友人が「育休を2歳まで取ってその後は今の職場を辞める予定」と言っていました。退職するつもりでも、育休手当を受給することは問題ないのでしょうか?
ただ、育休中に受け取れるお金や手続きは、働き方の選択と密接につながっています。知らずに進めてしまうと、後で確認が必要になったり、想定外の手間が増えたりすることもあります。
本記事では、育休中のお金の制度を安心して利用するために、押さえておきたい基本ルールと確認ポイントについて説明します。
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
目次
育休手当は「復職する前提」の制度
「育児休業給付金」は雇用保険から支給される給付で、前提として「会社に在籍し、育児休業を取っていること」があります。つまり、休んで育児に専念し、いずれ職場に戻る人を支える仕組みで、申請先はハローワークです。
厚生労働省の資料では、「育児休業の当初からすでに退職を予定している人は支給対象にならない」趣旨が明記されています。この制度は復職を前提にした支援のため、「育休を取り切ってから辞めよう」と最初から決めている場合は制度の趣旨に合わないため、支給対象外と判断される可能性があります。
支給された場合でも、後から不正受給と扱われて返還を求められたり、追加の支払いが発生したりするおそれがあるため、この前提は押さえておくと安心です。
途中で退職することになったら、育休手当はいつまで受け取れる?
一方で、現実には育休中に家庭の事情や転居、健康面などで働き方が変わり、退職を選ばざるを得ない場合もあります。
この点については、2025年4月以降、取り扱いが見直され、育児休業給付金を受給中にやむを得ず離職(退職)した場合でも、退職日が属する支給単位期間について、退職日までの分は支給対象とする方向が示されています。
ただし重要なのは、退職日以降の期間は「育休中の在籍者」ではなくなるため、その期間まで含めて申請してしまうと、その分が不支給となったり、支給済み額の返還を求められたりする可能性があることです。
茨城労働局の注意喚起でも、退職後の期間まで在籍している扱いで「育休中」として申請し、申請し支給されたケースが回収事例として挙げられています。
つまり、途中退職があり得るなら「いつ退職扱いになるか」「申請の対象となる支給単位期間が退職日以降にかかっていないか」を会社(人事)と必ずすり合わせるのが大切です。
「2歳まで延長」と「退職予定」は相性が悪いことがある
今回の友人の話で特に気をつけたいのが、「2歳まで育休を延長したい」という点です。
育児休業給付金は一定の条件で延長できますが、保育所等に入れないことを理由に延長する場合、2025年4月から“速やかな職場復帰を図るための申し込み”と認められることが必要になりました。
ここでポイントは、“復職する気がない(退職するつもり)”のに延長目的で手続きを進めると、制度が求める前提と整合しにくいことです。
そのため、延長が認められない可能性が出ますし、説明内容によっては後で確認が入ることも考えられます。言い換えると、「2歳まで受け取り切ってから辞めたい」という考え方は、実務上かなりリスクが高いと理解しておいたほうがいいでしょう。
育休手当が受け取れるか心配なら、復職意思と退職時期を整理しよう
育休手当(育児休業給付金)は、基本的に復職が前提の制度です。そのため、育休の最初から退職予定が固まっている場合は、支給対象外になり得る点に注意が必要です。
一方で、育休に入った時点では復職するつもりで、後からやむを得ず退職することになった場合は退職日までが対象になり得るので、退職日と申請期間の整合が重要です。
「2歳まで延長」を考える場合は、延長手続きが“早期復職に向けた申し込み”を求める方向に変わっているため、なおさら慎重に進めましょう。
まずは、「本当に退職が確定しているのか」「ただの希望なのか」を整理したうえで、会社の人事担当やハローワークに早めに確認しておくと、手続きの行き違いを防ぎやすくなります。制度を正しく使えば、育児と生活の両方を守る助けになるでしょう。
出典
厚生労働省 育児休業等給付について
厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク 育児休業給付を受給中に離職した場合の取扱い変更及び通知について
厚生労働省 茨城労働局・ハローワーク 育児休業給付金の回収事案が増えています 申請する前に、申請漏れがないかご確認ください‼
厚生労働省 2025年4月から保育所等に入れなかったことを理由とする育児休業給付金の支給対象期間延長手続きが変わります
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
