マンションの管理会社から「共用部のLED化工事に『数百万円』かかりました」と説明され、「その分、将来の修繕積立金が抑えられます」と言われました。本当に光熱費の削減でペイできるのでしょうか?
管理会社からは「光熱費削減で将来の修繕積立金を抑えられる」と説明されることもありますが、実際のところはどうなのでしょうか。今回は、LED化工事の費用対効果や確認すべきポイントについて分かりやすく解説します。
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共用部LED化工事の費用と期待される効果
マンションの共用部には、エントランスや廊下、階段、駐車場など多くの照明が設置されています。
これらを従来の蛍光灯や水銀灯からLEDに交換する工事では、照明器具の交換費用や工事費を含めて数百万円規模になることも珍しくありません。特に大型マンションやタワーマンションでは、照明の数が多いため費用も高額になりやすい傾向があります。
一方で、LEDは消費電力が少なく、従来照明と比べて電気使用量を30~50%程度削減できるケースもあります。パナソニック株式会社によると、LEDと蛍光灯の消費電力は約61%ダウンするという結果もでています。
また、寿命が長いため交換頻度が減り、球切れ対応の手間や交換費用の削減も期待できます。こうした「電気代の削減」と「維持管理コストの削減」が、LED化の主なメリットといえるでしょう。
光熱費削減で本当に「元が取れる」のか
では、実際に光熱費の削減だけで工事費を回収できるのでしょうか。例えば、工事費が300万円かかり、年間の電気代が50万円削減できたとします。この場合、単純計算で回収までに約6年かかることになります。もし年間削減額が30万円であれば、回収には約10年必要です。
LED照明の寿命は一般的に10~15年程度とされているため、削減額次第では十分にペイできる可能性はあります。ただし、電気料金単価や使用時間、交換前の照明の種類によって効果は大きく変わります。
また、すでに一部がLED化されていた場合などは、削減効果が限定的になることもあるため、事前のシミュレーションが重要です。
修繕積立金が本当に抑えられるか確認するポイント
管理会社が「将来の修繕積立金が抑えられる」と説明する場合、その根拠となる収支シミュレーションを確認することが大切です。年間いくらの削減を見込んでいるのか、その前提条件は何かを明確にする必要があります。単なる概算ではなく、実際の電気使用量データに基づいた試算かどうかも重要なポイントです。
また、LED化工事の費用を修繕積立金から一括で支出したのか、借入れを行ったのかによっても影響は異なります。借入れをしている場合は利息負担も考慮しなければなりません。総会議事録や長期修繕計画を確認し、将来の積立金の見直しにどのように反映されているのかをチェックすることが、区分所有者としての重要な視点です。
費用対効果は「数字」で確認することが重要
マンション共用部のLED化工事は、電気代や交換費用の削減につながる可能性があり、長期的に見れば投資効果が期待できるケースもあります。
ただし、必ずしも「数年で大きな黒字になる」とは限らず、削減額や工事費によって回収期間は大きく異なります。管理会社の説明をうのみにせず、具体的な削減見込み額や回収年数を数字で確認することが大切です。長期修繕計画と照らし合わせながら、冷静に判断する姿勢が求められます。
出典
パナソニック株式会社 まだ蛍光灯?家のあかりの電気代、LEDでかしこく節約!
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
