更新日: 2024.10.10 家計の見直し

食費を節約するために最初にやるべきことは?

食費を節約するために最初にやるべきことは?
節約はまず予算があって、その範囲で支出をすることが前提といわれますが、食費に関してはNG。予算より先に注目するべきことがあります。
波多間純子

執筆者:波多間純子(はだまじゅんこ)

㈱bloom代表。ファイナンシャル・プランナー(CFP(R)),キャリアコンサルタント
 
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「お金しだい」の人生から「自分しだい」の人生への選択をサポート。家計相談28年、相談件数4,000件超。家計相談と合わせて、その方の才能や適職を診断し潜在能力を高める「咲かせようじぶん資産」をテーマに個人セッションとワークショップを開催。
 
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食費の節約は難易度が高い

そもそも他の支出と比べて、食費を下げるのは非常に難易度が高いのです。その理由は3つ。
 
1つ目は、人は食べなくては生きていけず、食を制限すること自体がストレスになるから。2つ目は、食事の機会は基本的に1日に3度、一生涯やってくるので、常に節約と戦い続けるはめになるから。
 
そして3つ目、食費の節約は手間をかけたり、料理のスキルが高かったりするほど達成しやすいから。逆にいえばスキルがないと達成しにくい支出なのです。
 
にもかかわらず、お金を使う頻度が他の支出より多いという身近さゆえに、節約は食費から手をつけがちです。節約失敗→赤字→再チャレンジ→失敗……挫折のループを繰り返すと嫌気がさしてしまいますよね。

食費の節約でやってはいけないこととは

これほどハードルの高い食費の節約に、さらなる予算の上限を決めて挑むのは得策ではないように思います。予算を決めるということは、金額を基準にして選ぶ食材を決めるということになるかもしれません。より安いものを買うことが目的になってしまい、食事がまとっている「クオリティ」が下がってしまう可能性があります。
 
ここでいうクオリティは、単に高級な食材を使うとかぜいたくな食事をするという意味ではありません。自分や家族が食事に対して大切にしている「何か」です。この何かを知り、それから得られる満足度を維持することをお勧めします。
 
つまり、苦しくない節約を目指すには、まずは「いくら」使うかより、「何に」使うかを優先するのがコツなのです。

スーパーで食材を買うということにはさまざまな意味がある

「スーパーで食材を買う」ということにはさまざまな意味があります。単なる食べもの購入ということだけでなく、生命や健康を維持するための土台となる栄養素、さらには精神的な満足や時間です。

生きていくために、最低限のカロリーを摂取して生命を維持します。さらにバランスのとれた食材をとることで健康を得ることができます。
 
日本の和食に使われる食材は、主に米と味噌、旬の野菜、豆腐・納豆といったタンパク源が多く、健康維持ができる優れモノです。これらだけを食べるのだとすれば、もしかしたら、それほどお金はかからないかもしれません。
 
しかし、それより上の欲求オプションは、人によって求めるものが異なります。例えば、プロの味を堪能する・外食することに価値を見いだしていれば、それがオプションです。
 
家族で楽しむ外食は、レジャーの要素もあるかもしれません。かかる費用でいえば自炊のほうが安いですが、オプションへの満足が価格に見合っているのならムダ遣いとはいえません。
 
また、スーパーの惣菜を買うことは、調理時間の節約というオプションを得ています。育児中や共働き家庭が外食したり惣菜を買ったりした際に、このオプションを自覚すれば、手間をかけてくれた作り手へ感謝するとともに、支出への満足度が上がるのではないでしょうか。

あなたは食に何を求めている?

では、あなたが食費を使って買っているオプションは何でしょう? 代表的な要素を挙げておきました。これ以外でも自分なりのオプションを考えてみてください。

<食費から得るオプションの例>

〇エンターテインメント
〇食べる快楽
〇癒やし
〇よりおいしいものが食べたい
〇より健康になりたい
〇より美しくなりたい
〇ストレス解消
〇食へのこだわり
〇時間
などなど。
 
要は、食費を何の満足と引き換えているかを自覚することが、最初にするべきことです。

求めるものを基準に予算を決める

例えば、外食にレジャー要素を求めるのなら、他の娯楽を削って外食にお金を使うのも良いでしょう。時間を重視して惣菜を買う……このことは、収入とのトレードオフと考えて、多少食費がかさむことは経費の範囲と割り切っても良いのではないでしょうか。
 
こういったことを理解したうえで、自分の家庭なりの予算を決めるというのが、節約をするために最初に行うこと、『正しい順番』だと筆者は考えます。
 
大切にしたいオプションと予算がわかれば、具体的な節約が苦しみではなく楽しみになるかもしれません。レジャーとしての外食ならば、お気に入りの店をピックアップしたり、回数を減らして単価を上げたりして、イベント性を高めるなど工夫するとより楽しくなるかもしれません。
 
家族がお肉大好きなら、日々のメニューにお肉を取り込むと決めたうえで、近所のコスパのいい店を比較検討する、かさ増しの節約料理を覚える、というように具体的な行動に出ることで生活能力も身につく可能性があります。
 
自分たちの家族が求めることを大事にして食卓を彩っていけば、満足度の高い暮らしと節約の両方がかなうかもしれませんよ。
 
執筆者:波多間純子
㈱bloom代表。ファイナンシャル・プランナー(CFP(R)),キャリアコンサルタント


 

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