【衝撃】ファミマ「おむすびとおかずセット・398円」が3年で激減! おむすびは「3→2個」カロリーは「605→434kcal」へ…同じ値段でも“実質値上げ”の背景とは
本記事では、ファミリーマート「おむすびとおかずセット」の価格と内容の変化を通じて物価高の影響を解説。またその背景となる、シュリンクフレーションの現象にも触れていきます。
1級ファイナンシャル・プランニング技能士・CFP
投稿の内容
X(旧Twitter)に、ファミリーマートの「おむすびとおかずセット」を2022年と2025年で比べた写真つきの投稿があり、注目を集めています。投稿者は、どちらも税込398円で購入したにもかかわらず、中身が大きく変わっている点に気づきました。
2022年10月時点の「おむすびセット」はおむすびが3個入り、唐揚げや玉子焼きなど、いくつかのおかずが詰め合わされた内容でした。
価格に対して量が多く、「これ1つでしっかりお腹が満たされる」という印象を持つ人も多かった商品です。
一方、2025年に店頭に並ぶ「おむすびとおかずセット」は、同じ398円でも様子が違います。おむすびは2個に減り、おかずの種類や量も全体的に控えめです。カロリーも2022年は605kcalに対し、2025年は434kcalへ減っています。
この写真比較は、「物価高とはどういうことか」を言葉なしで伝えています。同じ金額を出しても、食べられる量が減っている。この分かりやすさが、多くの人の共感を呼び、話題になった理由だといえるでしょう。
2022年から2025年にかけての物価の変化
2022年から2025年にかけて、日本の物価はゆっくりではなく、はっきり体感できる形で上がりました。2022年は、円安やエネルギー価格の上昇をきっかけに物価が動き始めた年です。ただ、この時点ではコンビニの商品も、「少し高くなったかな?」という程度の印象でした。
しかし、2023年以降になると状況は変わります。原材料費、物流にかかるお金、働く人の人件費が同時に上がり、さまざまなものの値上げが当たり前になっていきました。
おむすびに欠かせないコメの価格も同様です。2022年は比較的安定しており、業務用のコメも確保しやすい状況でした。しかし2024年から2025年にかけては、天候不順や生産にかかる費用の増加、運ぶためのお金の上昇が重なりコメの値段は上昇します。
実際に、コメの相対取引価格は60キログラムあたりで2022年度の1万3000円程度から2025年度には3万6000円を超える水準になっています。
その結果、コンビニ各社はおむすびそのものの値段を上げたり、量を調整したり、セットの中身を見直したりせざるを得なくなりました。今回の「おむすびとおかずセット」も、そうした流れの中で変化した商品だと考えられます。
シュリンクフレーションとは何か
シュリンクフレーションとは、値段を変えずに内容量や個数を減らすことで、実質的に値上げすることを指します。「ステルス値上げ」と呼ばれることもあり、最近では身近な言葉になりました。
今回のファミマの事例では、価格は398円のままですが、おむすびは3個から2個になっています。見た目の値段は同じでも、実際には負担が増えているといえます。
企業側にとっては、いきなり値段を上げるよりも、買う人の抵抗感を小さくできるメリットがあります。しかし、今回のように過去と現在の写真が並べられると、変化は一目で分かります。「知らないうちに減っていた」と感じる人が増えれば、企業への印象が悪くなるかもしれません。
まとめ
ファミマの「おむすびとおかずセット」は、2022年と2025年で価格は同じ398円でも、中身は大きく変わりました。背景には、食品全体の物価上昇やコメ価格の高騰があります。
値段が変わらなくても量が減るシュリンクフレーションは、私たちの身近で起きています。これからは価格だけでなく、内容や量にも目を向けて買い物をすることが、物価高時代の知恵といえるでしょう。
出典
農林水産省 米の相対取引価格・数量、集荷・契約・販売状況、民間在庫の推移等 (参考)長期的な主食用米の価格の動向
執筆者 : よし・こう
1級ファイナンシャル・プランニング技能士・CFP
