一人暮らしの母から「冬の光熱費だけで月2万円超えてしまう」と相談が! それなら、まずは契約アンペアから見直してみませんか?
本記事では、その手段として「契約アンペアの見直し」について説明します。
CFP認定者、米国公認会計士、MBA、米国Institute of Divorce FinancialAnalyst会員。
長期に渡り離婚問題に苦しんだ経験から、財産に関する問題は、感情に惑わされず冷静な判断が必要なことを実感。
人生の転機にある方へのサービス開発、提供を行うため、Z FinancialandAssociatesを設立。
目次
65歳以上女性の単身世帯の月額光熱費は1万8265円
本記事の表題にあるとおり、一人暮らしのお母さまが「冬の光熱費だけで月2万円を超えてしまう」との悩みを抱えています。
家族がいる方であれば、「うちは電気代だけで2万円超えているよ」なんて声も聞こえてきそうですが、光熱費は住んでいる地域の気候や所有している家電の使用状況や家の構造、家族構成などによって人それぞれです。
そこで、月2万円が高いか安いかはいったん脇に置いておいて、まずはお母さまの光熱費をどれだけ下げられそうか、標準的な光熱費から確認してみましょう。
図表1は、総務省が公表している2025年1~3月の光熱費の統計値です。
図表1: 2025年1~3月の単身世帯(65歳以上、女性)の月あたり光熱費
出典:総務省統計局「家計調査家計収支編 単身世帯 2025年1~3月期 表番号2 男女、年齢階級別」より筆者作成(※1)
図表1より、一人暮らしのお母さまを65歳以上と仮定すると、光熱費の標準額は月1万8265円です。もし、今の2万円超の光熱費を標準額まで下げるとなると、月2000円程度の削減を目標にすれば無理がなさそうです(あくまで目安です)。
このように、光熱費(特に高齢者の方)の見直しや節約を行う場合は、まず「いくら位下げるのか、または下げられそうか」の目安を決めておくことをおすすめします。なぜなら、光熱費を「もっともっと」と節約しようとすると、当人にとって大きな負担になりかねず、場合によっては健康にも影響しかねないからです。
光熱費の節約方法はネットなどでも多数紹介されていますが、もし高齢の方に提案する場合は、その方に無理のないものを提案することが望ましいでしょう。
そこで、その方法の一例として「契約アンペアの見直し」をこれからご紹介します。
電気代には毎月定額でかかるものと、使った分だけかかるものがある
私たちが負担する電気代は大きく分けて、毎月定額でかかる「基本料金」と使った分だけかかる「従量料金(電力量料金)」があります(注:電力会社によっては基本料金がないプランもあります)。
このうち、基本料金は原則契約アンペアによってその額が決まります。
アンペアとは、同時に使える電気の量です。例えば、契約アンペアが大きければ大きいほど、電気の使用量が大きいエアコンや電子レンジ、ドライヤーなどを同時に使うことができます。しかし、その分、基本料金は高くなります。
では、ここで質問です。
質問1:一人暮らしのお母さまは、そうした電力消費量の大きい家電を一度に使うことがあるでしょうか?
質問2:これまで、お母さまは電気の契約見直しをしたことがあるでしょうか?
もし、上記2つの質問の答えが両方ともNOであれば、現在の契約アンペアが「過大」である可能性が高いです。特に、子どもが巣立った後の家にまだお住まいであれば、かつては家電を一度にたくさん使っていたものの、現在ではその必要がなくなっているのではないでしょうか。
契約アンペアを下げることでいくら減るの?
では、アンペアを見直せばいくらくらい電気代を減らせるのでしょうか?
これは、電力会社によって基本料金に違いがあるため一概には言えませんが、例として、ある大手電力会社の例で見てみましょう(図表2)。
(図表2)基本料金表
出典:東京電力エナジーパートナー株式会社「従量電灯B」より筆者作成(※2)
例えば、もし現在の契約が40アンペアで、これを15アンペアに下げると、1247円-467.63円=779.37円/月を、単に契約を変えるだけで下げることができます。
繰り返しになりますが、実際に基本料金をいくら下げられるかは、現在契約中のプランの料金体系にもよるので、まずは契約している電力会社のホームページなどで確認してみましょう。
また、基本料金ゼロのプランである場合は、基本料金を削ることはできませんが、従量料金のほうが他社と比べて割高になっている可能性もあるので、こちらも他社の料金体系と比較しておくのがよいでしょう。
必要アンペアはどうやって調べる?
契約アンペアを変更する前に、本当に必要なアンペアがいくらなのかを知っておきましょう。以下で、調べる方法をご紹介します。
1. 電気機器の説明書や本体表示から調べる方法
お使いの電気機器がどれだけ電気を消費するか(アンペアやワット数)は、大抵の場合、説明書や本体に記載があります。それらを一覧にしたうえで、同時に使いそうな機器をリストアップして、一度に使う消費電力を算出する方法です。ただし、手間もかかるので、概算で算出する場合は、次の方法がおすすめです。
2. 電力会社のホームページなどから調べる方法
電力会社のホームページには、エアコンや電気カーペット、電子レンジなどの消費電力(ワット数)やアンペア換算値が掲載されていることがあります(※3)。また、アンペアの合計値を集計してくれるサイトなどがある場合もあります(※4)。
これらを利用すれば、一度に使うおおよその消費電力を知ることができます。
ただし、それらのサイトが全ての電気機器を網羅している訳ではないので、あくまで参考値としてとらえ、場合によっては必要アンペアの一段上で契約するなど、余裕を持って見直しましょう。
契約アンペアの減らし過ぎに注意!
契約アンペアを見直すにあたっては、「アンペアを下げすぎない」ことに注意が必要です。
もし、同時に消費する電気の量が、そのアンペアを超えてしまった場合、配電盤の安全装置であるブレーカーが落ちてしまいます。
近年ではブレーカーが落ちても一定時間経過後に自動的に復旧してくれるタイプのものが出回っていますが、旧型のブレーカーでは自分でレバーを「入」に戻さなければならない場合も多いでしょう。高齢者の方にとっては、手間はもちろん、もしブレーカーが高い位置にある場合は危険が伴います。
したがって、契約アンペアを下げるのであれば、同時に使用する家電はどんなものがあるのかをしっかり調べて、なおかつギリギリまで下げることなく、少しの余裕を持たせるようにしたいところです。
契約アンペアを下げた後も電気の使い過ぎに注意!
ここまで、契約アンペアの見直しで光熱費の節約を図る方法をご紹介しました。
本記事を読んで、もし契約アンペアを下げられそう、と少しでも思われた方は、本当に必要なアンペアを調べたうえで、契約している電力会社に連絡してみましょう。通常、スマートメーターの交換などの工事を含めて無料で行われることが多いですが、具体的な点は、電力会社に確認するようにしてください。
なお、最後にもう一つ注意点ですが、契約アンペアを下げたものの、その後の電気の使い方によっては従量料金のほうが上がってしまうこともあります(※5)。契約アンペアを下げた後は、電気機器の使用タイミングをずらしたうえで、その後もできる範囲で節電に努めるなど、工夫することも大切です。
そのうえで、さらに光熱費の削減にチャレンジできそうであれば、電気の使用量自体を下げる工夫もしてみてはいかがでしょうか。
出典
(※1)総務省統計局 家計調査 家計収支編 単身世帯 2025年1~3月期 表番号2 男女、年齢階級別
(※2)東京電力エナジーパートナー株式会社 従量電灯B・C
(※3)東京電力エナジーパートナー株式会社 主な電気機器のアンペアの目安
(※4)東京電力エナジーパートナー株式会社 でんきシミュレーション わが家のアンペアチェック
(※5)東京電力エナジーパートナー株式会社 現在のご契約アンペアの確認方法
執筆者 : 酒井 乙
CFP認定者、米国公認会計士、MBA、米国Institute of Divorce FinancialAnalyst会員。


