パートの時給が「1200円→1300円」にアップ! 喜んで“週4日”働き続けたら、秋から「社会保険料を月1万円」も引かれることに…時給が上がったのに“手取りが減る”って本当ですか?

配信日: 2026.04.13
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パートの時給が「1200円→1300円」にアップ! 喜んで“週4日”働き続けたら、秋から「社会保険料を月1万円」も引かれることに…時給が上がったのに“手取りが減る”って本当ですか?
春の賃金改定などにより、パートタイム労働者の時給が引き上げられるケースが増えています。しかし、収入が増える一方で、意図せず社会保険の加入要件を満たしてしまい、手取り額が減少するケースもあるでしょう。
 
本記事では、時給アップや勤務要件の変更に伴う社会保険料負担の仕組みと、手取りの逆転が起きる状況について、金額シミュレーションをもとに解説します。
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時給アップに伴う「年収の壁」と手取り減少の仕組み

時給が上がると額面の給与収入は増えますが、一定の基準を超えると社会保険(健康保険・厚生年金保険)に加入する義務が生じます。これまで配偶者の被扶養者として保険料の負担がなかった人が、自身の給与から毎月保険料を天引きされるようになる境界線が「年収の壁」と呼ばれるものです。
 
代表的なものに「106万円の壁」と「130万円の壁」があります。社会保険に加入すると、標準報酬月額に応じた保険料が毎月控除されるため、額面給与が上がったにもかかわらず手取り額が昇給前を下回る、いわゆる「手取りの逆転現象」が起きる点には注意が必要です。
 

社会保険の適用が広がる「106万円の壁」の要件

「106万円の壁」とは、勤務先の規模や労働条件によって社会保険への加入義務が生じる基準のことです。2024年10月の法改正により、社会保険の適用要件が従業員数「51人以上」の企業へと広がりました。
 
加入義務が生じる主な要件は、「週の所定労働時間が20時間以上」「月額賃金が8万8000円以上」「2ヶ月を超える雇用見込みがある」「学生でない」のすべてを満たすことです。勤務先が適用対象になった場合、要件を満たすパート労働者は社会保険に加入することになります。
 
月額8万8000円を超える収入があると、協会けんぽ加入を例にすれば毎月1万3000円前後の社会保険料が天引きされることになります(都道府県や年齢によって金額は異なります)。
 
なお、この「106万円の壁」における月額賃金8万8000円以上という要件は、2026年10月に撤廃される見込みです。撤廃後は、収入額にかかわらず週20時間以上勤務する従業員が社会保険の加入対象となる予定です。
 

時給1200円から1300円への引き上げで「130万円の壁」を超えるケース

時給の上昇によって、扶養から完全に外れる「130万円の壁」を超えてしまうケースもあります。企業の規模にかかわらず、年収の見込みが130万円(月額換算で約10万8333円)以上になると、配偶者の社会保険の被扶養者から外れます。
 
1日5時間・週4日(週20時間)勤務で、1ヶ月を約4.33週として計算してみましょう。時給1200円の場合、月収は約10万4000円、年収換算で約125万円となり、130万円を下回ります。
 
時給が1300円に上がると月収は約11万3000円、年収換算で約135万円になり、130万円の壁を超えるため、勤務先の社会保険に加入するか、自身で国民健康保険および国民年金に加入する必要があります。
 
勤務先の社会保険に加入した場合、月収約11万2000円に対する社会保険料の自己負担は、協会けんぽへの加入を例にすれば月額1万5000~1万6000円程度となります(都道府県や年齢によって変わります)。
 
結果として、昇給前の手取りである約10万4000円から、昇給後の手取りが約9万6000~9万7000円程度へと減少する計算です。
 

社会保険料の負担と、将来の保障という2つの側面

「年収の壁」による手取りの減少は、家計へのマイナス要素として捉えられがちですが、社会保険への加入にはメリットもあります。厚生年金に加入することで、将来受け取る老齢年金が生涯にわたって上乗せされます。
 
また、健康保険に加入することで、病気やけがで仕事を長期間休む際に給与の約3分の2が支給される「傷病手当金」や、出産時の「出産手当金」といった給付の利用も可能です。手取り額の増減だけでなく、長期的な保障の充実度合いも合わせて考えると、判断の材料が広がります。
 

時給改定時は労働条件と社会保険加入の確認を

時給の改定や新年度のシフト変更があった際は、自身の勤務状況が社会保険の加入基準に新たに該当しないかを確認することが大切です。
 
意図しない手取りの逆転を防ぐためには、年間の総収入や月収の目安を計算したうえで、契約上の所定労働時間を調整するという方法が考えられます。
 
反対に、あえて勤務時間を増やして収入を伸ばし、社会保険に加入することで手取り額を回復させるという選択肢もあります。企業規模や法改正の動向を把握しながら、世帯全体の収入状況を踏まえて働き方を検討してみてください。
 

出典

厚生労働省 社会保険適用拡大特設サイト
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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