タンス預金「150万円」を生活費に…「自分のお金でも安心」とは限らない? 税務上の注意点は?
もっとも、タンス預金は単に「自分のお金かどうか」だけで判断されるものではなく、その資金の性質や取得経緯によって取り扱いが異なります。
本記事では、タンス預金を生活費に回す場合の税務上の注意点について整理します。
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目次
タンス預金は使うだけなら原則問題ない
まず確認したいのは、タンス預金として保管していた現金を生活費として使う行為自体に、新たに税金が課されるわけではないという点です。
例えば、過去に給与や年金などとして受け取り、その時点で所得税の課税関係が確定しているお金を現金で保管していた場合、その現金を後から使ったとしても、そのことを理由として新たに所得税が課されることは通常ありません。
つまり、「タンス預金だから課税される」という仕組みではなく、重要なのはその資金がどのような経緯で取得され、それが適切に申告・納税されているかという点です。
注意が必要なのは「取得経緯が不明な場合」
もっとも、すべてのケースで問題がないとは限りません。
例えば、タンス預金の中に、贈与として受け取ったものや、相続財産として申告すべきだったものが含まれている場合には、その贈与税・相続税の申告・納税が適切になされているかが問題となり、状況によっては税務調査や追徴課税の対象になる可能性があります。
また、貯めていた現金の出どころが不明確な場合、後から税務調査などで税務署から説明を求められるケースも考えられます。
このため、単に「使うかどうか」ではなく、その現金がどの種類の財産に該当するか、またそれに応じた申告・納税が適切に行われているかを把握しておくことが重要です。
相続時、適切に申告されなかった場合には「申告漏れ」とみなされる可能性も
特に注意したいのが相続の場面です。
タンス預金は金融機関の記録に残らないため申告時に見落とされやすいものの、相続財産としては他の財産と同様に扱われます。
例えば、被相続人の財産として保管されていた現金を相続財産として申告せずにそのまま使ってしまった場合、後から発覚すると「申告漏れ」や「過少申告」と判断される可能性があります。
税務署は、故人や相続人の預貯金の入出金履歴などを照会して資産の流れを把握することがあるため、「現金だから分からない」という前提は実務上通用しないと考えるべきでしょう。
タンス預金を保有している人は約4割
こうしたタンス預金ですが、一定数の人が保有していることも分かっています。
株式会社スガワラくんの「タンス預金と新紙幣についてのアンケート調査」(脱・税理士スガワラくん 調べ)によると、「タンス預金がある」と回答した人は41.7%にのぼっています。
また、金額については「10万円未満」が27.2%、「10万円~30万円未満」が25.6%と、少額保有が中心であり、約8割が100万円未満、約半数が30万円未満という結果となっています。
用途としては「万が一に備えたい」が72.0%と最も多く、「趣味や娯楽に使いたい」も32.0%と一定数見られます。
このように、多くの人が生活防衛資金として現金を保有している一方で、高額になるほど税務上の注意点も増える傾向にあると考えられます。
判断のポイントは「説明できる状態かどうか」
今回のケースのように150万円程度の現金を保有している場合でも、直ちに税務上の問題が生じるわけではありません。
ただし、その資金がどのように形成されたのか、例えば給与などすでに課税された所得からの貯蓄であるのか、あるいは贈与や相続によって取得したものなのかについて、給与明細や源泉徴収票、贈与契約書、遺産分割協議書などによって説明できる状態にしておくことが重要です。
特に、将来の相続税申告や税務調査などの資産確認の場面では、現金の額だけでなく、その出どころや形成経緯が問われる可能性があります。
まとめ
タンス預金を生活費として使うこと自体に税金が課されるわけではありません。すでに課税済みの所得からの貯蓄であれば、通常新たな課税関係は生じないと考えられます。
一方で、贈与や相続に関係する資金が含まれている場合には、その取得時点の税務処理が問題となる可能性があります。
タンス預金であること自体が問題なのではなく、その資金の性質と取得経緯が重要となるため、必要に応じて説明できる状態にしておくことが求められます。
出典
株式会社スガワラくん 「タンス預金と新紙幣」についてのアンケート調査(脱・税理士スガワラくん 調べ)(PR TIMES)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
