息子夫婦に子どもが生まれるのですが、息子が数ヶ月も「育休」を取ると言います。生活費は大丈夫なものなのでしょうか?
特に、息子さんが数ヶ月の育休を取ると聞くと、「収入はどうなるのか」「生活に支障は出ないのか」と不安に感じるのは自然なことです。育休は子育てのために大切な制度ですが、仕組みをよく知らないままでは、家計への影響が見えにくい場合もあります。
本記事では、息子さんが数ヶ月の育休を取る場合の生活費への影響や、事前に確認しておきたいポイントについて解説します。
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目次
育休を数ヶ月取っても、収入がゼロになるわけではない
まず知っておきたいのは、育休中であってもすぐに無収入になるとはかぎらないという点です。雇用保険の対象者で一定の要件を満たしていれば、「育児休業給付金」を受けられます。
給付額は、休業開始から通算180日までは休業前賃金の67%、180日を超えると50%が目安です。このように、育休中も一定の収入が見込めるため、数ヶ月休むからといっても、すぐに生活費に行き詰まるとはかぎりません。
さらに、2025年4月以降は、一定の条件を満たした場合に「出生後休業支援給付金」が上乗せされます。子の出生直後の一定期間に、夫婦そろって14日以上の育休を取るなど、一定の条件を満たした場合は最大28日間、休業前賃金の13%相当額が上乗せされます。
既存の給付と合わせて給付率80%となり、手取りでおおむね10割相当とされています。この制度は夫婦で育休を取りやすくすることを目的としており、生活費への不安を和らげる仕組みとして注目されています。
生活費が厳しくなるかどうかは、給付金以外の支出で決まる
ただし、「給付金があるから安心」と言い切るのは早計です。育休中は健康保険料や厚生年金保険料が免除されるため、手取りを下支えする効果がありますが、住民税は別です。
住民税は前年の所得をもとに課税される仕組みなので、育休中でその月の収入が減っていても、前年に収入があれば原則として支払いが続きます。ここを見落とすと、「思ったより家計が苦しい」と感じやすくなるでしょう。
また、住宅ローンや家賃、保険料、自動車費用、通信費のような固定費は、育休中でもほぼ変わりません。さらに、出産後はおむつ代やミルク代、ベビー用品代など、新しい支出も増えます。給付の制度があっても、毎月の支出が多ければ家計は苦しくなりやすいため、生活費が大丈夫かどうかは、収入だけでなく支出も含めて考えることが大切です。
息子夫婦が育休前に確認しておきたい3つのポイント
生活費の不安を減らすには、育休に入る前の確認が重要です。まず確認したいのは、息子さんの会社で育休中の給与や手当の扱いがどうなっているかです。
法律上、育休中の給与支払いが必須というわけではありませんが、会社によっては独自の補助制度がある場合があります。こうした制度があるかどうかで、育休中の収入額が変わることもあるため、事前に確認しておくことが大切です。
次に、給付金が実際にいくらになるかを試算することです。厚生労働省は試算ツールも案内しており、休業前の賃金をもとにおおよその受給額を確認できます。月収ベースで見込み額を出し、住民税や住宅費を差し引いた後でも赤字にならないかを見ておくと、育休期間の長さを決めやすくなります。
最後に、育休の最初の1~2ヶ月は手元資金を厚めにしておくことです。給付金は申請を経て支給されるため、毎月の給料のように同じ感覚で入るとはかぎりません。出産前のうちに、生活費の数ヶ月分を普通預金に置いておくと安心です。特に、家賃やローンの引き落としが大きい家庭では、この準備が家計の安定につながります。
育休制度と給付額を確認して生活費に備えておこう
息子さんが数ヶ月の育休を取るとしても、すぐに生活費が立ち行かなくなるとはかぎりません。育児休業給付金の支給や社会保険料の免除もあるため、働いているときより収入は減るものの、家計への影響は一定程度抑えられます。ただし、住民税や家賃や光熱費などの固定費の支払いは続くため、何となく大丈夫だろうと考えるのは危険です。
大切なのは、感覚で判断せず、給付額と支出額を具体的に比べることです。
息子さん夫婦が事前に会社の制度、給付金の見込み額、毎月の固定費を確認しておけば、育休は不安な休みではなく、子育ての始まりを支えるための前向きな選択肢になります。家族の新しい生活を安心して迎えるためにも、まずは数字を見える形にして話し合っておきましょう。
出典
厚生労働省 育児休業等給付について
厚生労働省 Q&A~育児休業等給付~
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
