友人の紹介で「まかない無料」のパートに応募! 夫に「それ違法だよ」と言われましたが、私が学生の頃は「飲食店バイト=食事タダ」が普通でした。最近は厳しいのでしょうか?
本記事では、税法上の位置づけや注意点を詳しく解説します。
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
「まかない」は現物給与として税金がかかるため“無料”は税法上違法
アルバイトなどにおける「まかない」のような食事補助は、税法上の「現物給与」にあたると国税庁は定義しています。つまり、現金ではなく食事という形であっても、経済的利益を受けている場合は給与所得に含まれるという考え方です。
日本年金機構のWebサイトにおいても、こうした現物給与は原則として「給与所得」の課税対象になると紹介されています。
このように、税務上まかないは現金と同様に一定の価値をもちます。そのため、掲題のように完全無料で提供し、課税処理をしていない場合には、税法上の取り扱いに問題が生じる可能性があると考えられるでしょう。
“半額以上負担”で「福利厚生費」にすることも可能
ただし、まかないが常に課税対象になるわけではありません。以下の2つの要件をいずれも満たす場合は、給与として課税されません。
・役員や使用人が、食事にかかる金額を半額以上負担していること
・(食事の価額)-(役員や使用人が負担している金額)が、1ヶ月あたり3500円以下であること
これらの条件を満たしている場合、事業者側は食事代を「福利厚生費」として処理でき、給与として課税しない取扱いが認められます。
この点からみると、まかない代として給料から数百円程度が引かれていたり、自己負担が発生したりするのは、従業員の税負担を増やさないための工夫とも考えられるでしょう。
“無料のまかない”を続けると罰則の可能性も
無料のまかないを継続している店舗については、税務調査の際に「源泉所得税の徴収漏れ」を指摘される可能性があるとの見解もみられます。
本来なら現物給与にあたる食事代を、給与として計上していない場合、事業者側に源泉徴収義務の不備があったと判断される可能性があります。結果として、追加の納税や加算税などの負担が生じることも想定されるでしょう。
主に店舗側の責任となるケースが考えられますが、従業員側にも影響が及ぶ場合があります。まかない分が給与として再計算されると、住民税や社会保険料の算定に影響する可能性も否定できません。
「まかない付き」のアルバイトやパートで働いている人は、食事代の扱いがどのように処理されているのか、一度職場に確認してみるといいでしょう。
まとめ
飲食店の「まかない」は、原則として給与の一部とみなされますが、従業員が食事代の半分以上を負担し、店側の負担が月額3500円以下であれば税金はかかりません。
給料から食事代が引かれるのは、一見すると損に思えるかもしれませんが、実は所得税や社会保険料の負担増を防ぐための大切な工夫といえます。
無料で提供されている場合は、将来的に「源泉徴収漏れ」として手取りに影響するリスクも否定できません。損をしない働き方を実現するためにも、応募前や勤務時に食事代の扱いを一度確認してみましょう。
出典
国税庁 No.2508 給与所得となるもの
国税庁 No.2594 食事を支給したとき
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
