新型コロナウイルス。無利子でお金が借りられる仕組みとは?
配信日: 2020.07.18 更新日: 2024.10.10
今回は、毎月の家賃が払えない、子どもの学費を支払うことができないなど、新型コロナウイルスで経済的に苦しい人が活用することができる融資制度についてご紹介します。
執筆者:下中英恵(したなかはなえ)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者
“東京都出身。2008年慶應義塾大学商学部卒業後、三菱UFJメリルリンチPB証券株式会社に入社。
富裕層向け資産運用業務に従事した後、米国ボストンにおいて、ファイナンシャルプランナーとして活動。現在は日本東京において、資産運用・保険・税制等、多様なテーマについて、金融記事の執筆活動を行っています
http://fp.shitanaka.com/”
安心な無利子の融資制度
新型コロナウイルスによる休業や失業により生活資金で困っている方は、まず、国が用意している「緊急小口資金等の特例貸付」の利用を検討してみましょう。
この貸付制度の一番のポイントは、保証人不要かつ無利子でお金を借りることができるという点です。
<緊急小口資金>
1.対象者
新型コロナウイルスのために収入が減り、生活費がすぐに必要な世帯
2.貸付上限額
仕事がなくなった人、個人事業主などの特別な場合は、20万円まで
その他は、10 万円まで
3.据置期間(お金を返さなくてもよい期間)
1年まで(借りてから1年間は返さなくてよい)
4.償還期限(お金を返す期限)
2年まで(2年後までに返す)
緊急小口資金は、住んでいる市区町村社会福祉協議会か労働金庫に申し込みを行い、郵送での手続きも可能です。
また、緊急小口資金の他にも、条件によっては無利子や低利子で利用できる貸付制度があるので、厚生労働省のホームページ(※1)を確認してみましょう。
メガバンクの制度も確認
次にご紹介するのは、大手金融機関が行っている融資制度についてです。
三井住友銀行とSMBCコンシューマーファイナンスは、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、個人生活や経済活動へ影響を受けた方向けに、無利子や低利子でお金を借りることができる制度を用意しています。
まず、三井住友銀行の「特別金利フリーローン」は、融資金額300万円まで、店頭金利より年3.00%の引き下げた金利で、お金を借りることが可能です。
2020年4月1日現在の金利は年2.975%となっており、大変良心的といえるでしょう。
担保や保証はSMBCコンシューマーファイナンスの保証を受けられる方、となっています。
また、SMBCコンシューマーファイナンスには、「応援融資」という商品があります。
こちらは、実質年率4.50%ですが、貸付後1年間は無利息で、最大10万円までお金を借りることができます。
担保や保証は不要で、必要書類は本人確認書類のみです。
自動契約機や郵送で手続きが完了するのもポイントですね。
一時的な資金に困っている方は、ぜひ活用してみてはいかがでしょうか。
さらに詳しい情報については、三井住友銀行のホームページ(※2)を確認してみましょう。
消費者金融には要注意
生活資金に困った場合、消費者金融機関などのカードローンを利用してみようと考える方もいるかもしれませんが、安易にお金を借りてしまうのは危険です。
消費者金融機関は審査が早く、時間がかからずに借り入れができるというメリットがありますが、一方で、金利が高いという注意点があります。
消費者金融機関の実質年率は、3%から18%くらいが一般的です。
お金を借りてから30日以内に返済した場合、無利子になるなどの商品もありますが、万が一、予定どおり返済ができないと、多額の金利を支払わなければならなくなってしまいます。
新型コロナウイルスによる休業や失業により、一時的な資金に困っている場合は、消費者金融機関を利用するよりも、国の制度やメガバンクが用意している融資制度を利用する方が良いケースがあります。
安易に消費者金融機関からお金を借りず、よく検討することが大切です。
いかがだったでしょうか。新型コロナウイルスの影響は、まさに緊急事態です。
外出自粛などを強いられているだけではなく、日々の生活資金に困るなど、不安な毎日を送っている方も多いでしょう。
今回ご紹介した内容を参考にしながら安心安全にお金を借りて、現在の緊急事態を乗り越えていきましょう。
参考
(※1)厚生労働省 生活福祉資金貸付制度
(※2)三井住友銀行 個人のお客さまへの、ご融資についてのお取り組み
執筆者:下中英恵
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者