「壁を超えても将来の年金が増えるなら得では?」と思うのですが、目先の”手取り”とどちらを重視すべきですか?

配信日: 2026.03.18
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「壁を超えても将来の年金が増えるなら得では?」と思うのですが、目先の”手取り”とどちらを重視すべきですか?
年収の壁を超えると社会保険料がかかるため、今の手取りは減りやすくなります。一方で、厚生年金に入れば将来の年金額は増えます。そう考えると、「目先の手取りより、将来の年金を重視したほうが得では」と感じる人もいるでしょう。たしかに、その考え方には意味があります。
 
ただし、どちらを重視すべきかは、今の家計に余裕があるか、あと何年働くのか、病気や出産などへの備えをどう考えるかで変わります。
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目先の手取りが大事なのは、今の生活に余裕があるとは限らないから

まず現実的に大切なのは、今の生活費です。社会保険に加入すると、給与から健康保険料と厚生年金保険料が引かれるため、月々の手取りは減ります。家計に余裕がない時期や、教育費、住宅費などの負担が大きい時期には、この減少がかなり重く感じられることがあります。
 
そのため、「将来のためだから」と言われても、今の生活が苦しくなるなら簡単には割り切れません。目先の手取りを重視するのは、決して短期的すぎる考えではなく、生活を守るために当然の視点です。まずは、今の家計がどこまで保険料負担に耐えられるかを見る必要があります。
 

それでも社会保険加入には、将来の年金以外のメリットもある

一方で、社会保険に加入するメリットは、将来の年金が増えることだけではありません。厚生労働省は、厚生年金に入ることで老後の年金が基礎年金に上乗せされることに加え、健康保険に入ることで病気やけが、出産で仕事を休んだときの給付が受けられる点も示しています。
 
つまり、壁を超える意味は「老後のためだけ」ではありません。現役中の保障も厚くなるため、長く働く予定の人ほどメリットを感じやすいです。特に、今後も数年以上働くつもりなら、将来の年金増とあわせて、途中の安心も得られると考えることができます。
 

どちらを重視するかは、「あと何年働くか」で見方が変わる

この問題で大きいのは、これから何年働く予定かです。たとえば、これから長く働く人なら、厚生年金に入る期間が長くなるため、将来の年金増加のメリットも感じやすくなります。反対に、あと1年程度しか働かない予定なら、目先の手取り減のほうが重く見えることがあります。
 
また、内閣府の試算では、働き方によっては生涯可処分所得が増えるケースが示されています。つまり、短期の手取りだけでなく、長期の受取額まで含めて見ると、壁を超えて働くほうが有利になる場合があります。今だけを見るか、将来まで含めるかで答えが変わるのです。
 

結局は「今の家計」と「これからの働き方」の両方で考えるのが現実的

目先の手取りと将来の年金のどちらを重視すべきか、答えは一つではありません。今の生活費に余裕がないなら、手取りの減少は軽く見てはいけません。一方で、これからも働き続ける予定があり、将来の保障を厚くしたいなら、壁を超えて社会保険に入る価値は十分あります。
 
大切なのは、どちらかを一方的に正しいと考えないことです。今の家計、今後の勤務年数、配偶者の扶養の状況、将来の不安を並べて考えると、自分に合う答えが見えやすくなります。年収の壁は、損得だけでなく、どんな暮らし方を選びたいかを考えるきっかけとして捉えるのがよいでしょう。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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