【令和8年版年収の壁】「106万円」「130万円」「178万円」で働き方はどう変わる? パートで損しないための新しい働き方を徹底解説
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
「年収の壁」は「社会保険の壁」と「税金の壁」の2種類
給与所得者の年収の壁には、社会保険と税金の2分野でそれぞれ複数種類あります。本記事の執筆時点における年収の壁をまとめました。
表1
| 分野 | 金額 | 内容 |
|---|---|---|
| 社会保険の壁 | 106万円 | 一部の企業で社会保険加入義務が生じる(2026年10月撤廃予定) |
| 130万円 | 第3号被保険者が配偶者の扶養から外れる | |
| 税金の壁 | 136万円 | 所得税の配偶者控除・扶養控除から外れる(扶養する側の税負担が増える) |
| 159万円 | 19歳以上23歳未満の子などに適用される特定親族特別控除が減り始める(同上) | |
| 169万円 | 配偶者特別控除が段階的に減少し始める | |
| 178万円 | 本人に所得税がかかり始める | |
| 207万円 | 配偶者特別控除が受けられなくなる |
※筆者作成
令和8年度税制改正によって、所得税の壁は160万円から178万円に引き上げられました。また2種類の社会保険の壁についても、厚生労働省・日本年金機構などにより改正が進められています。
「130万円の壁」は「被扶養者認定のルール変更」で緩和見込み
社会保険の扶養から外れる130万円の壁について、令和8年4月以降、被扶養者認定における年収要件が見直されました。
厚生労働省からは、労働契約上の所定労働時間・賃金水準から年間収入見込みを算出する方式となることで、一時的な残業や繁忙期による収入増加のみで直ちに扶養から外れない運用が示されています。また日本年金機構も最新の案内で、労働条件通知書等の記載賃金を基準とし、直ちに扶養から外れないことを明確化しました。
「社会保険の所得要件・事業所要件」も順次改正が予定されている
上記の130万円の壁緩和のほか、年収106万円以上という収入要件についても2026年10月に撤廃が見込まれています。現在の加入義務発生の要件は以下の通りです。
・週の所定労働時間が20時間以上
・月額賃金8万8000円以上(年収106万円相当)
・勤務期間が2ヶ月を超える見込み
・学生ではない
・従業員数50人超の企業に勤務
2026年3月31日に秋田県の最低賃金が時給1031円となったことで、全ての都道府県で最低賃金が1016円以上となりました。これにより、週20時間以上働く場合は月額8万8000円以上の賃金要件を満たすことになりました。
また、従業員数要件についても2027年10月以降、段階的に縮小され、2035年10月に完全撤廃される予定です。これにより、中小企業で働くパート・アルバイトの社会保険の加入対象が拡大します。
以上から、新たな社会保険への加入要件を踏まえ、パートで損しない働き方を考えると、以下の選択肢が有力でしょう。
1.社会保険に加入しない場合、労働契約上の年収を130万円未満に抑える
2.社会保険に加入する場合、一般に社会保険料負担込みでも手取りが増える可能性があるとされるため、年収150万円以上を目指す
3.社会保険に加入する上で所得税の課税限度以下に留める場合は178万円を意識する
まとめ
令和8年度税制改正によって、本人に所得税がかかり始める目安は160万円から178万円へ引き上げられました。また、106万円の壁が実質的に撤廃される予定であるほか、130万円の壁における被扶養者認定の運用も見直されています。
現時点で働き方を考えるなら、社会保険に加入しない範囲で働く場合は年収130万円未満を意識し、社会保険に加入する場合は保険料負担を踏まえたうえで、年収150万円以上や、本人の所得税がかからない目安である178万円以下などをひとつの目安に検討するとよいでしょう。
出典
首相官邸 いわゆる「年収の壁」対策
厚生労働省 「年収の壁」への対応
厚生労働省 労働契約内容による年間収入が基準額未満である場合の被扶養者の認定における年間収入の取扱いについて
厚生労働省 社会保険の加入対象の拡大について
日本年金機構 従業員(健康保険・厚生年金保険の被保険者)が家族を被扶養者にするとき、被扶養者に異動があったときの手続き
日本年金機構 短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大
厚生労働省秋田労働局 秋田県最低賃金が変わります~令和8年3月31日から時間額1,031円へ~
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
