電気代は「夜間割安プラン」を選んだら、請求「1万2000円→2万5000円」に跳ね上がり驚愕! 実は“昼間の単価”は恐ろしく高い!? 節約のつもりが「家計への致命傷」となる落とし穴

配信日: 2026.05.20
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電気代は「夜間割安プラン」を選んだら、請求「1万2000円→2万5000円」に跳ね上がり驚愕! 実は“昼間の単価”は恐ろしく高い!? 節約のつもりが「家計への致命傷」となる落とし穴
「えっ、今月の電気代2万5000円!? どうしてこんなに高いの……」
 
ポストに入っていた請求書を見て、妻が深いため息をつきました。共働きで毎日ヘトヘトになりながら働き、少しでも生活費を浮かせようと奮闘している家庭は多いはずです。
 
電気代を節約するために「夜間の電気代が安くなるプラン」を契約しているケースも珍しくありません。日中は誰も家にいないのだから、夜に洗濯機を回したり、お風呂を沸かしたりすれば確実にお得になるはずだったのです。
 
しかし、生活スタイルが少し変わっただけで、この良かれと思った節約術が、家計の首を真綿で絞める「残酷なトラップ」に急変することがあります。1万2000円程度で収まっていたはずの電気代が、突然2万5000円に跳ね上がってしまう恐ろしい落とし穴について解説します。
西村和樹

2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、第一種/第二種電気工事士、医療情報技師、2級ボイラー技士、ボイラー整備士

安いはずの「夜間プラン」、昼間の単価は恐ろしく高い

近年、燃料費の高騰などを背景に、全国的に電気代のベースそのものが上がり続けています。少しでも負担を減らそうと、深夜電力などを活用し、夜の電気代を通常のプランよりも安く設定している「夜間割安プラン」を利用する人は少なくありません。
 
日中は仕事や学校で留守にしており、家事や団らんを夜に集中させる家庭にとっては、非常に合理的な選択です。しかし、ここで忘れてはいけないのが「夜が安い分、昼間の電気代はかなり割高に設定されている」という事実です。
 
大手電力会社の料金プランを見ると、夜間(午後11時~午前8時など)の1キロワットアワーあたりの単価が約31円台であるのに対し、昼間(午前8時~午後11時など)の単価は約42円台に達するケースがあります。
 
かつては「夜間は10円台」という時代もありましたが、現在は燃料費調整額や再エネ賦課金を含めずとも、夜間単価自体が30円台まで値上がりしています。さらに昼間の単価は、通常の従量電灯プランの平均的な単価と比べても、明らかに高い水準です。
 

ちょっとした生活の変化が致命傷に

問題は、契約したときの生活スタイルがずっと続くとは限らないことです。


・妻が外でのパート勤務から、自宅での在宅ワークに切り替えた
・子どもが熱を出して数日間学校を休み、昼間からリビングで過ごした
・猛暑日や極寒の日が増え、休日に家でエアコンをつけっぱなしにするようになった

こうしたささいな変化により、一番電気代が高い「昼間」に、最も電気を消費するエアコンやパソコン、テレビなどを稼働させることになります。これでは、夜にいくら洗濯機を回して節約を頑張っても、昼間の高額な消費電力であっという間に相殺され、マイナスに転落してしまいます。
 

電気代が1万2000円から2万5000円へ跳ね上がるリアル

実際に、東京電力エナジーパートナーの「夜トク8」(契約容量4kVA、基本料金858円)を例に、生活スタイルの変化でどれほどの差が生まれるのか見てみましょう。
 
日中不在で、夜間を中心に電気を使っていた際は、月間の使用量が300キロワットアワー(昼間50キロワットアワー、夜間250キロワットアワー)とします。


・基本料金:858円
・昼間(50キロワットアワー×42.80円):2140円
・夜間(250キロワットアワー×31.84円):7960円
・再エネ賦課金(300キロワットアワー×3.49円):1047円

この場合、請求額は1万2000円程度に収まります。
 
しかし、妻の在宅ワークが始まり、昼間もエアコンを常時稼働させるようになったとします。月間の使用量が600キロワットアワーに増え、その増加分が割高な「昼間」に集中した場合(昼間300キロワットアワー、夜間300キロワットアワー)、請求額はどうなるでしょうか。


・基本料金:858円
・昼間(300キロワットアワー×42.80円):1万2840円
・夜間(300キロワットアワー×31.84円):9552円
・再エネ賦課金(600キロワットアワー×3.49円):2094円

昼間の高額な単価が適用されるため、電気代は一気に2万5344円と、2万5000円を超える水準まで跳ね上がります。たった1ヶ月で約1万3000円の負担増です。これを「季節のせい」などと勘違いして1年間放置すれば、年間で15万円以上ものお金を余分に支払うことになってしまいます。
 

ライフスタイルに合わせてプランを見直す行動を

節約のために選んだプランで、かえって家計が苦しくなるのは本末転倒です。
 
日々の仕事や家事に追われていると、一度契約した電気のプランをわざわざ見直すのは面倒に感じるかもしれません。固定費の見直しをつい後回しにしてしまう気持ちは痛いほど分かります。
 
しかし、今の時代、多くの家庭にはスマートメーターが設置されており、電力会社のウェブサイトなどで時間帯ごとの電気使用量を簡単に確認することができます。
 
昼間の電気使用量が増えていることに気づいたら、夜間プランから通常の従量電灯プランに戻すなど、今の生活スタイルに合った契約に変更するだけで、月に数千円の削減につながる可能性があります。
 
「良かれと思って」続けていることが、実は家計の重荷になっていないか。今月の請求書が届いたら、金額だけでなく「どの時間帯に電気を使っているか」まで、しっかりと目を向けるべきです。
 

出典

経済産業省 資源エネルギー庁 電力調査統計
東京電力エナジーパートナー 夜トクプラン
 
執筆者 : 西村和樹
2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、第一種/第二種電気工事士、医療情報技師、2級ボイラー技士、ボイラー整備士

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