会社で「完全リモートにするから」と、月給「2万円減」の通達が! 地味に家計が厳しいのですが、“出社が廃止される”なら仕方ないのでしょうか? 給与を減らす合理性とは
本記事では、「出社を廃止するから」と給与を2万円下げられる通達を受けた事例を取り上げ、問題がないのかなどを解説します。
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
目次
新型コロナで定着したテレワーク。今はどのくらいの企業が実施している?
新型コロナウイルス感染症の影響で、普及が進んだテレワークですが、現在も実施している企業はどのくらいあるのでしょうか。
パーソル総合研究所がおこなった「第十回・テレワークに関する調査」によると、現在のテレワーク実施率は、2025年7月時点で22.5%で、2024年の同時期とほぼ同水準となっています。
図表1
パーソル総合研究所 第十回・テレワークに関する調査
テレワークを導入している企業の割合が最も高かったのは、2022年の前半で28.5%です。実施率は若干減少しているものの、全体的に定着している傾向があることが分かります。なお、テレワークの頻度は、図表2を参考にしてください。
図表2
パーソル総合研究所 第十回・テレワークに関する調査
テレワークの実施率が定着する一方で、頻度は減少傾向にあり、「1週間に1日未満」が29.1%、1週間に1日程度の20.3%と合わせて約半分を占めています。図表2にもあるとおり、「テレワークが減った」と感じている人が35.8%で、頻度は減少傾向にあることが分かります。
「出社を廃止するから月給2万円減」って通達があったけど仕方ない?
企業によっては、テレワークを導入し、「出社を廃止にするから」といった理由で、月給を2万円減らされたケースもあるようです。毎月の家計がギリギリの場合、月2万円も給与を減らされたら厳しいでしょう。会社が「完全在宅勤務にするから減給」とするのは問題ないのでしょうか。
一方的に会社が基本給を下げることは、労働基準法違反となる可能性があります。会社が減給できる条件は限定的で、本人が明確に同意した場合や、就業規則の変更に合理性がある場合に限られます。
自分の給与が減らされることに同意する人は、なかなかいないでしょう。また、単純に「出社しないから2万円減給」では合理性が弱く、給与を減らす理由にはならないでしょう。
ただし、2万円の減給が「通勤定期代」の廃止や、実費清算への支給方法の変更によるものなどであれば、問題ないケースもあります。会社から「2万円減給」と通達があった場合、基本給が下げられたのか、通勤定期代が下げられたのかを確認してください。
同意していないのに基本給が下がったときの対策
完全在宅勤務を理由に、同意もなく基本給が下げられた場合、どうしたらよいのでしょうか。そのような場合に取れる対策は、次のとおりです。
・会社に減給の根拠の説明を求める
・労働基準監督署に相談する
・弁護士などの専門家に相談する
「一方的な減給は労働基準法や労働契約法に違反する可能性がある」と伝えて、減給の根拠を確認するのも選択肢の1つですが、話がまとまるのは難しいかもしれません。
話がまとまらない場合は、労働基準監督署の総合労働相談コーナーへ相談してみましょう。社労士(社会保険労務士)や弁護士などの専門家に相談すれば、法的な視点からアドバイスがもらえます。
もっとも、最終的に解決したとしても、会社との関係が悪くなることは容易に想像できるでしょう。今の労働環境が気に入っているのであれば、そのまま働く選択肢もあります。
しかし、安易に基本給を下げようとするような会社が「いい企業」なのかと考えると、疑問が残ります。「ずっとこの会社で働く気はない」と感じているのであれば、転職を検討するのもよいのかもしれません。
まとめ
直近のテレワーク実施率は22.5%で、一定数定着しているのが実情です。「フルリモートにするから減給」と通達があった場合は、労働基準法に違反する可能性があるため、安易に同意しないようにしましょう。
給与は労働条件のなかでも重要な要素であり、原則労働者本人の同意がなければ変更できません。場合によっては、労働基準監督署や専門家に相談し、労働者の権利を守るようにしてください。
出典
株式会社パーソル総合研究所 第十回・テレワークに関する調査
執筆者 : 藤岡豊
2級ファイナンシャル・プランニング技能士


