更新日: 2024.10.10 家計の見直し
在宅時間の増加で家計に変化が。家計簿にできる3つのこと
執筆者:宮﨑真紀子(みやざき まきこ)
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士
大阪府出身。同志社大学経済学部卒業後、5年間繊維メーカーに勤務。
その後、派遣社員として数社の金融機関を経てFPとして独立。
大きな心配事はもちろん、ちょっとした不安でも「お金」に関することは相談しづらい・・・。
そんな時気軽に相談できる存在でありたい~というポリシーのもと、
個別相談・セミナー講師・執筆活動を展開中。
新聞・テレビ等のメディアにもフィールドを広げている。
ライフプランに応じた家計のスリム化・健全化を通じて、夢を形にするお手伝いを目指しています。
家計簿で自分のお金を可視化する
キャッシュレス化が進み、クレジットカードやスマホで決済することが増えました。それに伴い家計簿も、手書きやExcelの作表から家計簿アプリに進化しています。そこまでして家計簿は必要? と思ってしまいますが、その理由は、お金の流れの見える化(可視化)です。
今回のように「生活の変化により支出の内容が変わった」ということが肌感覚では分かっていても、実際の金額までは分かりません。
可視化することによって、予算の組み換えなどがスムーズになります。「遠出はできないので近場でプチぜいたくしよう」と考える時、「そのプチぜいたく、どのくらいまで許されるの?」を知っておいたほうが安心です。
本来は家計簿を始める前に、押さえておくべきことがあります。家計簿は「お金の流れを可視化する」、また「お金を貯める」ための手段としては、とても有効です。でもこれは、あくまでも手段であり目的ではありません。何のためにお金を貯めたいのか? その目的をはっきりさせることが重要です。
教育費・住宅費・老後資金は人生の3大資金といわれてきました。これ以外にも趣味や旅行、結婚資金、将来の独立のため等々、それぞれの目的があると思います。自分の夢の実現のためなら、コツコツと日々の努力も続くはずです。
「特に計画はないけれどとりあえず将来のため、ないと不安」という人も多いです。この場合も、自分が安心できる金額はいくら? と考えてみませんか。“目標設定が重要”としたのは、目的意識をしっかり持たないと、家計簿をつけることや“お金を貯める”ことが長続きしないからです。
「お金」と考えると気難しく考えてしまいますが、これはダイエットと同じです。「同窓会までにマイナス3キロ」のように、“いつまでに”という期日と、具体的な数字目標を掲げることで達成する確率が上がります。
ダイエットにも、レコーディングダイエットという方法があります。記録することにより「こんなにお菓子を食べていた」ということが判明します。毎日の摂取カロリーと消費カロリーを計算することは大変でも、とりあえず記録するだけで気づくことは多いのです。
例えば、食事のカロリーは気にしているのに痩せない。ケーキも我慢しているつもりだったのに、レコーディングしてみると、チョコレートやクッキーなどをつまんでいたことが発覚。無意識のうちに食べていた、ちょっとしたお菓子が原因だったということがあります。
お金についても同様です。無意識のうちに使っていた、ちょっとした買い物が“くせ者”なのです。
家計簿にできる3つのこと
家計簿が有効な理由は以下のとおりです。
(1)使途不明金をなくす(お金の流れを知る)ことができる
自分のお金でありながら、現状把握ができていない人が多いのが実情です。「赤字になっていないので、大丈夫かな」と暮らしていると、なかなか貯金はできません。
特に高額なものを購入していないのに貯金できていない、いつの間にかお財布にあった1万円札がなくなっている、これは「何となく使っているから」が原因です。
(2)現状の収支で大丈夫か否かを判断することができる
前段にある「いつまでにいくら貯めたい」という目標が設定されれば、毎月(あるいは毎年)いくらずつ貯めるという具体的な数字が出てきます。
そのためのお金の使い方は、“このままで良いのか”あるいは“節約が必要なのか”を見極めることになります。「節約に励み過ぎて、今を楽しめない」という本末転倒なことも防げます。このように状況把握することができれば、計画の実現が見えてきます。
(3)どこに無駄があるのかを探すことができる
「節約が必要」となった場合も収支の詳細が分かっていれば、どこに無駄が潜んでいるのか、どの程度の節約をすれば良いのかを考えることが容易です。解決する点がはっきりすれば、実践までスムーズに移せます。
このように見てくると、家計簿を始めるには覚悟がいるように思えるかもしれませんが、まずはお買い物ゲームの感覚で、記録してみませんか。
執筆者:宮﨑真紀子
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士