災害時に備え「石油ストーブ」を使用中です。以前は「電気ストーブ」だったのですが“1日8時間”使う場合、暖房代はいくら変わりますか? それぞれの費用を比較
日中に8時間使用した場合、石油ストーブと電気ストーブではどれほどコスト差が出るのでしょうか。燃料代・電気代の目安を比較し、家庭での暖房費を抑えるポイントも解説します。
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
目次
石油ストーブと電気ストーブの基本的な違い
石油ストーブは、灯油を燃料として部屋全体を暖める暖房器具です。電源を使わないタイプも多く、停電時でも使用できる特徴があります。
電気ストーブは、電気を使って局所的に暖める暖房器具です。設置や操作が簡単ですが、停電時には使えません。災害対策という観点では石油ストーブに軍配が上がりますが、日常的なランニングコストはしっかり比較しておく必要があります。
石油ストーブを8時間使った場合の暖房費シミュレーション
石油ストーブの灯油消費量は、それぞれの器具によって異なります。
本記事では、仮に1時間あたり0.23リットルで8時間使用するとして、1.84リットルで考えてみます。灯油価格を1リットル120円と仮定した場合、以下のように計算できます。
1日の灯油代:1.84リットル×120円=221円
1ヶ月(30日)使用した場合:約221円×30日=6630円
灯油の価格は変動しますが、日中長時間使う場合でも月に6000~7000円程度が目安となります。
電気ストーブを8時間使った場合の暖房費シミュレーション
電気ストーブは消費電力が大きいですが、一般的には1000ワット(1キロワット)前後の製品が多いため、ここでは1000ワットの製品で考えてみます。電気料金単価を1キロワットアワーあたり31円とすると、以下のように計算できます。
1時間の電気代:1キロワット×31円=31円
8時間使用:31円×8時間=248円
1ヶ月(30日)使用:248円×30日=7440円
この結果から、電気ストーブは短時間使用には向いていますが、8時間の連続使用では電気代がかさみやすい点が分かります。
暖房費はいくら違うのか? 月額での比較
石油ストーブと電気ストーブを日中8時間、1ヶ月間毎日使用した場合の料金目安を整理すると、以下の通りです。
石油ストーブ:6630円/月
電気ストーブ:7440円/月
今回の試算での差額は800円程度ですが、8時間以上の長時間使用が続くと、差はさらに広がります。また、広い部屋を暖める場合、電気ストーブだと複数台が必要となるため、コスト増につながる点に注意してください。
災害対策と家計の両立を考えるポイント
石油ストーブは、灯油が確保できれば停電時でも使え、災害時での安心感があります。ただし、灯油の保管スペース確保や使用時の換気、火災への安全対策は欠かせません。
電気ストーブは、日常使いに便利ですが、災害時などに停電すると使えない暖房器具であることを理解しておく必要があります。家計面では、メイン暖房を石油ストーブ、補助的に電気ストーブを使うなど、併用することで暖房費を抑える工夫も有効です。
暖房費だけでなく「使える場面」で選ぶことが重要
日中8時間使用した場合の石油ストーブと電気ストーブの暖房費の差は、月800円程度です。しかし、長時間・広範囲の暖房では、石油ストーブのほうがコスト面で有利になりやすいことが分かりました。
災害時の備えとしての安心感も含め、暖房費・安全性・使い勝手を総合的に考えた選択が、結果的に家計を守ることにつながります。
出典
資源エネルギー庁 石油製品価格調査 調査の結果
執筆者 : 上嶋勝也
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
