パートで「年収103万円」に調整してたけど、制度改正で“178万円まで”OKに!?「106万・130万円の壁」とはどう違う? これから“年収の壁”はどう変わるのか、ポイントを解説

配信日: 2026.05.19
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パートで「年収103万円」に調整してたけど、制度改正で“178万円まで”OKに!?「106万・130万円の壁」とはどう違う? これから“年収の壁”はどう変わるのか、ポイントを解説
「103万円を超えないように、年末はシフトを減らしている」「扶養を外れるのが怖くて働く時間を増やせない」。そんな調整をしてきたパート・アルバイトの人は多いのではないでしょうか。
 
しかし、制度改正によって103万円の壁が見直され、今後は178万円までの新たな基準が話題になっています。これまでの働き方は本当に意味がなくなるのでしょうか。今回は、制度改正のポイントと、これからの働き方への影響を分かりやすく解説します。
仲千佳

2級ファイナンシャル・プランニング技能士

そもそも「103万円の壁」とは?

これまで、多くのパート・アルバイト勤務者が意識してきたのが、103万円の壁です。
 
給与収入のみの場合、基礎控除48万円と給与所得控除55万円を合計した103万円までは、所得税がかからない仕組みになっていました。
 
そのため、「103万円以内なら税金がかからない」「扶養の範囲で働ける」というイメージが広がり、多くの家庭で年収の調整が行われてきました。特に年末になると、「あと3万円で103万円を超えるから、今月はシフトを減らそう」と調整する人も少なくありません。
 
実際には、税金は超えた分に対してかかるため、働いた分だけ収入自体は増えていきます。それでも、「扶養から外れるかもしれない」「手取りが減るのでは」という不安から、103万円を1つの基準として働く人が多かったのです。
 

なぜ今178万円へ引き上げ?

令和8年度の税制改革により、103万円の壁が178万円まで引き上げられました。背景にあるのは、最低賃金の上昇や物価高です。103万円という基準は長年大きく変わっておらず、現在の賃金水準に合わなくなってきています。例えば、時給1200円で1日5時間・週4日働いた場合、年収は120万円を超えるケースもあります。
 
つまり、普通に働いただけで103万円を超えてしまう時代になっているのです。また、飲食業や小売業など人手不足が深刻な業界では、「働ける人がいるのに、年収を気にしてシフトに入れない」という状況も起きています。
 
こうした背景から、基礎控除などを引き上げ、より働きやすい制度へ見直そうという動きが進んでいます。
 

「103万円以内で調整」は意味がなかった?

今回の制度改正で、「今まで103万円以内に抑えていた意味はなかったのでは?」と感じる人もいるかもしれません。
 
しかし、これまでの調整が無意味だったわけではありません。なぜなら、実際には「税金の壁」だけでなく、「社会保険の壁」も存在するからです。多くの人にとって、実は所得税よりも社会保険料の負担のほうが影響は大きいでしょう。
 

106万円の壁

一定条件を満たす会社で働く場合、年収106万円程度を超えると、社会保険への加入対象になる可能性があります。
社会保険に加入すると、健康保険料や厚生年金保険料を自身でも負担しなければならないため、一時的に手取りが減ってしまいます。そのため、103万円より106万円を意識している人もいるでしょう。
 
一方、厚生年金に加入することで将来受け取れる年金額が増えたり、傷病手当金などの補償を受けられたりするメリットもあります。
 

130万円の壁

さらに、多くの家庭に影響するのが130万円の壁です。配偶者の扶養に入っている場合、年収130万円以上になると扶養から外れ、自分で社会保険料を負担する必要が出てきます。
 
社会保険料の負担額は所得税より大きいため、130万円を超えないように働く調整は今も広く行われています。つまり、178万円まで所得税がかかりにくくなったとしても、社会保険制度が変わらなければ、壁そのものが完全にはなくなるわけではありません。
 

まとめ

長年、多くのパート・アルバイト勤務者が意識してきた103万円の壁は、178万円への引き上げによって、働き方の変換期を迎えています。一方、社会保険を見据えた106万円や130万円の壁もあるため、103万円だけを気にすればよい時代ではなくなっています。
 
これからは、税金だけでなく社会保険料や将来の年金も含めて、「自分にとってどんな働き方がプラスになるのか」を考えることが、これまで以上に重要です。
 

出典

国税庁 No.1410 給与所得控除
国税庁 No.1199 基礎控除
 
執筆者 : 仲千佳
2級ファイナンシャル・プランニング技能士

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