現在の勤め先を「4月20日」で退職します。「損をするよ」と友人に言われたのですが、なぜでしょうか?

配信日: 2026.04.02
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現在の勤め先を「4月20日」で退職します。「損をするよ」と友人に言われたのですが、なぜでしょうか?
退職日を決める際、「月末まで在籍したほうがよい」「途中で辞めると損をすることがある」と聞いたことがある人もいるかもしれません。
 
実際、退職日が月の途中か末日かによって、その月に加入する年金や健康保険の取り扱いは変わります。特に、健康保険は在職中に会社と本人で保険料を分担していますが、退職後は選ぶ制度によって本人の負担のあり方が変わります。また、同じ月に入社と退職をした場合は、通常の途中退職とは別の注意点もあります。
 
本記事では、4月20日に退職する場合に何が変わるのか、「損をする」と言われる理由はどこにあるのかを整理して解説します。
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4月20日退職と月末退職では、その月の社会保険の扱いが変わる

会社員が加入する厚生年金や健康保険の資格を失うのは、原則として「退職日の翌日」です。そのため、月の途中で退職した場合は月末時点ですでに勤務先の社会保険から外れている一方、末日に退職した場合はその月の末日までは勤務先の社会保険に加入していることになります。
 
社会保険料については、資格喪失日(退職日の翌日)が属する月の「前月分」までが会社での負担対象とされており、資格喪失日が属する月については、原則として保険料はかかりません。
 
例えば、4月20日に退職した場合は、翌日の4月21日から国民年金への切り替えや、健康保険の切り替えが必要になります。一方、4月30日に退職した場合は、4月末時点では勤務先の社会保険に加入している状態となるため、4月分の社会保険料が発生します。
 
このように、退職日が月の途中か末日かによって、資格喪失日とその月の保険料の扱いが変わるため、必要な手続きにも違いが出ます。
 

月途中退職で「損をする」といわれる背景には、健康保険料の負担の変化があると考えられる

月途中の退職で「損をする」と言われやすい理由のひとつは、健康保険の負担の変化です。
 
在職中の健康保険料は、会社と本人で分担して支払います。しかし、退職後に任意継続を選んだ場合は、保険料を本人が全額負担することになります。国民健康保険を選ぶ場合も、会社負担はありません。
 
そのため、月の途中で退職して勤務先の健康保険を外れると、退職後の健康保険では在職中より負担が重く感じられることがあります。
 

年金は一律に「損」とはいえず、何を重視するかで受け止め方が変わる

一方で、年金については、途中退職したからといって一律に「損」とは言い切れません。
 
4月20日に退職するケースで、仮に4月21日から国民年金第1号被保険者となり、4月末以降も第1号被保険者である場合、4月分から国民年金保険料を納めることになります。一方で、4月30日に退職した場合は、4月末時点では厚生年金に加入しているため、4月分は厚生年金の対象となります。
 
ただし、国民年金保険料は定額である一方、厚生年金保険料は報酬比例で、在職中も本人負担があります。そのため、年金については単純に「国民年金に切り替わるから損」とは言いにくく、何を重視するかで受け止め方が変わります。
 
例えば、厚生年金の加入月数を1ヶ月でも長くしたいと考える人もいれば、その月の手取りや保険料負担を重視する人もいるでしょう。年金の面では、一概にどちらが得・損とはいえません。
 

同じ月に入社と退職をした場合の注意点

注意したいのは、同じ月の中で入社と退職を行うケースです。このようなケースでは、通常の月途中退職とは異なる取り扱いとなることがあります。
 
例えば、日本年金機構によると、「4月1日から国民年金第1号被保険者となり、4月16日から第2号被保険者、4月21日から4月末以降も国民年金第1号被保険者である場合、4月分の保険料は納付する必要があり、また4月に厚生年金保険に加入した分も、会社から保険料を徴収されます」と説明されています。
 
ただし、厚生年金保険については、同一月内に資格の取得と喪失があり、その後同月中に再び厚生年金保険または国民年金保険(第2号被保険者を除く)の資格を取得した場合には、先に喪失した厚生年金保険料の納付は不要とされています。
 
このように同月内で資格の取得・喪失が重なるケースでは、通常の月途中退職とは取り扱いが異なることがあるため注意が必要です。
 

退職後の手続きを踏まえて、退職日は事前に確認しておくことが大切

退職後は、年金や健康保険の切り替え手続きが必要になります。国民年金第1号被保険者になる場合は市区町村で手続きを行い、健康保険については国民健康保険、任意継続、家族の健康保険の被扶養者など、複数の選択肢を確認することになります。
 
退職日は1日の違いでも、その月に加入する制度や保険料の扱いに影響が生じる場合があります。そのため、後から想定外の負担とならないよう、健康保険の自己負担や年金の加入区分については切り分けて理解しておくことが重要です。
 
あわせて、具体的な取り扱いについては事前に勤務先へ確認しておくことで、手続きや費用面での見通しを立てやすくなると考えられます。
 

出典

日本年金機構 国民年金の加入 会社を退職したときの国民年金の手続き
日本年金機構 年金Q&A(厚生年金の加入(被保険者)) 月の途中で入社したときや、退職したときは、厚生年金保険の保険料はどのようになりますか。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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