今年も「年収の壁」が引き上げられ「178万円まで稼げる!」と喜んでいると、ママ友から「扶養から外れるかもよ」との忠告が……。「178万円まではOK」じゃないの!? 結局いくらまで稼ぐのが「正解」なのでしょうか?
「年収の壁」が引き上げられることによって、私たちの働き方にどういった影響があるのでしょうか。本記事では、いくらまで稼ぐのがよいとされるのか、参考金額を解説します。
なお、社会保険には「106万円の壁」もありますが、本記事では被扶養者認定に関わる「130万円の壁」を見ていきます。
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目次
令和8年度税制改正で「年収の壁」は“178万円”に引き上げ
財務省「令和8年度税制改正大綱(1/9)」では、所得税の基礎控除、および給与所得控除の見直しが示されています。
この税制改正は、物価上昇や就業調整への対応を目的とした措置であり、これにより、一般に「178万円の壁」として語られる、所得税の課税最低限の目安が引き上げられることになります。
ただし、この「178万円の壁」は、あくまでも「所得税が発生しない」境界線です。住民税や社会保険料の扱いに関しては、所得税の非課税ラインとは別制度で判断されます。
「130万円の壁」対策として令和8年4月から被扶養者認定の年収要件を緩和へ
社会保険上の「130万円の壁」は、健康保険や厚生年金の「被扶養者認定基準」に基づくものです。令和8年4月以降は厚生労働省の通知によって、「被扶養者認定」における年収要件の運用が見直されることになります。
一時的に収入が増える、繁忙期での対応など、恒常的でない収入増については、直ちに扶養から外れないという扱いが明確化されました。つまり、あくまで「恒常的な収入が130万円以上かどうか」が判断基準となります。
年収が一時的に「130万円」を超えた場合でも、被扶養者として認定され続けるケースが想定されます。なお、制度の詳細な運用は、協会けんぽや健康保険組合といった保険者ごとに判断されることとなります。
結局いくらまで稼ぐのが正解? 「年収の壁」の見直しが働き方に与える影響とは
例として、協会けんぽの保険料を基準として試算します。東京都在住で年収が130万円、年齢45歳かつ介護保険が第2号被保険者となっている場合、標準報酬月額は「10万7000円」から「11万4000円」の範囲です。
協会けんぽ管掌の健康保険は7等級、厚生年金保険料は4等級であり、労使折半のため従業員側の負担額は「6308円+1万65円」で「1万6373円」となります。
勤務先の企業規模や労働条件によっては、短時間労働者でも社会保険の加入対象となるため、壁を超えると年間の社会保険料の負担額は「19万6476円」になります。
「130万円」をわずかに超えた時点での手取りは、およそ「110万円前後」です。厚生労働省通知の考え方を踏まえると、被扶養者認定は「労働条件通知書」等の内容に基づいて判断されるため、従来のように壁を超えた時点での手取りの逆転は起きづらくなった可能性があります。
また、「130万円の壁」を意識した年末の就業調整についても、過度に意識する必要は小さくなると考えられます。ただし、契約更新の際はその都度書類の提出が必要とされているため、「労働条件通知書」をよく確認する必要があります。被扶養者のまま働きたい場合は、「契約賃金が130万円以下」が一つの目安になるでしょう。
まとめ
「178万円の壁」とは「所得税が発生しない」ラインを指し、所得税の課税対象とならない年収の上限です。もう一方の「130万円の壁」は、健康保険や厚生年金といった社会保険上の「被扶養者認定」における年収要件となります。
所得税がかからない収入の範囲は「178万円」まで引き上げられたものの、社会保険における「年収の壁」があることは変わっていないため、注意が必要です。どの金額が「正解」かは、扶養のままで働くのか、社会保険に加入して働くのかといった働き方の選択によって異なります。
出典
財務省 令和8年度税制改正大綱(1/9)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
