マンションに住んでいますが「電気代が増えたため管理費を月500円値上げします」と通知が! 光熱費の高騰は、今後どこまで家計に波及するのでしょうか?

配信日: 2026.03.06
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マンションに住んでいますが「電気代が増えたため管理費を月500円値上げします」と通知が! 光熱費の高騰は、今後どこまで家計に波及するのでしょうか?
新型コロナウイルスのパンデミックが終息しそうになっていた時期の2022年2月24日にロシアとウクライナを巡る情勢が緊迫化し、現在も影響が続いています。現在の電気代が上昇した理由のひとつではないでしょうか。果たして、今後も電気代などの高騰が続くのでしょうか。
吉野裕一

夢実現プランナー

2級ファイナンシャルプランニング技能士/2級DCプランナー/住宅ローンアドバイザーなどの資格を保有し、相談される方が安心して過ごせるプランニングを行うための総括的な提案を行う
各種セミナーやコラムなど多数の実績があり、定評を受けている

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電気代やガソリン代、ガス代などが値上がりしている

多くのものを輸入に頼っている日本では、電気やガソリン、ガスなどの生活に欠かせない燃料についても輸入しています。この燃料価格は、さまざまな要因で価格が変化します。
 
東日本大震災では、原子力発電所で原発事故が起こり、世界中に不安を与えました。この事故により、原子力発電所での発電は一時停止されたこともあり、電気代が上昇したこともありました。
 
東日本大震災以前の日本では、原子力発電所が54基稼働していました。しかし震災後に、すべての原子力発電所が停止となり、2025年8月時点で再稼働しているのは14基となっています。
 
原子力は低コストで電気をつくる手段のひとつとされてきましたが、原子力発電からの発電量が減少したことで電気代にも影響が及んでいるのではないでしょうか。さらに2022年2月には、ロシアとウクライナを巡る情勢が緊迫し、国際的な供給不安などを背景に、石油や石炭・天然ガスの化石燃料の輸入価格が上昇しました。
 
こういった化石燃料はドルで取引されていますが、新型コロナウイルス禍における世界的な金融緩和により資金供給量も増え、インフレになっただけではなく、為替相場も日本円が安くなるという状況になり、輸入価格が上昇しました。
 

今後も電気代などは上昇していくのか

電気代上昇の要因のひとつに、為替相場もあると前述しました。
 
日本銀行が公表している対ドル為替相場の推移を見てみると、2022年1月の月中平均で1ドル=114.83円でしたが、2026年1月では、1ドル=156.71円と4年で36%上昇しています。
 
しかし、World Bank Groupが公表している原油価格の平均を見ると2022年は1バレル=97.10ドルですが、2025年は1バレル=67.43ドルと約31%の下落となっています。また同じデータでもう少し長期的に見てみると2012年の原油価格の平均は1バレル=105.01ドルと2025年の原油価格よりも約56%も高くなっています。
 
また前述したように、世界的な金融緩和が広がり、日本でも海外のインフレ率よりも低いもののインフレが起こりました。さらに政府が経済を上向かせようと賃金の上昇を促すように最低賃金の引き上げなどの動きを行ったことで、人件費も上がってきています。
 
こういったさまざまな理由で、現在の電気代や物価上昇が引き起こってきているといえるのではないでしょうか。
 
現在の世界情勢では、金融緩和によるインフレが加速したことなどが大きな影響を与えていますが、この状態がずっと続くということは考えられないかもしれません。
 
とはいえ、健全な経済であれば1~2%のインフレはあると思われますので、電気代の上昇だけではなく、支出が増えていくことも考えておかなくてはいけないのではないでしょうか。
 

電化製品の利用が増えた時代でも工夫して過ごしましょう

今や、電化製品が身の回りに多くある時代になってきました。しかし、空調機器などは無駄なエネルギー消費を減らすような省エネ製品が増えてきています。また住宅も気密性が高くなっていることで、効率よく部屋を暖めることができるようになってきているのではないでしょうか。
 
普段の生活も、ひと工夫することで、電気代だけではなく生活費の節約もできると思われます。経済のなかでは、「実質」と「名目」という言葉をよく用います。名目は額面を意味しますが、実質は物価上昇の影響を除いたときの実質の価値になります。
 
給与は増えても、支出を見ると給与の増加率よりも物価が上昇している場合には、実質の給与は減っていると捉えられます。実質と名目を意識した家計を考えていきましょう。
 

まとめ

日本では、長期間にわたってインフレが起こっていませんでした。その影響で、物価は上昇しないものという意識が根強くなってきたのかもしれません。しかし先進国においては、1~2%のインフレは健全なものだと考えられています。逆に、日本のほうが異例だったといえます。
 
新型コロナウイルスの収束後には、世界的な金融緩和の副作用として世界的なインフレが起きていました。日本は遅れてインフレの波が来ていますが、海外に比べると大きなものではありません。
 
このインフレが一過性なものかもしれませんが、今後はある程度のインフレがあるということを意識した資産形成やライフプランを考えておく必要があるのではないでしょうか。
 

出典

経済産業省 資源エネルギー庁 資源エネルギー庁がお答えします! ~原発についてよくある3つの質問
経済産業省 資源エネルギー庁 改めて知りたい、原発の「再稼働」~なぜ必要なの?本当に安全なの?
経済産業省 資源エネルギー庁 日本のエネルギー(電気料金はどうなっていますか)
日本銀行 主要時系列統計データ表
World Bank Group Commodity Markets
 
執筆者 : 吉野裕一
夢実現プランナー

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