パート収入が「106万円」を超えそうです。少し多く働いただけなのに”手取り”が減ることは本当にあるのでしょうか?
ただし、誰でも106万円を超えた瞬間に損をするわけではありません。まずは、どんな人が対象になるのかを整理することが大切です。
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106万円を超えると、社会保険の加入対象になる人がいる
いわゆる「106万円の壁」は、主に社会保険の加入条件に関係します。厚生労働省によると、現在は従業員50人超の企業などで働き、週20時間以上、月額賃金8.8万円以上、2ヶ月を超えて働く見込みがあるなどの条件を満たす短時間労働者は、厚生年金保険と健康保険に加入することになります。
この条件に当てはまると、配偶者の扶養のままではいられず、自分で保険料を負担する形になります。そのため、年収が106万円を少し超えただけでも、手取りが前より少なく感じることがあります。「少ししか増えていないのに損したように見える」と言われるのは、このためです。
実際に手取りが減ることはあるが、「ずっと損」とは限らない
社会保険に加入すると、給与から保険料が引かれるため、働く時間を少し増やしただけでは、手取りが思ったほど増えないことがあります。場合によっては、一時的に前より手取りが少なく見えることもあります。これが、いわゆる「働き損」と感じやすい場面です。
ただし、ここで見落としやすいのが、社会保険に入ることで将来の厚生年金が増えることや、健康保険の給付が手厚くなることです。
厚生労働省は、社会保険加入のメリットとして、老後の年金が基礎年金だけでなく厚生年金も上乗せされることや、病気やけがで仕事を休んだときの保障があることを挙げています。目先の手取りは減っても、長い目で見ると安心につながる面があります。
2025年以降は「106万円の壁」の見直しも進んでいる
さらに知っておきたいのが、制度の見直しです。厚生労働省は、2025年の年金制度改正法により、月額8.8万円以上という賃金要件を将来的に撤廃し、企業規模要件も段階的に縮小・撤廃すると案内しています。つまり、今後は「106万円」という数字だけで働き方を決める考え方が、少しずつ合わなくなっていく可能性があります。
また、当面の対策として、企業が保険料負担を軽くするための助成策も用意されています。以前よりも、「壁を超えたらすぐ不利」という単純な話ではなくなってきています。
大切なのは、「106万円を超えると損か」ではなく自分の条件を確認すること
パート収入が106万円を超えそうなとき、実際に手取りが減ることはあります。ですが、それは社会保険の加入条件に当てはまる人に起きる話であり、すべての人に同じように当てはまるわけではありません。しかも、手取りが減る一方で、将来の年金や医療保障が厚くなるという面もあります。
大切なのは、「106万円を超えたら必ず損」と決めつけないことです。自分の勤め先が社会保険の適用対象か、週20時間以上働くのか、今後どのくらい働く予定かを確認すると、判断しやすくなります。目先の手取りだけでなく、数年先の暮らしまで含めて考えることが、後悔しにくい選び方につながるでしょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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