太陽光パネルに初期費用「180万円」をかけました。電気代は月2000円下がったけど…これって何年で“元が取れる”計算ですか?
この記事では、単純な計算と制度を考慮した場合の違いを比較しながら、現実的な回収期間を解説します。
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太陽光パネルへの投資で元を取るまでのざっくり計算
太陽光パネルを設置する場合、一般家庭では容量が3~5キロワット程度のものが主流で、5キロワットの場合の設置費用はおよそ140万円が目安です(2024年時点)。1キロワットあたりの費用は低下傾向にあり、10年前に比べて約10万円安くなっています。
では、今回のケースにおいて、導入費用の元を取るには何年かかるのでしょうか。月々の電気代の節約額をもとに考えてみましょう。
・初期費用:180万円
・月々の電気代削減額:2000円
この場合、年間の節約額は「2000円×12ヶ月=2万4000円」となります。これを単純計算すると、「180万円÷2万4000円」となり、元を取るまでに75年かかる計算です。なお、この数値は他の要素を一切考慮していない、あくまで「ざっくりとしたシミュレーション」にすぎません。
売電による収益で元が取れる可能性
太陽光パネルは節約だけではなく、余った電力を売ることで収益化も可能です。これは国が制度として示している「FIT(固定価格買取制度)」「FIP(フィードインプレミアム制度)」によるものです。
例えば、経済産業省資源エネルギー庁によると、2025年度(4月~9月)の住宅用太陽光(10キロワット未満)では、1キロワットアワーあたりの調達価格/基準価格が15円とされています。
仮に年間で3000キロワットアワーを売電できた場合、「3000キロワットアワー×15円=4万5000円/年(売電収入)」となる計算です。
この収入を加味すると、「年間の節約(月2000円)+売電収入」は6万9000円/年(2万4000円+4万5000円)です。すると、「180万円÷6万9000円」で、元を取るのに約26年と一気に回収年数が縮まります。
ただしこれは、調達価格が継続して変わらず、さらに年間3000キロワットアワーを売れるという仮定でのお話です。実際には設置条件(屋根の向き・日陰・季節変動など)や、売電量などに応じて年ごとの変動があります。
制度変化が元を取る計算に影響するしくみ
経済産業省の調達価格等算定委員会が取りまとめた資料「令和6年度以降の調達価格等に関する意見」では、今後のFIT/FIP制度の価格や運用について議論されています。
FIT制度では年度ごとに調達価格が見直されるため、住宅用太陽光の売電単価も変動します。同資料ではシステム費用低下とFIP移行議論が示され、長期的な市場連動化の可能性が指摘されています。
これらの制度改変によって、将来の売電価格が変動する可能性もあるため、単純な計算だけではなく、制度の推移にも注目しましょう。
まとめ
単純に節約効果だけで元本回収を考えると、回収までに長期間を要する可能性があります。しかし、売電収入を加味し、売電価格や各種制度を活用すれば、回収期間は25~30年程度まで短縮できるかもしれません。
また、電気料金の上昇や余剰電力の需要を踏まえると、より高い効果が見込めるケースもあります。もちろん、制度や売電価格の変動といったリスクがあることは理解しておく必要がありますが、それでも「長期的な投資」としては価値があるといえるでしょう。
出典
経済産業省資源エネルギー庁 FIT・FIP制度 買取価格・期間等
経済産業省 調達価格等算定委員会 令和6年度以降の調達価格等に関する意見
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
