パートの年収が「106万円の壁」を超えるとどうなる? 社会保険料がかかると、手取りが減って“働き損”になるのでしょうか?

配信日: 2026.04.15
この記事は約 3 分で読めます。
パートの年収が「106万円の壁」を超えるとどうなる? 社会保険料がかかると、手取りが減って“働き損”になるのでしょうか?
パートで働く人のなかには「年収106万円の壁」を意識している人もいるでしょう。年収106万円の壁は手取り額だけでなく将来の年金にもかかわるため、壁と呼ばれる理由や超えたときのメリットも知っておくことが大切です。
 
今回は、「年収106万円の壁」と言われる理由や、法改正による年収の壁への影響などについてご紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

年収106万円の壁と言われている理由

パート勤務の人が「年収106万円」を意識する理由として、社会保険への加入基準を満たすことが挙げられます。厚生労働省によると、令和8年4月時点での加入基準は次の通りです。
 

・従業員数51人以上の企業で働いている
・所定労働時間が1週間で20時間以上
・所定内賃金が月8万8000円以上
・2ヶ月超の雇用見込み
・学生以外(休学中や定時制、通信制の人などを除く)

 
各条件のうち、所定内賃金月8万8000円を1年に換算すると105万6000円、約106万円になることから、106万円の壁と呼ばれるようになりました。
 
「壁」と呼ばれるのは、社会保険への加入によって社会保険料が給料から差し引かれるためです。そのため、106万円を超えない範囲で働くことで、手取り額の減少を避けようとする働き方を選択するケースも見られます。
 

社会保険へ加入するメリット

社会保険に加入することには、メリットもあります。社会保険に加入することで老齢厚生年金が受け取れるようになり、老後の年金額が増えます。
 
政府広報オンラインによると、厚生年金保険に20年加入して、月額約8100円の保険料を納めると、将来受け取る年金額は月額約8900円、年10万6800円程度増える計算です。老後の年金額にゆとりができるため、趣味など好きなことに使えるお金を増やすことができるでしょう。
 
また、もし自分が亡くなった場合には、条件を満たしていれば家族へ遺族厚生年金を残せるようになる点もメリットです。
 
さらに、社会保険に加入すると傷病手当金や出産手当金の対象者になります。けがや病気などで仕事を休まなければならなくなったとき、また家族が増えたときなどへの備えになるでしょう。
 

年収の壁の改正はどう影響する?

年収106万円の壁は、年金制度の改正により実質的に撤廃される見込みです。改正理由の1つは、社会保険への加入要件を分かりやすくし、働き方を選びやすくする目的があることです。厚生労働省によると、社会保険への加入条件のうち、賃金要件については令和7年から3年以内に撤廃すると示しています。
 
また、従業員数の条件も10年ほどかけて段階的に縮小・撤廃されていくため、将来的には企業規模や収入にかかわらず、週の所定労働時間の条件を満たしていれば社会保険の加入対象になると考えられます。
 

106万円以外の年収の壁はどうなる?

年収の壁にはほかに所得税がかかる基準とされている年収103万円の壁もあります。しかし、令和7年度の税制改正により、給与所得控除や所得税の基礎控除の金額が増額されました。これにより、所得税がかかる基準も高くなり、令和7年分については「年収103万円の壁」から「160万円の壁」になっています。
 
また、この改正にともない、配偶者控除を受けられる基準も、控除対象配偶者となる人の年間の合計所得金額が48万円以下から58万円以下となりました。
 

社会保険に加入すると手取りは減る場合があるものの将来の年金額は増える

年収106万円の壁とは、社会保険に加入する基準の賃金のことです。社会保険に加入すると手取り額が減少することから、壁と呼ばれています。
 
しかし、社会保険に加入すると将来の年金額が増えたり傷病手当金を受けられたりなどのメリットもあります。手取りを減らさないために年収約106万円よりも少なく抑えるのか、将来に向けて社会保険に加入するかは生活にも影響するため、家族と相談して決めるとよいでしょう。
 
なお、106万円の壁は今後見直しが予定されており、賃金要件については数年以内に撤廃される予定です。希望の働き方や手取り額がある方は見直し後に勤務時間を調整する必要があるかもしれません。情報の更新がある際は確認するとよいでしょう。
 

出典

政府広報オンライン パート・アルバイトの皆さんへ 社会保険の加入対象により手厚い保障が受けられます。
厚生労働省 年金制度改正法が成立しました
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

  • line
  • hatebu
【PR】 yumobile
FF_お金にまつわる悩み・疑問