パートのシフトを増やした妻。友人に「扶養内に抑えるより年収を上げたほうが貯蓄しやすい」と言われたそうです。年収「106万円」の壁を超えても、“得”になるのはいくらくらいからでしょうか?
今回は、年収の壁を超える場合にいくら稼ぐと得になるのか、また社会保険に加入するメリットなどについてご紹介します。
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ファイナンシャル・プランナー
住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。
いくら稼ぐと扶養内よりもお得になる?
年収の壁を超えたことで発生する社会保険料も考慮して手取り額を計算すると、どの年収から手取りが増えるのかが分かります。今回は、年収106万円、年収115万円、年収125万円で手取りの差を比較しましょう。条件は以下の通りです。
・勤務先の従業員数は51人以上
・東京都在住40代
・子ども・子育て支援金を含む
・各控除や社会保険料は令和8年度の基準を使用する
・適用される控除は給与所得控除、社会保険料控除、基礎控除のみ
・賞与は考慮しない
・年収を12で割った数値を報酬月額と仮定する
条件を基にすると、それぞれの金額は表1のようになります。
表1
| 年収106万円 | 年収115万円 | 年収125万円 | |
|---|---|---|---|
| 社会保険料(年額) | 16万3700円 | 18万2150円 | 19万3450円 |
| 給与所得控除 | 65万円 | ||
| 所得税基礎控除 | 95万円 | ||
| 所得税課税所得 | 0円 | ||
| 所得税額 | 0円 | ||
| 住民税基礎控除 | 43万円 | ||
| 住民税課税所得 | 0円 | ||
| 住民税額 | 0円(自治体によっては均等割として5000円が課される場合あり) | ||
| 手取り額 | 89万6300円 | 96万7850円 | 105万6550円 |
※筆者作成
結果から分かるように、年収はおよそ125万円を超えると、社会保険の加入対象となる年収106万円の壁を超える前よりも多く手取りを受け取れます。年収の壁を超える予定の人は、年収125万円をひとつの目安としてもよいでしょう。
社会保険に加入するメリット
扶養を外れると自分で社会保険料を負担する一方で、一定の要件を満たすことで、傷病手当金や出産手当金などを受け取れるなどのメリットがあります。
傷病手当金は、業務外の事由による病気やけがが原因で休んだときに、4日目以降から通算1年半に渡って、給料の3分の2の金額を受け取れる制度です。自分が働けなくなっても、世帯の手取り減少をおさえられます。
また、老後の年金額も増やせることがメリットといえます。社会保険に加入すると、厚生年金も受け取れるようになるためです。現時点だけでなく、長期的に見た場合に、将来の年金受給額も多くなりやすいです。そのため、ゆとりのある老後の資金計画を立てやすくなるでしょう。
世帯の貯蓄を増やすポイント
世帯の手取りを増やして世帯の貯蓄に余裕を持ちたい場合、まず夫婦で「いつまでに、いくらためたいのか」といった目標を明確にしましょう。はっきりと目標を立てることで、貯蓄計画を考えやすくなります。
目標や計画を立てたあとは目標に向かって少しずつ貯金などをして、家計の状況に応じて資産運用も検討しましょう。すでにパート勤務の時間を増やしている場合は勤務だけでなく、家の節約や投資なども組み合わせるとより世帯の貯蓄をしやすくなるでしょう。
収支の見直しのコツは、まず支出を明らかにすることです。買い物のレシートは保管し、水道代や光熱費も家計簿などでまとめましょう。すると、どこで特に無駄な支出が多いかが明らかになります。
年収125万円を超えると年収106万円の壁を超える前よりも手取りが増える可能性がある
年収106万円の壁を超えるなど一定の条件を満たすと、社会保険に加入するため、場合によっては手取り額が少なくなる可能性があります。今回の条件では、年収125万円を超えたときに年収の壁を超える前よりも手取りが多くなる計算です。ただし、試算はあくまでも目安のため、状況によっては変動する可能性があります。
社会保険に加入すると、保険料は引かれるものの傷病手当金を受け取れたり将来の年金額が増えたりといったメリットも少なくありません。世帯の手取りを増やし、老後に向けた貯蓄をしたいのであれば、年収の壁を超えて働くことは選択肢のひとつといえるでしょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
監修:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー
