更新日: 2024.10.10 働き方
〈働く女性を応援する〉① 働き方は多種多様。自分に合った働き方を!
そんな中、女性や高齢者、外国人の労働力が注目されるようになりました。内閣府「平成23 年版男女共同参画白書」によると、日本の潜在的労働力人口(非労働力人口のうち就業希望者)は342 万人に上ります。実はその大部分が子育て期の女性なのです。
アベノミクスの成長戦略にも女性活躍推進が据えられています。しかし、女性の労働力は、生産年齢人口の減少に伴う労働力不足を解決する狙いだけでありません。
女性が自分らしくいきいきと生きたい、社会の役に立ちたい、自分のスキルを生かしたい、もっと収入を得たい、さまざまな思いが錯綜する中で、女性が活躍できる場所は確実に増えています。
Text:黒澤佳子(くろさわよしこ)
CFP(R)認定者、中小企業診断士
アットハーモニーマネジメントオフィス代表
栃木県出身。横浜国立大学卒業後、銀行、IT企業、監査法人を経て独立。個別相談、セミナー講師、本やコラムの執筆等を行う。
自身の子育て経験を踏まえて、明日の子どもたちが希望を持って暮らせる社会の実現を願い、金融経済教育に取り組んでいる。
また女性の起業,事業承継を中心に経営サポートを行い、大学では経営学や消費生活論の講義を担当している。
女性が働きたいと思ったとき、選択肢はたくさんあります
女性の働き方には選択肢がたくさんあります。
子供が学校に行っている間だけ働きたい、夫の扶養の範囲内で働きたい、週3日働きたい、スキルを生かしたい、スキルを身に付けたい、一定の収入を得たい、やりがいのある仕事がしたい、社会の役に立つ仕事がしたい、など動機はさまざまです。
それに合わせて働き方は変わります。これがマッチしないと、あとで自分がつらくなり、長続きしません。
働き方には、まず会社員やパートのように、誰かに雇われる働き方があります。これには正社員、契約社員、パート・アルバイト、派遣社員などがあります。
この中で、派遣社員は雇われる形態が違います。正社員、契約社員、パート・アルバイトは、自分が働く企業や店舗に直接雇われてお給料をもらうのに対して、派遣社員は派遣会社に雇われて、派遣会社からお給料をもらいます。そのため、一緒に働く職場の方と待遇面で違いがあります。
期間別に見ると、雇用期間がある(有期)のが契約社員、雇用期間がない(無期)のが正社員です。契約社員は基本的に期間満了につき退職となるので退職金はありませんが、正社員には退職金があります(退職金制度がある会社の場合)。正社員には賞与(ボーナス)があります(ボーナス制度がある会社の場合)が、契約社員には賞与がない会社がほとんどです。
お給料の面では、月給制または年俸制の正社員・契約社員に対して、パート・アルバイトは時給制や日給制になっており、シフトなどで自分の希望する日や時間だけの勤務が可能となっています。
他に大きな違いとして、正社員には社会保険が付与されますが、契約社員・パート・アルバイトには一定以上の時間を働き、一定以上の収入がないと社会保険が付与されません。これは「106万円の壁」「130万円の壁」に代表されるように、働き方を選ぶ上で大きなポイントとなります。自分の手取り収入を左右するだけでなく、世帯収入にも影響を及ぼすため、自分の選んだ働き方が夫には反対されてしまうケースもでてきます。
自分らしく働く、「起業」のススメ
誰かに雇用される働き方以外に、自分で事業をする、自分一人で専門的な仕事をするなどの働き方があります。誰にも制約を受けず、何でも自分で決められるため、自分に合わせた働き方が可能です。
でも、これはつまり「起業」ということ。「私がビジネスを立ち上げるなんて無理!」と思う方も多いかもしれません。最近では「週末起業」や「プチ起業」など、起業におけるリスクをおさえつつ、自分の夢を実現する、そんな方も増えているのです。
起業のメリットには、自由に仕事ができる、好きなことだけできる、自分の裁量で動ける、拘束時間がない、自分で決められる、などがあります。会社員時代に「私ならこうしたい」と思ってもやらせてもらえなかった、やりがいのある仕事を任せてもらえない、という方は、起業に向いているかもしれません。
また、子育て中の方も、職業選択の一つとして「起業」という道があることを知ってほしいと思います。少しでも子供のそばにいたい、もしも子供が熱を出したときに周りを気にせず保育園に迎えにいける、自分のできる範囲で仕事ができる、子供の行事を優先したいなど、私がそうであったように、実は子育て中の女性は「起業」によって乗り越えられることがあるのです。
Text:黒澤佳子(くろさわよしこ)
CFP(R)認定者、中小企業診断士、システム監査技術者、不正検査士(CFE)
アットハーモニーマネジメントオフィス代表