50代一人暮らし、「賃貸」か「持ち家」か…日本の住宅の“約6割が持ち家”って本当? 持ち家購入で人生設計は本当に安泰になる?
実際、統計データによれば、日本では持ち家に住んでいる世帯が多数派です。しかし、多数派であることと、自分にとって最適であることは必ずしも一致しません。
本記事では、公的統計データをもとに住宅の所有状況を確認したうえで、50代一人暮らしの視点から「賃貸」と「持ち家」それぞれの特徴を整理します。
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日本の住宅は「持ち家」が多数派
総務省が公表している「令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計」によると、日本の住宅数の総数は5566万5000戸となっています。このうち、持ち家は3387万5500戸、借家は1946万1700戸です。
割合にすると、持ち家は全体の約61%を占めており、数字だけを見ると「持ち家が一般的」と捉えられがちです。
ただし、この統計は世帯構成や年齢を問わず集計されたものです。50代で一人暮らしという条件に当てはめると、必ずしも「持ち家が当たり前」とは言い切れない点には注意が必要です。
持ち家の安心感と見落としがちな負担
持ち家の最大のメリットは、住宅ローンを完済すれば毎月の家賃のような住居費負担がなくなる点です。老後の固定費を抑えられるという意味では、大きな安心材料になるでしょう。また、自分の資産として住まいを保有できる点に魅力を感じる人もいます。
一方で、持ち家には維持コストがかかります。固定資産税や、該当区域であれば都市計画税といった税負担に加え、修繕費や設備の更新費用は基本的にすべて所有者の自己負担となります。特に一人暮らしの場合、これらの費用を一人で賄う必要があり、家計への影響が大きくなりやすい点に注意が必要です。
さらに、50代で住宅を購入する場合、住宅ローンの返済期間が定年後や老後に重なりやすい点も見逃せません。定年後も返済が続くと、年金収入とのバランスによっては家計を圧迫する可能性があります。
賃貸住宅ならではの柔軟性
賃貸住宅のメリットは、住み替えのしやすさにあります。仕事や健康状態、生活環境の変化に応じて住まいを変えやすく、老後にバリアフリー対応のシニア向け賃貸住宅や利便性の高い立地へ移るといった選択もしやすくなります。
また、建物の構造部・共用部の修繕や設備の大規模な交換は原則として大家側の負担となるため、突発的な支出が生じにくい点も特徴です。一方で、家賃を払い続ける必要があり、物価上昇や契約更新時の家賃改定・条件変更によって負担が増える可能性もあります。
高齢になると入居審査が厳しくなるケースがある点は、賃貸のリスクとして認識しておく必要があるでしょう。
「約6割が持ち家」でも判断は人それぞれ
持ち家が多数派であるという事実だけで、「家を買った方が正解」と判断するのは早計です。50代一人暮らしの場合、収入の見通し、貯蓄額、健康状態、今後の生活スタイルによって最適な選択は大きく変わります。
持ち家は安定感がある一方で、流動性が低く、簡単には手放しにくい資産です。賃貸は住み替えやすい反面、長期的な住居費がかさむ可能性があります。どちらにも明確な「正解」はなく、自分の人生設計に合っているかどうかが重要です。
まとめ
総務省の「令和5年住宅・土地統計調査」では、日本の住宅の約61%が持ち家となっています。しかし、この数字だけを根拠に、50代一人暮らしの人が持ち家購入を決断すべきとは限りません。
持ち家には家賃不要という安心感がある一方、税金や修繕費、場合によっては老後のローン返済といった負担も伴う可能性があります。賃貸には柔軟性がありますが、家賃を払い続ける前提での生活設計が必要です。
住まいの選択は、「多数派かどうか」ではなく、「自分の将来に無理がないか」という視点で考えることが大切だといえるでしょう。
出典
e-Stat政府統計の総合窓口 総務省 住宅・土地統計調査 令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計 全国・都道府県・市区町村 表番号3-1-1 住宅の所有の関係(9区分)別住宅数-全国、都道府県、21大都市
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
