えるには、家電の種類よりも使い方が重要です。例えば、エアコンの設定温度をやや低めにし、体感温度をこたつで補う方法は、無理のない対策のひとつと考えられます。また、断熱カーテンの使用や床からの冷気対策を行うことで、同じ暖房条件でも消費電力量を抑えられる可能性があります。
 
なお、電気代が前年より大きく増えた場合でも、必ずしも使用量が増えたとは限りません。電力料金単価や燃料費調整額など、制度上の要因が請求額に影響しているケースもあります。
 

まとめ

こたつは消費電力が小さい家電のひとつですが、エアコンより必ず電気代が安くなるとは限りません。暖房の役割や使用時間、併用状況などによって、実際の電気代は大きく変わります。
 
電気代の増加に不安を感じた場合は、「どの家電が得か」を単純に比較するのではなく、電気料金の仕組みや自宅の使用状況を確認することが重要です。制度を正しく理解したうえで、無理のない暖房方法を選ぶことが、結果的に家計の負担を抑えることにつながるでしょう。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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