ガソリン価格「1リットル190円超」なのに、通勤手当が“6600円”から上がりません。友人は「JR運賃値上げ分」が支給されるのに、不公平ではないですか? 価格高騰でも“通勤手当が増えない理由”
マイカー通勤の人は、ガソリン価格は上がっているのに、入社以来一度も通勤手当が増えていないような場合、価格高騰の影響を大きく受けるでしょう。
一方、3月14日からはJRの運賃も約40年ぶりに本格値上げとなりました。マイカー通勤、電車通勤ともに、通勤費の負担が増える状況です。
そんななかで、友人と通勤手当の話になり、「6ヶ月定期で11360円上がるけど、領収書を渡せばその金額でもらえる」などと聞くと、「電車通勤は値上げ分も支給されるのに、マイカー通勤は変わらない。これって不公平では?」と感じても仕方ないかもしれません。
本記事では、ガソリン価格が高騰してもマイカー通勤の通勤手当が増えない理由のほか、通勤費の負担が増えた場合の対応、制度の仕組みについて分かりやすく解説します。
ファイナンシャルプランニング技能士1級、介護福祉士
ガソリン価格が上がっても通勤手当が上がらない理由
「ガソリン価格が上がったのに通勤手当が増えないのはおかしい」と思う人もいるかもしれません。
ただ、通勤手当は法律で支給が義務付けられているものではなく、各企業が定める「法定外福利」の1つとされています。
厚生労働省によると、通勤手当は「通勤に要する費用を補填するための手当」であり、支給するかしないか、上限額などは企業が就業規則で決めることができるのです。
電車通勤の場合は「実費」と就業規則で決められていることが多い一方で、マイカー通勤の場合は「距離に応じた固定額」となっていることが多く、差が生まれる原因になります。
ガソリン価格が1リットル150円から200円に上がった場合の負担
例えば、燃費 1リットルあたり15キロの車の場合、通勤で往復30キロ走るとすると 2リットル 必要です。ガソリン価格が150円の場合と200円の場合の、往復にかかる費用は以下のようになります。
・ガソリン1リットル150円 → 300円
・ガソリン1リットル200円 → 400円
1日あたり100円の差額であるため、月に22日通勤する場合は、2200円の負担増加になります。なお、車種により燃費は異なるほか、渋滞やエアコンの利用などを考慮すると、実際の負担はさらに増える可能性もあります。
電車通勤の場合は運賃値上げがすぐに反映されるのはなぜ?
では、なぜ電車通勤の手当は増えるのでしょうか。
電車やバスなどの公共交通機関で通勤している人の通勤手当は、所得税法では「経済的かつ合理的な経路・方法」であれば、月15万円を限度に「全額非課税」とされています。運賃改定(値上げ)があった場合、「経済的かつ合理的な額」そのものが変わるため、会社がその値上げ分を支給しても、限度額内であれば税金はかかりません。
定期券などを購入した場合は、領収書を会社に提出するケースが多く、領収書の金額が上がれば、通勤手当も上がることがほとんどです。
ガソリン価格高騰の今可能な対策は?
現在の中東情勢がどのくらいの期間続くか、政府による支援がどのくらい効果があるのかも含め、今後のことは分かりません。今できる対策はあるのでしょうか。
まずは職場のルールの確認を
マイカー通勤の場合、まずは職場の通勤手当に関する就業規則の確認と、ガソリン価格の上昇によって実際の負担がどの程度増えているのかを整理してみましょう。
その上で、ガソリン代の領収書などをもとに、担当部署に相談してみるのも1つの方法です。会社によっては、ガソリン価格の大きな変動に合わせて通勤手当の見直しを検討する可能性もあります。
公共交通機関での通勤も選択肢のひとつに
地域によっては難しい場合もありますが、ガソリン価格が高騰している間、公共交通機関での通勤を検討するという方法もあります。
「ガソリン価格の高騰で通勤費の負担が増えているため、一定期間だけバス通勤に変更できないか」と会社に相談してみると良いかもしれません。通勤経路の変更は、必ず会社への届け出と承認が必要なため、まずは会社の規定を確認しましょう。
まとめ
電車やバスなどの公共交通機関は、運賃の値上げが通勤手当に反映されやすい一方で、マイカー通勤の人からは「ガソリン代が上がっても手当が変わらない」という不満の声もあります。
ただし、地方では車が生活に欠かせない場合も多く、公共交通機関に切り替えること自体が難しいケースも少なくありません。
ガソリン価格の高騰をきっかけに、自分の通勤方法や通勤手当の仕組みがどのようになっているのか、就業規則などを一度しっかりと確認してみると良いかもしれません。
出典
厚生労働省 通勤手当について
国税庁タックスアンサー No.2582 電車・バス通勤者の通勤手当
執筆者 : 藤田寛子
ファイナンシャルプランニング技能士1級、介護福祉士
