「お小遣い3万円」のサラリーマン…ランチは「吉野家・コンビニ・マック」どれが“コスパ最強”? 今どき「ワンコイン」で食べられる店は少ない!? ランチ代の節約術も確認
月3万円のお小遣いでやりくりする場合、ランチ代の節約は避けて通れません。本記事では、牛丼チェーンやコンビニ、スーパーなどを比較し、賢くランチを乗り切るための戦略について解説します。
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
牛丼チェーンとコンビニ、ファストフードの価格比較
まず、代表的なランチである牛丼チェーン、コンビニ、ハンバーガーチェーンの価格帯を比較してみましょう。
多くのビジネスパーソンが利用する「吉野家」では、定番の「牛丼(並盛)」が店内飲食で税込498円です。ワンコインでお釣りがくる価格設定は、お小遣い制の会社員にとって強力な魅力といえます。
次に、コンビニのお弁当はどうでしょうか。大手チェーンの売場をみると、かつて主流だったワンコイン(500円)のお弁当は減少しつつあります。現在は550円から650円程度の価格帯が中心です。おにぎりやサンドイッチを組み合わせる場合でも、2品選ぶだけで500円近くになってしまいます。
そして、ハンバーガーチェーンの代表格であるマクドナルドについてもみてみましょう。平日ランチタイム限定のセットメニュー(ひるマック)は、税込600円からの設定です。
単純に価格を比較すると、以下のようになります。
・吉野家(牛丼・並):498円
・コンビニ弁当(平均):約550円~650円
・マクドナルド(セット):600円~
単品で空腹を満たすことを最優先にするならば、現在のところ吉野家に軍配が上がります。マクドナルドは、ドリンクもついたセットですので、お得感があるでしょう。また、コンビニは選択肢が豊富ですが、しっかり食べようとすると割高になる傾向です。
コンビニランチが高くついてしまう落とし穴
「コンビニは手軽だが高くつく」と感じる人は少なくありません。実は、コンビニランチには、特有の「出費が増える仕組み」があります。
最大の要因は「ついで買い」です。お弁当をレジに持っていく際、無意識にお茶やコーヒーなどのペットボトル飲料をカゴに入れてしまっていないでしょうか。コンビニの500ミリリットルのペットボトル飲料は160円前後が一般的です。お弁当が550円だとしても、飲み物を合わせれば710円になります。
さらに、レジ横のホットスナックや新作スイーツが目にとまることもあります。「数百円だから」と追加してしまうと、1回のランチ代が1000円近くに達することも珍しくありません。
SBI新生銀行が実施した「2024年会社員のお小遣い調査」によると、男性会社員の昼食代の平均は709円と前年より85円増でした。
もしコンビニで毎回800円使っているとすれば、平均よりも1日当たり約100円多く出費している計算になります。月20日で換算すると、月額差は約2000円です。平均が上がっているなかで、さらにランチ代を多く使っていることになります。
コンビニは「時間を買う」という意味では優秀ですが、コストパフォーマンスの観点では、自制心を持って商品を選ばないと予算オーバーの原因になる可能性があります。
月3万円で乗り切るためのメニューローテーションと節約術
限られたお小遣いのなかで、満足度を下げずにランチを楽しむにはどうすればよいのでしょうか。すべてを我慢するのではなく、メリハリをつけた「メニューローテーション」といくつかの節約術を組み合わせる方法が有効です。
まずおすすめしたいのが、スーパーマーケットの活用です。オフィスの近くにスーパーがある場合、お昼の選択肢に加えてみてください。スーパーのお弁当は、398円から498円(税抜)程度で販売されているものが多くあります。コンビニと同等のボリュームがありながら、価格は100円以上安いものも少なくありません。
次に1週間の予算配分を決める、「予算の強弱」をつける方法です。例えば、月・水・木は予算500円以内のコスパ重視の日とし、吉野家やスーパーを利用します。火曜日は調整日として、お弁当を作ったり、自宅からおにぎりを持参したりして出費を抑えましょう。そして金曜日は予算1000円のご褒美の日とし、同僚とランチに行く-などです。
このように、毎日600円使うのではなく「使う日」と「抑える日」を明確にします。週に1回でもお弁当を持参できれば、その分浮いたお金を週末のランチに回すことも可能です。これならストレスを感じにくくなるでしょう。
また、もっとも効果的な節約は、「水筒(マイボトル)の持参」です。毎日160円の飲み物を買わずに自宅からお茶を持参すれば、月間で約3200円の節約になります。これは吉野家の牛丼約6杯分に相当します。
工夫次第でランチの満足度は上げられる
ランチ代の節約は、単に安いものを選んで我慢することではありません。吉野家のようなコスパの高いチェーン店をうまく活用しつつ、コンビニ利用時の「ついで買い」を防ぐだけでも効果があります。
さらに、スーパーのお弁当や水筒の持参などを取り入れ、週単位で予算にメリハリをつけることで、限られたお小遣いのなかでも飽きずにランチを楽しめます。まずは、水筒を持っていくところから始めてみてはいかがでしょうか。
出典
株式会社SBI新生銀行 2024年会社員のお小遣い調査
執筆者 : 山口克雄
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
