子育てを理由に10年以上専業主婦を続けている友人がいます。少数派かと思うのですが、子育て世帯で専業主婦の家庭はどれくらいいるのでしょうか?

配信日: 2026.03.01
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子育てを理由に10年以上専業主婦を続けている友人がいます。少数派かと思うのですが、子育て世帯で専業主婦の家庭はどれくらいいるのでしょうか?
子育て中は、送迎・家事・看病・行事対応などで毎日が回りにくくなり、「この状況で働ける?」「周りは共働きばかりに見えるけれど、うちは少数派?」と不安になる方もいるでしょう。さらに、就業の状況が変わると保育料や税・社会保険の負担、将来の年金見込みまで連動し、暮らしの余力に差が出ます。
 
そこで本記事では、公的統計の最新データから“子育て世帯で母が働いていない(専業主婦に近い)”家庭がどれくらいあるのかを確認し、片働き・共働きで家計面の判断軸がどう変わるかを整理します。
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子育て世帯で母が「仕事なし」は約2割

厚生労働省の「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」によると、児童のいる世帯について母の仕事の状況は次の通りです。
 

・仕事あり:80.9%(正規職員34.1%、非正規職員36.7%、その他10.1%)
・仕事なし:19.1%

 
つまり、「母が働いていない(専業主婦に近い)」家庭は約2割で、少数派と感じる場面があっても、統計上は一定数いることが分かります。
 
ただし、この資料における「仕事なし」はいわゆる専業主婦に近い状況の目安です。仕事を探している途中の人や育休・離職などで一時的に働いていない人も含まれている可能性があるため、「専業主婦」と完全に同じ意味ではない点に留意してください。
 

片働き・共働きで変わる「家計の見え方」:注目は税・社会保険・保育の3点

就業の有無は収入の多寡だけでなく、税や社会保険などの負担のかかり方も変えます。特に影響が出やすいのは、次の3つです。
 
1. 税・社会保険の負担が段階的に増える
働く時間や収入が増えると、所得税・住民税や社会保険の加入状況によって負担が変わるため、手取りの増え方が一定ではありません。その結果、収入が増えても、家計に残る金額が期待したほど増えない場合があります。
 
2. 保育料・学童などの費用が発生しやすい
就業により保育サービスの利用が増えると、家計支出として継続的に発生しやすくなります。そのため、働き始める前に、月々の保育料や学童費の目安を確認し、家計に無理がないか試算しておくと安心です。
 
3. 将来の年金見込みが変わる
就業形態によって加入する制度や保険料負担の形が変わり、老後の受給見込みにも連動します。短期的な手取りの増減だけで判断せず、将来への影響もあわせて確認することが大切です。
 
なお、「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」では、児童のいる世帯の平均所得(2023年の1年間の所得)も示されており、家計の水感を考える際の目安になります。例えば、児童のいる世帯の1世帯当たり平均所得金額は820万5000円とされています。
 
ただし、平均値は一部の高所得世帯の影響を受けやすいため、実態を把握する際は中央値など他の指標もあわせて確認するとよいでしょう。
 

専業主婦の再就業は、毎月の家計収支で試算すると合理的

ご友人のように長期間家事・育児に専念してきた場合、再就業の判断は理想だけで決めるのではなく、まず家計の数字で具体的に検討するのが有効です。ポイントは、年収の金額そのものではなく、働き始めたことで増える税や社会保険の負担、保育・通勤などの支出を差し引いたうえで、毎月の生活費に回せる金額がどれだけ増えるかです。
 
仮に、勤務時間を増やして働くと、1ヶ月の手取りが15万円増えると見込みます。一方で、保育・学童が3万円、通勤が1万円、外食や服などが1万円増えるとすると、支出は合計5万円増えます。
 
さらに、税や社会保険の負担が2万円増える場合、手取り15万円から支出5万円と負担2万円を差し引いた残りは8万円です。単純計算ですが、このケースでは再就業によって家計に残る金額が、月あたり約8万円増えることになります。
 
なお、「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」には生活意識も掲載されており、子育て世帯でも「苦しい」(「大変苦しい」と「やや苦しい」の合計)と回答した割合は64.3%です。家計の余力を確保する目的で就業を考える場合、こうした背景も踏まえ、短期(毎月)と中長期(教育費・老後)の両面から設計すると見通しを立てやすくなります。
 

専業主婦か共働きかは、家計の余力を見える化して選択しよう

専業主婦(に近い)家庭は、統計上、子育て世帯のなかで約20%の割合で存在します。
 
一方で、共働きが増えている流れもあるため、周囲の印象に流されて就業を決めると不安が残りやすくなります。
 
大切なのは、就業によって増える収入だけを見るのではなく、税・社会保険や保育関連費用などの負担も含めて、毎月の家計の余力がどれだけ改善するかを確認することです。数字で見える化できれば、「今は家事・育児に専念する」「この年齢から再就業する」「扶養内・扶養外を選ぶ」といった判断も、自分の状況に合った形で検討しやすくなるでしょう。
 

出典

厚生労働省 2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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