令和の今、若者が「朝礼で社訓絶叫」「ノルマ未達で激詰め」企業へ“積極的に”入社する理由…かなり「旧時代的」でキツそうなのにナゼ? 数字でひもとく「働き方の価値観」とは

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令和の今、若者が「朝礼で社訓絶叫」「ノルマ未達で激詰め」企業へ“積極的に”入社する理由…かなり「旧時代的」でキツそうなのにナゼ? 数字でひもとく「働き方の価値観」とは
数ヶ月前にあるテレビ番組で、社員全員が朝礼で社訓を絶叫し、上司からノルマ未達を厳しく叱責される企業に、令和の新入社員たちが夢を抱いて入社している様子が紹介され、大きな反響を呼びました。一見すると旧時代的にも思える職場ですが、若者たちは自ら望んでその環境に飛び込んでいるといいます。
 
「楽しく働きたい」「ノルマがきつい会社は嫌」と語る若者が多数派とされる時代に、なぜ厳しい環境を選ぶ人がいるのでしょうか。本記事では、最新の意識調査をもとに、令和の若者の働き方への価値観と、その背景を解説します。
上野梓

FP2級、日商簿記3級、アロマテラピー検定2級、夫婦カウンセラー、上級心理カウンセラー、整理収納アドバイザー

令和の若者の本音は「楽しく働きたい」

株式会社マイナビが実施した「マイナビ2027年卒大学生就職意識調査」によると、就職観として「楽しく働きたい」と答えた大学生は40.2%で、調査開始以来初めて4割を超えました。一方で「人のためになる仕事をしたい」は9.5%、「自分の夢のために働きたい」は9.4%にとどまっています。
 
また、企業を選ぶ際のポイントとして「安定している会社」が55.4%で8年連続最多となり、2年連続で5割を超えました。「給料の良い会社」も5年連続で増加し、26.6%となっています。
 
反対に「行きたくない会社」では「ノルマのきつそうな会社」が39.2%で最多となり、続く「転勤の多い会社」も33.3%と、6年連続で増加しています。
 
つまり、いまの大学生の多数派は「安定した会社で、無理なく楽しく、しっかり給料をもらいたい」という志向であり、「絶叫朝礼」や「激詰め」とは正反対の働き方を望んでいると言えます。
 

それでも「厳しい環境」を選ぶ若者が一定数いる

ただし、調査結果はあくまで全体の傾向です。数字をよく見ると、別の側面も浮かび上がります。
 
例えば、マイナビの同調査では「収入さえあればよい」と回答した学生が9.1%で、6年連続の増加となっています。物価上昇や実質賃金の伸び悩みへの不安が背景にあると分析されており、待遇や成果報酬への関心は高まっているようです。
 
一方、厚生労働省の「新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)」では、大学卒業者の就職後3年以内の離職率は33.8%で、3人に1人程度が3年以内に最初の職場を離れている計算です。
 
成果次第で短期間に高収入を得たい層や、快適なだけの職場で時間を無駄にしたくないと考える層にとって、「厳しいが成長できる」「結果を出せば評価される」とうたう企業は、むしろ魅力的に映る可能性があります。
 

なぜ「あえて厳しい環境」を選ぶ心理が生まれるのか

若者の一部があえて厳しい環境を選ぶ背景として、いくつかの要因が考えられます。
 
1つ目は「成長実感」への渇望です。マイナビの同調査では、企業選択のポイントとして「自分のやりたい仕事ができる会社」を25.5%の学生が選んでおり、給料や安定だけでなく、自分のやりたいことや成長を重視する層も一定数存在することが分かります。
 
受け身ではなく、自分を鍛えてくれる場を求める若者がいるのは自然なことと言えそうです。
 
2つ目は「仲間意識」や「居場所」への共感です。学校の部活動のような濃密な人間関係や、結果を出した瞬間に称賛される文化は、SNS上の動画などを通じて「楽しそう」「熱量がある」と映ることがあります。
 
3つ目は、就職活動でのミスマッチを避けたいという心理です。早期離職率の高さなどから入社前に職場の雰囲気を確認したい学生は増えています。SNSで日常をオープンに発信する企業は、内情が分かりやすく、「ここなら自分は耐えられる」と納得して入社する人もいるようです。
 

「合う・合わない」は人それぞれ

絶叫朝礼や厳しい叱責といった文化は、多くの若者から見れば「行きたくない会社」の典型かもしれません。しかし、同じ環境を「成長できる」「楽しい」と感じる若者も確かに存在します。
 
大切なのは、就職観に正解はなく、自分が何を大切にして働きたいかを見極めることでしょう。安定や給料を重視するのも、成長や仲間意識を重視するのも、それぞれの価値観です。
 
先述の調査結果は、いまの若者が一様ではなく、価値観が多様化していることを示しています。「最近の若者は」とひとくくりにせず、それぞれの選択を理解する視点が大切だと言えそうです。
 

出典

厚生労働省 新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)を公表します
 
執筆者 : 上野梓
FP2級、日商簿記3級、アロマテラピー検定2級、夫婦カウンセラー、上級心理カウンセラー、整理収納アドバイザー

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