年末年始こそ家計の整理!新年を迎える前に家計の収支と資産の棚卸しをしよう

配信日: 2019.12.16 更新日: 2024.10.10

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年末年始こそ家計の整理!新年を迎える前に家計の収支と資産の棚卸しをしよう
一年の計は元旦にあり。昔からよく使われている言葉です。新しい一年を迎えるに当たり、その一年になすべきことを年の初めの元旦にきちんと計画を立てるという意味のようです。お金についても同じです。
 
ですが、お金に関する計画を立てるのにも、まずは現状を把握することが大事です。そこで、年末年始には家計の収支と資産の棚卸し(現状把握)をしてみましょう。
 
小山英斗

執筆者:小山英斗(こやま ひでと)

CFP(日本FP協会認定会員)

1級FP技能士(資産設計提案業務)
住宅ローンアドバイザー、住宅建築コーディネーター
未来が見えるね研究所 代表
座右の銘:虚静恬淡
好きなもの:旅行、建築、カフェ、散歩、今ここ

人生100年時代、これまでの「学校で出て社会人になり家庭や家を持って定年そして老後」という単線的な考え方がなくなっていき、これからは多様な選択肢がある中で自分のやりたい人生を生涯通じてどう実現させていくかがますます大事になってきます。

「未来が見えるね研究所」では、多くの人と多くの未来を一緒に描いていきたいと思います。
https://miraiken.amebaownd.com/

家計収支の洗い出しは肌感覚でも書き出すことが大事

家計の収支と資産の棚卸しをするに当たり、必要となるツールは「家計の収支確認表」と「家計のバランスシート(資産負債確認表)」です。
 
知識があれば自分でも作成できる表ですが、インターネットでもそれらのひな形となるシートは検索できると思います。ここでは誰でも利用できる日本FP協会の「便利ツールで家計をチェック」のページから入手できる表を参考に説明します。※
 
まずは家計収支の確認です。記入する手順は以下の通りです。
 

 

 
収入にしても支出にしても月々決まった額ばかりではないかと思います。収入であれば残業代や賞与など、支出であれば食費や光熱費、交際費などが変動要因になるでしょう。そのため、特に初めて家計収支表を書いてみようとする場合は、しっかり洗い出そうとするととても大変な作業に感じてしまうかもしれません。
 
でも大事なことは、まずは収支確認表を書いてみようとすることです。そこで、あまり細かいところまで計算しようとせずに、「このぐらいかなぁー」といった感じで、ざっくりと肌感覚でもよいので記入してしまいましょう。
 

家計収支の確認ポイントは貯蓄額

収支確認表が作成できると、支出が収入に対して多過ぎないかどうか気になる人もいるかと思います。
 
そこで、ここに筆者が相談者からライフプラン相談を受けたときなどに家計の簡易診断を行う際の目安の一つとして提示している数字があります。この数字は総務省統計局の家計調査の数字や、過去の相談等の経験を基に筆者が独自に出した「理想の支出割合」と呼ぶものです。
 
基本生活費はその項目を食費や水道光熱費等にさらに分けていますが、基本生活費全体としては35%を目安としています。
 

 
ここでは各支出項目が理想の支出割合に収まっているかどうかはあまり大きな問題ではありません。理想の支出割合はあくまで目安の一つです。家族構成やどんなことにお金をかけたいのかでも支出割合の「デコボコ」は当然出てきます。
 
ここで特に確認したいことは「貯蓄できる額」の割合です。貯蓄できる額の割合がプラスであることはもちろんのこと、できるかぎり年間収入(手取り)の10%以上、理想は15%を貯蓄額にしたいところです。もし20%以上できるなら超優等生ではないでしょうか。
 

バランスシートで収支確認表の貯蓄額を検証

家計の現状把握にもう一つ利用するのがバランスシート(資産負債確認表)です。年末時点の資産と負債を洗い出し、バランスシートに金額を記入していきます。
 

 
資産の欄の普通預金や定期預金などは通帳の年末時点の数字をそのまま書き写せばいいですが、株式や投資信託などの投資性商品、また、住宅などはその時点の時価で計算します。貯蓄性の保険であれば、その時点で解約した場合の解約返戻金で計算します。
 
負債の欄の住宅ローンや自動車ローンなども年末時点のローン残高を記入します。返済が必要な奨学金も負債ですので、ある場合には忘れず記入しましょう。
 
資産合計(A)から負債合計(B)を引いた数字が本当の意味で資産といえる「純資産」となります。バランスシートで家計の状況をみるポイントは以下の2つです。
 
(1)資産から負債を引いた純資産がプラスであるかどうか(安全性)
(2)前年と比較して純資産が増えているかどうか(健全性)

 
住宅ローンを組んで住宅購入してから間もない場合などは、住宅の時価評価より住宅ローンの負債額が大きく純資産がマイナスという場合もあるかと思います。
 
この場合でも、しっかりローン返済ができていて、かつ純資産額がマイナスからプラスに向けて増加傾向であれば問題ありません。また、先の収支確認表で確認した貯蓄額が「本当に」貯蓄できているかは、このバランスシートの資産が増加しているかどうかをみて確認しましょう。
 

まとめ

バランスシートの数字の増減を知るためには定期的にバランスシートを作成しないと前回との比較ができません。
 
そのためにも、最低でも年に一度はバランスシートを作成するようにしましょう。そして予定した貯蓄ができていないのであれば、収入に変化がないか、支出に見落としているものはないか収支確認表の見直しをしましょう。
 
出典 日本FP協会「便利ツールで家計をチェック」
 
執筆者:小山英斗
CFP(日本FP協会認定会員)


 

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