ウィズコロナ時代。これからを見据えた家計管理術とは?
配信日: 2020.06.17 更新日: 2024.10.10
増えた支出は「食費」「水道光熱費」「日用品購入費」「娯楽費」「家具家電購入費」、反対に「交際費」「外食費」「被服費」「交通費」は減っているとのことです。
さて、全国的に緊急事態宣言が解除され、徐々に自粛ムードが緩和する中、新型コロナウイルスと共存するニューノーマル(新常態)社会が形成されようとしています。このような時代、家計をどのように管理していけば良いでしょうか。
執筆者:うらのまさこ(うらの まさこ)
不動産業界出身のFP
人生100年時代のライフプランとお金の専門家。家計見直しから資産形成・資産運用まで、お客様のライフプラン実現をサポートいたします。国民年金基金PRで定期的にFM愛知等にも出演中。日本FP協会認定CFP(R)、1級FP技能士、宅地建物取引士。
家計管理で注意したいことは?
おうち時間が長くなると、ついついネットサーフィンをしてしまいがち。ムダなものを買わないようにしたいものですね。
お金を使う前に「消費(必要なものへの支出)」「浪費(ただほしいものへの支出)」「投資(今はともかく将来に役立つであろう支出)」の3つのどれに当てはまるか考え、どれかわからない場合は、例えば1週間我慢する、というような癖をつけましょう。
家計簿は、お金の使い方や考え方の癖をつけるのに最適なツールです。家計簿をつけたことのない方は、まず1カ月つけてみましょう。つけている方は、つけることで満足せず、見直すことが大切。例えば、収入が入った時点で先取り貯蓄する仕組みを作り、通常の生活費に関しては収入以上に使わない、という方法も有効です。
1カ月の収入に対して、各費目の理想の金額(予算)を決めましょう。家計簿アプリは費目ごとの予算を設定でき、レシートをカメラで撮影すれば、買い物の明細を自動的に費目で振り分けしてくれ、グラフ化などもでき「見える化」も簡単です。
何にお金を使うのが適当なのかということですが、もし家族でこだわりが異なるなら話し合いが必要。この機会に、今後の生活設計と貯蓄計画を考える時間を作ってみると良いですね。
節約はもちろんですが、キャッシュレス還元事業(6月末まで)、キャッシュレス利用時のポイントやキャッシュバック、そして9月から2021年3月まで実施されるマイナンバーカードを利用して25%、最大5000円還元のマイナポイント事業など、消費しながらお金を生み出せる仕組みも上手に使いたいものです。
これからを見据えた準備とは
全世界的に経済が縮小したことによって、IT系など一部を除くほとんどの業種が多かれ少なかれ打撃を受けています。中小企業や個人事業主に対しては、持続化給付金をはじめ各種給付や無利子融資、保険料の減免、納税猶予、助成金などが始まっています。
また、個人は10万円の生活支援給付金、児童手当をもらっている世帯へお子さん1名につき1万円の子育て世帯特別給付金、家賃補償や休業補償などが、国の施策として次々打ち出されています。
各自治体独自の施策もありますので、両方しっかりチェックして受給または利用しましょう。ローンの半年払いを設定している方は、業績によっては冬のボ-ナスが支給されない可能性もありますから、今から備えておくと安心ですね。
テレワークを通じて、ビジネスの新たな可能性も見えてきました。スキルを生かした複業や、起業準備を始めるのも良いかもしれません。コロナショックによる株価下落により、ネット証券の口座開設が増えたそうです。
新型コロナウイルスは全世界的な流行ですので、第2波、第3波と来年以降まで続けば、マーケットの動きも不安定になりがち。成功する投資は、時間分散・資産分散・長期保有を意識することです。短期で右往左往しないためには、積立の資産形成がおすすめです。
SDGs(エスディージーズ Sustainable Development Goals)という言葉を聞かれたことがあるかもしれません。
持続可能な社会を作るために国連が提唱している、2030年までの地球規模の開発目標ですが、中でも、Environment(環境)、Social(社会)、Governance(企業統治)の3つの要素に着目して企業分析し、優れた経営をしている企業に、投資先として注目が集まってきています。そのような流れも意識すると良いですね。
(参考)
LINE「LINE家計簿、新型コロナウイルスの影響による 家計の支出の影響について調査を実施」
家計簿アプリ「Dr.Wallet」のレシート登録情報に見る新型コロナウイルス感染症拡大による自粛要請前後の消費動向
日経新聞「ネット証券、口座開設が急増 株価急落で初心者参入」(この記事は有料版です)
執筆者:うらのまさこ
不動産業界出身のFP