更新日: 2024.10.10 その他家計
プレミアム付商品券で上手に家計を節約。FPが教える使い方のコツって?
このプレミアム付商品券は、使える人が限られていますが、25%もお得になる!という「大盤振る舞い」です。ただし、うっかりすると「損失」になりかねません。上手な使い方のコツをご紹介しましょう。
執筆者:村井英一(むらい えいいち)
国際公認投資アナリスト
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、日本証券アナリスト検定会員
大手証券会社で法人営業、個人営業、投資相談業務を担当。2004年にファイナンシャル・プランナーとして独立し、相談者の立場にたった顧客本位のコンサルタントを行う。特に、ライフプランニング、資産運用、住宅ローンなどを得意分野とする。近年は、ひきこもりや精神障害者家族の生活設計、高齢者介護の問題などに注力している。
プレミアム付商品券の使い方
プレミアム付商品券は、消費税の引き上げで負担が増える世帯への緩和策として、期間限定で行われる優遇措置です。対象となる人、1人につき2万5000円の商品券が2万円で買えるようになります。25%ものプレミアムがついているわけですが、この原資は税金です。ただし、利用できるのは2020年3月末までの、期間限定となっています。
対象となるのは、乳幼児の子育て世帯と住民税非課税の人です。まず、2016年4月2日~2019年9月30日までの間に生まれた子の人数分が対象となります。おおよそ3歳6ヶ月未満の子どもです。そして、住民税が課税されている人およびその被扶養者と生活保護世帯を除いた人数分が対象となります。すでに申請書や(申請済みの方には)「購入引換券」が送られてきているかと思います。
自治体から郵送された申請書に記入して郵送すると、プレミアム付商品券の「購入引換券」が送られてきます。子育て世帯としての対象分は、「購入引換券」が直接送られてきます。「購入引換券」があると、スーパーのサービスカウンターなど自治体指定の交換店舗で、プレミアム付商品券を購入できます。500円の商品券10枚セットが4000円で販売されています。1人分につき、5回まで購入できます。
プレミアム付商品券の注意点
子の人数と住民税非課税の人数は重複して数えます。例えば、0歳と2歳の子どもがいる住民税非課税夫婦の場合だと、子どもの数は2人、そして住民税非課税が家族4人で、合計6人分が対象となります。15万円分の商品券を12万円で購入できるわけで、3万円が「お得」ということになります。
ただし、使い方を工夫しないと、思わぬ損失となる可能性があります。特に利用できる金額が大きいご家庭は注意が必要です。
まず、商品券はその自治体の店舗でしか使えません。引っ越しをした場合は、「購入引換券」であれば転居先の自治体のものと交換できますが、商品券にしてしまうと引き換えができません。お釣りが出ないのも注意点です。
そして、最大の注意点は、使用期間が限られていることです。自治体によって異なる場合がありますが、原則2020年3月末までとなっています。使い残した分は払い戻してもらえません。期限が迫ってきたので、デパートの商品券や図書券を購入しておくということもできません。これらの購入には使えないからです。
家族分あわせて、ある程度の金額になる場合など、プレミアム付商品券を購入したものの、使い切れなかったとなる可能性がありますので、上手に計画的に利用する必要があります。
プレミアム付商品券の利用のコツ
プレミアム付商品券を上手に使うコツは、まず利用期限までに余裕をもって使い切ることです。使い残してしまう場合はもちろん、期限間際にあわてて必要のないものまで購入するのも、もったいない話です。そのためにも、確実に使う分だけを購入するようにします。プレミアム付商品券を購入しなければメリットを得られませんが、使い残すよりはましです。
使い方としては、2つのパターンをお勧めします。まずは週に2、3度は利用するスーパーなどでこまめに使う方法です。プレミアム商品券の購入も、利用のペースに合わせて、こまめに行います。日々常に利用を心掛けていれば、無理な買い物をしなくても、ムダなく使い切ることができるでしょう。
もう1つは、高額品の買い物に、まとめて使う方法です。もともと欲しかったものがあれば、割安に購入できるチャンスです。この場合は、使う分のプレミアム付商品券をあらかじめ購入しておきます。
いずれの場合でも、お得な買い物ができますが、気がゆるんでムダなものを購入しないように気をつけましょう。いくらプレミアムがついているといっても、買う必要のないものまで購入してしまっては、ムダな出費になってしまいます。
執筆者:村井英一
国際公認投資アナリスト