「品川⇔新宿」を“内回り申請の定期”で通勤する同僚。「週末は秋葉に行くから」とのことですが、実際の通勤は“外回り”らしいです。これって「不正乗車」になりませんか?

配信日: 2026.03.26
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「品川⇔新宿」を“内回り申請の定期”で通勤する同僚。「週末は秋葉に行くから」とのことですが、実際の通勤は“外回り”らしいです。これって「不正乗車」になりませんか?
通勤定期券の私的利用には制限がなく、プライベートで使用している人もいるでしょう。
 
しかし、掲題のように、内回りで申請している定期を外回りで利用してもいいものなのでしょうか。本記事では、定期券の券面の経路以外での乗り降りについて、その問題性とリスクを解説します。
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「通勤定期券」で山手線の逆回り乗車は「不正乗車」に該当する可能性も

山手線の定期券代は、購入時に申告する経路により、券面に内回り・外回りなどの経路が明記され、値段も異なります。そのため、山手線圏内であっても、経路外を乗車することは不正乗車に該当する可能性があります。
 
東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)の旅客営業規則によれば、「乗車券類は、その券面表示事項に従って」使用できると明言されており、使用回数を除いて定期券にも適用されます。つまり、定期券は原則として券面に表示の経路以外での利用は認められていません。
 
例えば「品川→新宿」を内回り経由で申請した場合、外回り(反対方向)での乗車は「指定経路外乗車」となる可能性があります。通常、経路外を乗車する場合は、その区間について別途運賃を支払う必要があります。
 
ただし、山手線は環状線であるため、利用条件や区間によっては例外的に認められるケースもありますが、経路外乗車が認められるのは、JR側が定める特定の区間や特例に該当する場合に限られます。
 
以上のことから、掲題のように内回り経由で購入した通勤定期券を用いて外回りで通勤する行為は、原則として経路外利用に該当することになります。
 

3月14日の運賃改定で「山手線内均一定期券」の発売は終了に

山手線内の全駅と一部の隣接駅が1ヶ月1万4970円で乗り放題になる定期券、「山手線内均一定期券」があり、通勤で山手線内を頻繁に利用する人にとっては通常の定期券よりお得になるケースもあったようです。しかし、2026年3月14日のJR東日本の運賃改定により発売は終了しました。
 
3月14日以降の運賃については、JR東日本の「改訂後運賃検索サイト」で確認できます。掲題の「品川⇔新宿 通勤定期券」を例にすると、1ヶ月定期券の場合、以下のような結果となりました。


・外回り:7840円
・内回り(秋葉原経由):1万3120円

経由駅や営業キロの違いにより運賃が変動するため、金額には差が生じます。やはり、「山手線内は均一運賃だから内回りでも外回りでも問題ない」という理屈は成立しません。
 

税制上「通勤手当」の申請は“最短かつ最安の経路”が原則

勤務先に申請している経路についても、注意が必要です。
 
国税庁によれば、「給与所得者に通常の給与に加算して支給する通勤手当や通勤定期券などは一定の限度額まで非課税」となっており、具体的には、「通勤のための運賃・時間・距離等の事情に照らして、最も経済的かつ合理的な経路および方法」にかかる交通費相当額が限度とされています。
 
勤務先に申請している経路と異なる通勤経路を常用している場合、就業規則や会社規程との不整合が生じる可能性があります。申請した経路よりも所要時間や利便性の面で合理的な経路なのであれば、会社へ正規の経路変更申請を行うのが適切です。
 
税務上は「実態に即した合理的経路」であることが重視されるため、最悪の場合としては、不正受給とみなされて懲戒や減給、返還要求などに至る可能性もないとはいえません。
 
実際の運用は会社によって異なるため、やむを得ない事情がある場合は、しかるべき部署へ相談しましょう。
 

まとめ

定期券は経路を指定して販売される乗車券であり、券面に表示の経路以外では乗車できず、不正乗車と判断される可能性があります。
 
その場合、鉄道会社だけでなく、勤務先からも問題とされる可能性があります。通勤手当の申請などを通じて通勤経路を申請する場合は、「最も経済的かつ合理的な経路および方法」が原則であることを覚えておきましょう。
 

出典

東日本旅客鉄道株式会社 旅客営業規則 第2編 旅客営業-第4章 乗車券類の効力-第1節 通則
東日本旅客鉄道株式会社 旅客営業規則 第2編 旅客営業-第4章 乗車券類の効力-第2節 乗車券の効力
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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