夫が「太陽光パネルで電気代がゼロに近づく」と見積もりを取り始めました。業者の試算では「費用150万円」「10年で元が取れる」とのことですが、そんなにうまくいくのでしょうか?
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者
東京都出身。2008年慶應義塾大学商学部卒業後、三菱UFJメリルリンチPB証券株式会社に入社。
富裕層向け資産運用業務に従事した後、米国ボストンにおいて、ファイナンシャルプランナーとして活動。現在は日本東京において、資産運用・保険・税制等、多様なテーマについて、金融記事の執筆活動を行っています
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太陽光発電の設置費用
まず、自宅の屋根に、太陽光パネルを取り付ける設備費用は、いくらくらいかかるのか確認していきます。
すでに完成している住宅に太陽光パネルを付けるよりも、新築時に太陽光パネルを取り付けたほうが設置は簡単で、コストも削減できる傾向があるようです。経済産業省の資料によると、新築案件について、2025年の設置の平均値は、28万9000円/kWとなっています。一方、既築の設置費用は、30万1000円/kWです。
新築の場合、3kWで約87万円、5kWで約145万円となるので、大体設置費用は90~150万円くらいかかると考えられます。太陽光パネルの設置工事にかかる費用は、住んでいる地域や、業者によって異なるので、さらに詳しい費用については、いくつかの業者から見積もりを取るのがよいでしょう。
また、太陽光パネルの設置にあたり、自治体によっては補助金をもらえる可能性があります。例えば、東京都の場合、「災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業」があります。自分たちの地域に、太陽光パネルの補助金があるのか、ぜひチェックしてみましょう。
太陽光発電で電気代は安くなる?
太陽光発電を行うと、毎月支払うべき電気代が安くなると考えられます。日中に在宅時間が長い家庭のほうが、節電効果が高くなります。一般的には、電気代が3~5割くらい安くなるようです。
ただし、すべて太陽光パネルを導入して自家発電に切り替えても、毎月の電気代をゼロ円にするのは難しいでしょう。夜間や雨など天候が悪いときは、太陽光パネルで発電ができないので、今まで通り電力会社から電気を買わなければなりません。そのため電力会社には、基本使用料などは払い続けるのが一般的です。
なお、昼間に余った電気を蓄えておける蓄電池を利用することで、夜間の電気をまかない、電気代を5割以上節約できるケースもあるようです。
家庭によって、節約できる電気代は異なります。太陽光パネルの設置と同様に、複数の業者から見積もりを取って、具体的にどのくらい節約することができるのか調べてみましょう。
太陽光パネルの設置は慎重に
10年・20年など長い目で見れば、太陽光パネルを設置することで電気代を節約できる可能性があります。ただし、災害や設備の故障により出費が増えたり、生活スタイルの変化により転居したりする可能性もあります。そのため、太陽光パネルを設置すれば、必ず得をするとは言い切れません。
また、経済産業省 資源エネルギー庁によると、太陽光発電に関する消費者からの相談が増えています。「電気代がかからなくなる」などのセールストークで契約をしてしまった事例や、「工事で雨漏りが発生した」といった、ずさんな工事が疑われるケースもあるようです。
本当にその業者が信頼できるのか、契約を行う前に、しっかりと調べる必要があります。
太陽光パネルを設置するには、費用だけではなく、業者から見積もりを取ったり、実際に工事を行ったりと、手間や時間もかかります。自分たちに取って本当にメリットがあるのかをよく考えたうえで、太陽光パネルの導入や自家発電を検討してみましょう。
出典
経済産業省 令和8年度以降の調達価格等に関する意見
東京都環境局 災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業
経済産業省 資源エネルギー庁 太陽光発電に関するトラブルにご注意ください
執筆者 : 下中英恵
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者
