出張先で終電を逃してしまい、会社から「タクシーで帰ってきて」と指示されました。領収書を出せば全額精算してもらえるようですが、深夜割増や高速料金まで含めて請求してよいでしょうか?
結論から言うと、業務のために必要だった場合は深夜割増も高速料金も含めて精算できるのが一般的です。その一方で、会社の旅費規程や必要な範囲から外れると、差し戻しや自己負担になることもあります。
そこで本記事では、深夜割増や高速料金を含めたタクシー代をどこまで精算できるのか、申請時にもめないための考え方と書き方のコツについて解説します。
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目次
深夜割増も高速料金も、必要なら請求してよい
会社から「タクシーで帰ってきて」と指示が出ている場合、その移動は私用ではなく業務対応です。タクシー運賃に含まれる深夜割増は、時間帯によって自動的に上乗せされる料金なので、基本的には運賃の一部として精算対象になります(例:東京23区、武蔵野市、三鷹市、多摩地区は22~翌5時まで2割増)。
高速料金も同じで、「その時間に安全に帰社・帰宅するために合理的だった」と説明できる場合は、タクシー代とあわせて請求して構いません。例えば、一般道だと到着が極端に遅くなり翌日に支障が出る、深夜の通行止めやルート制限で一般道だと遠回りになり到着が遅れる、治安や安全面で不安がある、といった事情がある場合です。
精算できるかは、会社のルールと通常必要な範囲で判断される
気をつけたいのは、精算できるかどうかは「会社の旅費規程」と「通常必要な範囲」で決まる点です。税務上も出張旅費は、“その旅行について通常必要と認められる部分”が経費として認められる基準になります。
つまり、必要性が薄い乗り方だと、社内チェックで止まりやすくなります。
例としては、同じ目的地でも明らかに高額になる経路を選ぶ、待機料金が長く発生する使い方をする、乗車場所を変えれば安くできたのに説明がない、といったケースです。深夜で長距離になるほど金額が大きくなる場合は、「なぜその選択が必要だったか」を言葉で補うことが大切です。
なお、業務上の必要で会社が負担すべき費用の立て替えであれば、従業員への支給が給与として課税されない考え方が国税庁の質疑応答事例に示されています。終電を逃したケースでも、業務都合でタクシー利用が必要だったことを説明できれば、同じ方向で整理しやすくなります。
もめない申請のコツは、領収書+理由+経路をセットで残す
申請で一番強いのは、「領収書がある」ことに加えて、「必要だった理由が読み取れる」状態にすることです。おすすめは、精算書の備考に短く事実を書く方法です。
例えば、「取引先対応が延びて終電に間に合わず。上長の指示でタクシー利用。深夜割増時間帯のため割増あり。一般道だと到着が遅くなるため高速利用」といった具合です。長文にしなくて大丈夫ですが、ポイントは「業務都合」「指示があった」「高速を使う合理性」の3つです。
高速料金は、タクシーの領収書に含まれている場合と、別立ての場合があります。別立ての場合は、高速側の利用明細(ETCの利用照会や領収書)も添えると親切です。もし取り忘れたら、後日取り出せる明細で補えることもあるので、早めに確認しましょう。
深夜のタクシー代は、事前連絡と根拠の見える化で安心して精算しよう
深夜割増も高速料金も、業務のために必要で、会社の規程の範囲に収まるなら請求して問題ありません。金額が大きくなりやすい場面だからこそ、「なぜ必要だったか」の一言を添えるだけで、精算の通りやすさは大きく変わります。
終電に間に合わなさそうだと感じた時点で、上司に連絡して指示をもらい、領収書と理由をセットで申請しましょう。これだけで、後から気まずくならずに、安心して精算できます。
出典
一般社団法人東京ハイヤー・タクシー協会 タクシー運賃料金表
国税庁 No.6459 出張旅費、宿泊費、日当、通勤手当などの取扱い
国税庁 質疑応答事例 源泉所得税 緊急業務のために出社する従業員に支給するタクシー代等
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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